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どうやら歓迎されていないようです
扱いが難しいチームメンバー
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「――彼も、メンバーなんですよね?」
ようやく落ち着いたわたしは、確認するように凪先輩へと問う。
しかめっ面の表情を浮かべたまま、ゆっくりと凪先輩はうなずいた。
「二年の留城也だ。電子や電気仕掛けの機械など、電気系統を支配する能力を持っている。生まれつきの体質だそうだ」
その言葉を聞いて、わたしはピンときた。
腕時計の秒針が止まっていたのは、きっとそのせいだ。
わたしの親戚にもそのような体質の人がいて、すぐに狂ってしまうから腕時計を身につけられないって言っていたのを聞いたことがある。
妙に納得してうなずくわたしへ、凪先輩は、少し考える顔をしながら続けた。
「それから、留城也は女性嫌いというより、人間そのものを信用していない。彼が信じるモノは自分の思い通りに動く機械だけだ。きみだから冷たい態度をとったわけではない。まあ、なんだ――彼の言動に関しては気にするな」
わたしは、思わず凪先輩の顔をまじまじと見つめる。
もしかして、わたしに気を使ってくれているのだろうか?
けれど、あまりにも見つめすぎたせいか、凪先輩はみるみる不機嫌そうな表情になった。
「しかし、きみもあれぐらいで大騒ぎをするんじゃない。試験がはじまったとき、こんな醜態をさらすんじゃないぞ」
「なんですか! 醜態って」
「大声をだしながら逃げ回ったり、椅子の上に仁王立ちするなってことだ。スカートをはいた女の子だろう? 見ているこちらが恥ずかしい」
「その女子のスカートを風でめくったのは、どこのどなたでしたっけ!」
「あれは事故だと言うとろうが!」
睨み合うけれど、昨日ほど凪先輩が恐く感じられない。
たった一日でも、慣れってすごいな。
そんな凪先輩は、すぐに別のことへと考えを向けたらしい。
「しかし。留城也は、きみが両手で軽々とパソコンを持ち上げている姿を見て、普通の姿ではないと気づかなかったのか? 火事場の馬鹿力くらいに思っているのだろうか? 意外と目が節穴だな」
「その言葉、けっこうひどいですね。留城也先輩に対してもわたしに対しても。ともあれ、彼にわたしの馬鹿力を認識されなくて良かったです」
そこまで口にしたわたしは、ふと考えて首をかしげる。
もしかしたら、――留城也先輩って、意外と抜けてる?
それとも、気づいていたけれども、口に出さなかっただけ?
もし前者なら、なんだ、戦隊メンバーもたいしたことがないなという感じ。
でも、もし後者なら、どちらのほうだろう?
驚いて口にするほど、たいしたことじゃないから言わなかったのか。
それとも、わたしに気を使って言わなかったのか。
――最後の理由は、きっとないな。
だって、わたしが怪力を恥ずかしいだなんて思っていることを知らないだろうし。
たぶん、怪力程度の能力は、たいしたことじゃないって思われたんだろうな。
ようやく落ち着いたわたしは、確認するように凪先輩へと問う。
しかめっ面の表情を浮かべたまま、ゆっくりと凪先輩はうなずいた。
「二年の留城也だ。電子や電気仕掛けの機械など、電気系統を支配する能力を持っている。生まれつきの体質だそうだ」
その言葉を聞いて、わたしはピンときた。
腕時計の秒針が止まっていたのは、きっとそのせいだ。
わたしの親戚にもそのような体質の人がいて、すぐに狂ってしまうから腕時計を身につけられないって言っていたのを聞いたことがある。
妙に納得してうなずくわたしへ、凪先輩は、少し考える顔をしながら続けた。
「それから、留城也は女性嫌いというより、人間そのものを信用していない。彼が信じるモノは自分の思い通りに動く機械だけだ。きみだから冷たい態度をとったわけではない。まあ、なんだ――彼の言動に関しては気にするな」
わたしは、思わず凪先輩の顔をまじまじと見つめる。
もしかして、わたしに気を使ってくれているのだろうか?
けれど、あまりにも見つめすぎたせいか、凪先輩はみるみる不機嫌そうな表情になった。
「しかし、きみもあれぐらいで大騒ぎをするんじゃない。試験がはじまったとき、こんな醜態をさらすんじゃないぞ」
「なんですか! 醜態って」
「大声をだしながら逃げ回ったり、椅子の上に仁王立ちするなってことだ。スカートをはいた女の子だろう? 見ているこちらが恥ずかしい」
「その女子のスカートを風でめくったのは、どこのどなたでしたっけ!」
「あれは事故だと言うとろうが!」
睨み合うけれど、昨日ほど凪先輩が恐く感じられない。
たった一日でも、慣れってすごいな。
そんな凪先輩は、すぐに別のことへと考えを向けたらしい。
「しかし。留城也は、きみが両手で軽々とパソコンを持ち上げている姿を見て、普通の姿ではないと気づかなかったのか? 火事場の馬鹿力くらいに思っているのだろうか? 意外と目が節穴だな」
「その言葉、けっこうひどいですね。留城也先輩に対してもわたしに対しても。ともあれ、彼にわたしの馬鹿力を認識されなくて良かったです」
そこまで口にしたわたしは、ふと考えて首をかしげる。
もしかしたら、――留城也先輩って、意外と抜けてる?
それとも、気づいていたけれども、口に出さなかっただけ?
もし前者なら、なんだ、戦隊メンバーもたいしたことがないなという感じ。
でも、もし後者なら、どちらのほうだろう?
驚いて口にするほど、たいしたことじゃないから言わなかったのか。
それとも、わたしに気を使って言わなかったのか。
――最後の理由は、きっとないな。
だって、わたしが怪力を恥ずかしいだなんて思っていることを知らないだろうし。
たぶん、怪力程度の能力は、たいしたことじゃないって思われたんだろうな。
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