転移したら獣人たちに溺愛されました。

なの

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第1章

第34話

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さっきからノアの頭を撫でながら謝る父上にパパもう謝らなくていいよ。と言うと尻尾をブンブン振ってノアありがとう。と嬉しそうに抱っこしてしまった。抱き上げられて父上の尻尾を見てノアは驚いた様子で
「パパの尻尾、ブンブンしてる。わんちゃんみたい。どうしたの?」
と聞いていた。俺たち獣族の中でも特に尻尾が長いもの達は尻尾で感情を表すこともある。嬉しい時や楽しい時は左右に尻尾が揺れてしまう。その感情の大きさによって大きく揺れたり小さく揺れたりする。父上は大袈裟なくらいに勢いよく振っているがそれだけ嬉しいんだろう。

「ノアが許してくれたからパパは嬉しいんだ。そうだノア、パパとお昼ご飯を食べたらゲームをしようか」
「ゲーム?」
「そう。今日はノアのためにゲームを用意したんだ。ノアは遊んだことがあるかな?」
「僕ゲーム楽しみ」
「じゃあ行こうか、ほらみんなもいくぞ」
俺と母上に目で合図をしながら前を歩いていた。


「カイル、あまりノアを不安にさせないでちょうだいね」
母上から少し厳しい口調で注意を受けた。
「申し訳ありません」
「ノアは心に大きな傷を抱えているの、あなたもよく知ってるでしょ。だからこそ私たちの大きな愛で包んであげなくちゃいけないじゃない。最近ようやく自分の気持ちを出してくれるようになったんですもの。塞ぎ込んで自分の殻に閉じこもらせないようにしないとね」
「わかりました。気をつけます」
「まあ、あなただけじゃなくてパパにも言わないとね。それにしても何を買ったのかしら?」
そう言ってノアたちの元に走って行った。

ダイニングテーブルにはオムライスとサラダとスープが用意されていて俺のお皿には卵の上にケチャップでカイくんと名前が書いてあった。

「これは?」
「ノアがみんなの名前を書いてくれたんだ。ケチャップじゃ絵は描けないと言われてしまってね」
見渡すと、パパ、ママ、アリーちゃん、リー、ライくんとみんなの名前がそれぞれ書いてあって思わず笑みがこぼれると

「あんた、ノアを泣かしたんだって?」
久しぶりに聞く声の主に顔を向けた。
「姉上、久しぶりですね」
少しおちょこちょいの姉は最近、特別訓練に呼ばれて行っていたので家にはいなかった。やっと帰ってきたのだろう。少し疲れたような顔をしていた。

「だから聞いてるの?カイル」
「そんなに大声で言わなくても聞こえてますよ。少し不安にさせてしまっただけです。今はもう落ち着きましたよ」
ノアを見ると父上の膝の上に座って自分で食べていた。

「それより姉上、特別訓練はいかがでしたか?」
「疲れたわよ。今回は本当に大変だったのよ。どうして母上みたいに上手くいかないのかしら?」

母上がこの前言っていたのを思い出した。姉はどうも魔力がありすぎるらしく自分でコントロールが上手くいかないらしいと…少しずつ訓練していけば身についていくらしいが、姉はすぐに彼氏に会おうとしてサボってしまうので今回は会えずにちゃんと訓練させるため泊まりでの訓練に強制参加させたと…連絡も取れない奥深くでの訓練だったからかバルトにも会えなかったようだが……

「そう言えばバルトは?」
いつもなら姉上が帰った時には勝手に家で待ってるバルトがいなかった。
「バルトも飛行訓練だって。明日まで戻ってこないの。せっかく会えると思ったのに」
だからなんとなく機嫌が悪いのかと思ったがノアに近づいていった。

「ノアは少し見ない間に大きくなったみたいね」
「うん。僕いっぱい食べてカイくんみたいに大きくなるの」
「フフフ…そうね。なれるといいわね」

「ノアはもうお腹がいっぱいか?」
父上に問いかけられるとノアは俯いてごめんなさいと謝った。お皿を見ると上の卵は全部食べているがご飯はあまり減ってないように見えた。いつもと同じく少ない量なのに食べれずに残しているのが気になったがきっと泣いたからかもしれないとその時はみんなそう思ったが…後日ノアの嫌いな食べ物が入っていたことに気づいたのは別の話である。

「じゃあパパとゲームをしようかエアロン例のものを持ってきてくれないか?」
「承知いたしました。少々お待ちください」
一体、父上は何を買ったんだろう?ノアも不思議そうに周りをキョロキョロしているとエアロンが箱を抱えて戻ってきた。

「ノアどれで遊ぼうか?」
1つ目は算数のパズルゲーム。2つ目は算数セットが入っていて足し算や引き算が簡単にできるカードや九九のタブレットも入っていた。3つ目はすごろくゲームで億万長者を目指すらしい。

「人数がいっぱいだからすごろくをやろうか?パパもやったことないから楽しみだな」
ノアは箱の中身を取り出して1人ずつにコマを渡してくれた。

「赤はアリーちゃん、水色はパパ、ピンクはママ、黄色は僕、緑はカイくん、白はりーね。あっ6個しかコマがないよ。ライくんとサイモン先生とロンくんはちょっと待っててね」

「ノア大丈夫ですよ。私達は見てますからね」
「じゃあ始めようか」
父上の合図でゲームが開始された。

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