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自分の思い
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部署に着くなり僕はさっきのエントランスでの出来事を質問された。
みんなに囲まれてドキドキしながら…でも、部長もデルさんもいないので不安ではあったが、会社の途中で会ったこと。そこで部長からデルさんの紹介を受けたことをかい摘んで説明した。
朝、デルさんに言われたけど僕はやっぱり怖くて本当のことを言い出せなかった。
早く部長が戻って来てくれないかと祈っていると…
「いつぶりかな?この部屋に入るの」そう言いながら里中さんが入ってきた。
なんだか僕はホッとしてしまい顔が緩んでしまった。
「小沢くん、ちょっといいかな?」そう言って一緒に部署を出た。
「海斗くん大丈夫?ずいぶん質問攻めに合ってたようだけど…」
「すみません。今朝のこと聞かれて…どう答えていいかわからなくなっちゃって…」
「まぁ透もいなけりゃ、そうなるよな。透たちが待ってるから行こう」
そう言われて常務の部屋に行った。
初めて入る常務の部屋に緊張していると「海斗くん。ごめんね。ちょっと聞きたいことあるから座って」
緊張しながら透さんに手を差し伸べられて透さんの隣に腰を下ろした 「失礼します」
なんだか見慣れない部屋だし。なんか空気が違う感じがした。すると常務が背筋を伸ばしながら口を開いた。
「単刀直入に聞くね」ちょっと硬い声で言われ身構えた。
「透はこれから副社長としての仕事もしていかないといけなくなる。海斗くんは今後、透の秘書になるつもりはあるのかな?その辺のところをはっきりとさせたくてね。呼び出してごめんね」
前々から言われていたことだ。僕も調べられる所は調べてもみた。まだ透さんにも伝えていなかったけど僕の気持ちは固まっていた。
「透さんの秘書になりたいです。透さんの隣で支えたいです」
常務の目を見て答えた。
すると突然
「海斗、ありがとう」そう言って透さんに抱きしめられた。
みんなの前で抱きしめられて恥ずかしいのに透さんの温もりと透さんの匂いに緊張が解けていくのを感じた。
「ありがとう海斗くん。よく決断したね。海斗くんも秘書の勉強これからしていこうか?部署変えは来月頃にしようか。1ヶ月あれば引き続き等々できるよね?そしてデルは海斗くんの代わりに営業部に配属させたいと思うけどいい?」
「はい。よろしくお願いします。海斗よろしくね」デルさんに言われて頷いた。これは営業部の中が荒れそうだわ~でもデルさんも男の人が好きなんだよね?さっき、質問された時も、ほとんどが女性陣からだった。透さんがカミングアウトしたせいで見込みをなくしてしまった彼女たちは、きっと顔面偏差値が高いデルさんに心を掴まれたのかも知れない。でも…見込みないってわかったら…うーんと悩んでいると…
「海斗?聞いてる?」透さんに顔を覗き込まれた。
「あっ…はい」
「秘書の勉強は大変だと思うけど頑張りなさい。秘書室長に色々聞いて覚えるといい。ただ…英語は日常会話以外にビジネス英語も必要だから…頑張ってね」
「かいとー英語なら僕が教えるよ。手取り足取り…」
「デル、調子乗るな!手も足もいらないから…」
「まぁ…デルならネイティブだからな。デルよろしく頼む」
「かいと…一緒に頑張ろうね」
「デルさん。よろしくお願いします」そう言うとデルでいいよ。さんはいらないから…と言われてしまった。
僕たち3人は常務の部屋を出て営業部に向かった。
なぜか僕はイケメン2人の間で歩いてて通る人が振り返る…そりゃそうだ。透さんは営業部長、デル…は今日来たばかりだが、もう噂は流れているだろう。それなのになんの関係も無さそうな僕がいるんだから…一体なに?と思わない方がおかしいよな…
少し遅くいこうと歩みを止めるとすぐさま透さんに手を引っ張られ横に並んで歩いた…
営業部に行く途中の会議室で透さんが足を止めた。どうしたのかと見上げると、デル髪の毛跳ねてる。トイレに行って直してこい。その間、海斗と話があるから終わったらここに集合な!そう言われてデルはトイレへ僕は透さんと会議室に入った。
トイレは通りすぎてしまってる。さっきトイレの前通った時に言ってあげればいいのに…と思ってたら会議室の鍵を閉めた透さんに抱きしめられた。
「海斗、もう一度お礼言わせて」そう言って抱きしめる腕に力を入れられた。秘書になってくれるって言ってたことありがとう。
聞こう…聞こうと思いながらも少し怖くて聞けなかったと言われた。
僕がなれるかなんてわからないし、不安だけど、ずっと透さんの側にいたいから…透さんの目を見て答えるとお互いに目を逸らさずに唇を合わせた。合わせた唇から熱が伝わる。ここが職場でもうデルが待ってるかも知れない。そう思いながらも「チュッ、チュッ」とついばむような口づけを交わした。「このまま海斗を遅っちゃいそう…」いつかも聞いたセリフに胸がドキドキしてしまった。
そろそろ行くか…とドアを開けたらデルが待ちくたびれた。全く…会社ではいちゃつくなよ。
俺…1人身なんだから…と溜息混じりに言われてしまった。
悪かった。デルの背中を叩いて営業部に向かって、部屋のドアを開けた。
みんなに囲まれてドキドキしながら…でも、部長もデルさんもいないので不安ではあったが、会社の途中で会ったこと。そこで部長からデルさんの紹介を受けたことをかい摘んで説明した。
朝、デルさんに言われたけど僕はやっぱり怖くて本当のことを言い出せなかった。
早く部長が戻って来てくれないかと祈っていると…
「いつぶりかな?この部屋に入るの」そう言いながら里中さんが入ってきた。
なんだか僕はホッとしてしまい顔が緩んでしまった。
「小沢くん、ちょっといいかな?」そう言って一緒に部署を出た。
「海斗くん大丈夫?ずいぶん質問攻めに合ってたようだけど…」
「すみません。今朝のこと聞かれて…どう答えていいかわからなくなっちゃって…」
「まぁ透もいなけりゃ、そうなるよな。透たちが待ってるから行こう」
そう言われて常務の部屋に行った。
初めて入る常務の部屋に緊張していると「海斗くん。ごめんね。ちょっと聞きたいことあるから座って」
緊張しながら透さんに手を差し伸べられて透さんの隣に腰を下ろした 「失礼します」
なんだか見慣れない部屋だし。なんか空気が違う感じがした。すると常務が背筋を伸ばしながら口を開いた。
「単刀直入に聞くね」ちょっと硬い声で言われ身構えた。
「透はこれから副社長としての仕事もしていかないといけなくなる。海斗くんは今後、透の秘書になるつもりはあるのかな?その辺のところをはっきりとさせたくてね。呼び出してごめんね」
前々から言われていたことだ。僕も調べられる所は調べてもみた。まだ透さんにも伝えていなかったけど僕の気持ちは固まっていた。
「透さんの秘書になりたいです。透さんの隣で支えたいです」
常務の目を見て答えた。
すると突然
「海斗、ありがとう」そう言って透さんに抱きしめられた。
みんなの前で抱きしめられて恥ずかしいのに透さんの温もりと透さんの匂いに緊張が解けていくのを感じた。
「ありがとう海斗くん。よく決断したね。海斗くんも秘書の勉強これからしていこうか?部署変えは来月頃にしようか。1ヶ月あれば引き続き等々できるよね?そしてデルは海斗くんの代わりに営業部に配属させたいと思うけどいい?」
「はい。よろしくお願いします。海斗よろしくね」デルさんに言われて頷いた。これは営業部の中が荒れそうだわ~でもデルさんも男の人が好きなんだよね?さっき、質問された時も、ほとんどが女性陣からだった。透さんがカミングアウトしたせいで見込みをなくしてしまった彼女たちは、きっと顔面偏差値が高いデルさんに心を掴まれたのかも知れない。でも…見込みないってわかったら…うーんと悩んでいると…
「海斗?聞いてる?」透さんに顔を覗き込まれた。
「あっ…はい」
「秘書の勉強は大変だと思うけど頑張りなさい。秘書室長に色々聞いて覚えるといい。ただ…英語は日常会話以外にビジネス英語も必要だから…頑張ってね」
「かいとー英語なら僕が教えるよ。手取り足取り…」
「デル、調子乗るな!手も足もいらないから…」
「まぁ…デルならネイティブだからな。デルよろしく頼む」
「かいと…一緒に頑張ろうね」
「デルさん。よろしくお願いします」そう言うとデルでいいよ。さんはいらないから…と言われてしまった。
僕たち3人は常務の部屋を出て営業部に向かった。
なぜか僕はイケメン2人の間で歩いてて通る人が振り返る…そりゃそうだ。透さんは営業部長、デル…は今日来たばかりだが、もう噂は流れているだろう。それなのになんの関係も無さそうな僕がいるんだから…一体なに?と思わない方がおかしいよな…
少し遅くいこうと歩みを止めるとすぐさま透さんに手を引っ張られ横に並んで歩いた…
営業部に行く途中の会議室で透さんが足を止めた。どうしたのかと見上げると、デル髪の毛跳ねてる。トイレに行って直してこい。その間、海斗と話があるから終わったらここに集合な!そう言われてデルはトイレへ僕は透さんと会議室に入った。
トイレは通りすぎてしまってる。さっきトイレの前通った時に言ってあげればいいのに…と思ってたら会議室の鍵を閉めた透さんに抱きしめられた。
「海斗、もう一度お礼言わせて」そう言って抱きしめる腕に力を入れられた。秘書になってくれるって言ってたことありがとう。
聞こう…聞こうと思いながらも少し怖くて聞けなかったと言われた。
僕がなれるかなんてわからないし、不安だけど、ずっと透さんの側にいたいから…透さんの目を見て答えるとお互いに目を逸らさずに唇を合わせた。合わせた唇から熱が伝わる。ここが職場でもうデルが待ってるかも知れない。そう思いながらも「チュッ、チュッ」とついばむような口づけを交わした。「このまま海斗を遅っちゃいそう…」いつかも聞いたセリフに胸がドキドキしてしまった。
そろそろ行くか…とドアを開けたらデルが待ちくたびれた。全く…会社ではいちゃつくなよ。
俺…1人身なんだから…と溜息混じりに言われてしまった。
悪かった。デルの背中を叩いて営業部に向かって、部屋のドアを開けた。
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