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その笑顔の隣に立つために
「……で、どこ行くんだよ」
車の助手席で悠真は怪訝そうな顔をしていた。
「着いてからのお楽しみだ」
ハンドルを握る鷹臣は普段よりほんの少し緊張していた。このプラン……バレたら終わる。
今日はドライブデートという名目の外出。
でも実態は……式場候補の下見。舎弟たちはすでに現地入りして試しの装飾やドレス確認に追われている。
***
「問題発生です!」
「花が……全部白バラしか届いてません!」
「なんでだ!ラナンキュラスは!?」
「白バラに統一したって言ってたの兄貴っすよ!」
「えっ、マジで!?……兄貴って時々、天然入りますよね……」
「どうすんだよ……今から手配間に合うか!?」
会場内は地味に修羅場だった。その数十分後、鷹臣の車は郊外のガーデン付き式場に到着した。
白い洋館、爽やかな青空、小さな噴水……そしてラナンキュラス(※数本だけ)
「……なんだここ。結婚式場?」
「ま、まぁ、そういうのもやってるらしいな」
悠真がじっと鷹臣を見つめた。
「お前……ここでプロポーズとかしねぇよな?」
「はっ……!?」
「だって、お前……顔、真っ赤」
「隠してねぇ!お前が勝手に勘ぐってるだけだろ!」
めっっっちゃ勘が鋭い!!
とにかく……誤魔化すしかない。
「ほら、景色いいだろ。噴水の前、行ってみろよ」
「……え、なんで?」
「いや……いい感じだから」
誓いの言葉の予行ポイントなんて、死んでも言えねぇ……
不審そうな顔をしながらも、悠真は噴水の前に立った。
そして……その姿を見た瞬間。鷹臣は息をのんだ。
静かな陽の光の中、風がふわりと悠真の髪を揺らす。
白い噴水を背にして立つその姿が、まるで……
「……なに、ジッと見てんだよ」
「……似合ってんな、こういう場所」
「っは?なんか、変か?」
「いや。やっぱ俺の目に狂いはねぇって、思っただけだ」
「……っ、やめろよ、そういう……」
顔を赤くした悠真が視線を逸らす。その横顔を鷹臣はそっと見つめた。
いつか……ここで。ちゃんと隣に立ってくれ。
***
一方、式場の控室では舎弟たちが全力で作戦会議をしていた。
「悠真さん、さっき「ここでプロポーズされるのかと思った」って赤くなってたらしい!」
「やっべぇ……完全に気づきかけてる……!」
「もう今やっちゃう!? 指輪出す!?」
「ダメだバカ!兄貴が完璧なタイミングにこだわってんの知らねぇのかよ!」
「じゃ、今日の噴水前……本番その1として記録な」
「その1!?何段階あんの!?」
「プロポーズ計画は5段階構成だ。全部兄貴が直筆でメモしてた」
「兄貴……マジで本気だな。ガチで添い遂げる気、満々……」
舎弟たちは一斉にため息をこぼした。
***
帰りの車内で悠真はふと笑って、ぽつりとつぶやいた。
「……今日は、ありがとな」
「ん?」
「最近、気を遣われてばっかでさ。けど、こうやって外に出て普通に過ごすの……ちょっと嬉しかった」
鷹臣はちらりと横顔を見て、ゆっくり微笑んだ。
「……たまには、こういうのも悪くねぇな」
「うん……」
助手席の悠真は、ふわりとまどろみ始めた。静かな車内に心地よい寝息が広がっていた。
鷹臣はハンドルを握ったまま、そっと悠真の手に触れた。その指先のぬくもりが心に染み込んでいく。
……絶対に、この手を離さねぇ。サプライズでも誓いでも何度でも伝えてやる。
お前は、俺の宝物だって。
車の助手席で悠真は怪訝そうな顔をしていた。
「着いてからのお楽しみだ」
ハンドルを握る鷹臣は普段よりほんの少し緊張していた。このプラン……バレたら終わる。
今日はドライブデートという名目の外出。
でも実態は……式場候補の下見。舎弟たちはすでに現地入りして試しの装飾やドレス確認に追われている。
***
「問題発生です!」
「花が……全部白バラしか届いてません!」
「なんでだ!ラナンキュラスは!?」
「白バラに統一したって言ってたの兄貴っすよ!」
「えっ、マジで!?……兄貴って時々、天然入りますよね……」
「どうすんだよ……今から手配間に合うか!?」
会場内は地味に修羅場だった。その数十分後、鷹臣の車は郊外のガーデン付き式場に到着した。
白い洋館、爽やかな青空、小さな噴水……そしてラナンキュラス(※数本だけ)
「……なんだここ。結婚式場?」
「ま、まぁ、そういうのもやってるらしいな」
悠真がじっと鷹臣を見つめた。
「お前……ここでプロポーズとかしねぇよな?」
「はっ……!?」
「だって、お前……顔、真っ赤」
「隠してねぇ!お前が勝手に勘ぐってるだけだろ!」
めっっっちゃ勘が鋭い!!
とにかく……誤魔化すしかない。
「ほら、景色いいだろ。噴水の前、行ってみろよ」
「……え、なんで?」
「いや……いい感じだから」
誓いの言葉の予行ポイントなんて、死んでも言えねぇ……
不審そうな顔をしながらも、悠真は噴水の前に立った。
そして……その姿を見た瞬間。鷹臣は息をのんだ。
静かな陽の光の中、風がふわりと悠真の髪を揺らす。
白い噴水を背にして立つその姿が、まるで……
「……なに、ジッと見てんだよ」
「……似合ってんな、こういう場所」
「っは?なんか、変か?」
「いや。やっぱ俺の目に狂いはねぇって、思っただけだ」
「……っ、やめろよ、そういう……」
顔を赤くした悠真が視線を逸らす。その横顔を鷹臣はそっと見つめた。
いつか……ここで。ちゃんと隣に立ってくれ。
***
一方、式場の控室では舎弟たちが全力で作戦会議をしていた。
「悠真さん、さっき「ここでプロポーズされるのかと思った」って赤くなってたらしい!」
「やっべぇ……完全に気づきかけてる……!」
「もう今やっちゃう!? 指輪出す!?」
「ダメだバカ!兄貴が完璧なタイミングにこだわってんの知らねぇのかよ!」
「じゃ、今日の噴水前……本番その1として記録な」
「その1!?何段階あんの!?」
「プロポーズ計画は5段階構成だ。全部兄貴が直筆でメモしてた」
「兄貴……マジで本気だな。ガチで添い遂げる気、満々……」
舎弟たちは一斉にため息をこぼした。
***
帰りの車内で悠真はふと笑って、ぽつりとつぶやいた。
「……今日は、ありがとな」
「ん?」
「最近、気を遣われてばっかでさ。けど、こうやって外に出て普通に過ごすの……ちょっと嬉しかった」
鷹臣はちらりと横顔を見て、ゆっくり微笑んだ。
「……たまには、こういうのも悪くねぇな」
「うん……」
助手席の悠真は、ふわりとまどろみ始めた。静かな車内に心地よい寝息が広がっていた。
鷹臣はハンドルを握ったまま、そっと悠真の手に触れた。その指先のぬくもりが心に染み込んでいく。
……絶対に、この手を離さねぇ。サプライズでも誓いでも何度でも伝えてやる。
お前は、俺の宝物だって。
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