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病院へ
とうとう今日は病院に行く日になった。奈月は落ち着かない様子でここ数日、食欲もなかったし、夜も眠りが浅いように感じた。口数も少なくて緊張しているんだろう。母とハルさんには奈月のことをそれとなく伝えてたので2人は何も言わずにいてくれたのは助かった。八巻先生には奈月を犯したと思われる人の特定をお願いしておいた。俺は許せない気持ちだが八巻先生に全てをお任せすることにした。
「奈月、後で迎えにくるから待っててね」
「樹さん一緒にいてくれますか?」
不安なんだろう。少し震える身体を抱きしめて耳元で囁いた。
「奈月、覚えてるよね?約束したこと、奈月の手は帰ってきたら離さないから、そのまま病院に行こうな」少し笑顔が見えた奈月のこめかみにほんの触れるだけのキスを落として俺は職場に向かった。
「奈月くん大丈夫か?」
朝の様子を気にして卓也が聞いてくれた。
「あぁ…なんとかな。病院に行くときは手を繋ぐ約束したんだ。だから余計なことは言うなよ」
「そうか…まぁ詮索しないけど、ちゃんと守ってやれよ」
「わかってる」
それから俺は午前中は書類の整理やら打ち合わせをしてから狭山を迎えに行った。
「樹、奈月くん元気なさそうだけど大丈夫?病院やっぱり怖いのかな?」
奈月とやり取りをしててそう感じたんだろう。でも八巻先生は狭山に事情を話してないようだ。そういえば狭山は昔から嫌なことがあるとすぐに顔に出てたことがあったが、きっと先生はそれを見越して何も話してないんだろう。正直ホッとした。
「初めてのギプスで外すのは怖いだろうな。まぁ俺が一緒にいるし狭山もいてくれるんだから大丈夫だろう」
特に理由も言わなくてもいいだろうと奈月を迎えにいった。
「奈月、狭山も来たから一緒に病院に行こうか」
ソファーに座っていた奈月に声をかけて手を繋いでやる。約束を守ってることを証明するだけで安心してくれると思った。
ハルさんに見送ってもらって奈月と車に乗り込むと
「奈月くん待ってたよ。僕も一緒だから大丈夫だよ」狭山が柔らかい笑顔で奈月に声をかけてくれた。
「太一さん、忙しいのにごめんなさい」
「いいの。僕も奈月くんと会いたかったし、そうだ病院終わったら美味しいケーキ屋さん行かない?樹の家で食べてもいいかな?そこはお店の中でも食べられるんだけどギプスを取ったばかりだと違和感あると思うからさ」
「いいよ。ハルさんに美味しい紅茶でも淹れてもらおうか?おすすめはあるのか?」
「全部美味しいんだけど僕はフルーツのタルトかな。たくさんのフルーツが乗ってて綺麗だしタルト生地もサクサクしてて中にカスタードと生クリームも美味しいんだ。奈月くんはどのケーキが好き?王道のいちごショートも美味しいけど」
「僕、そんなにケーキ食べたことないからわからなくて…でもいちごのケーキは好きです」
「そうか、じゃあショーケースをのぞいて色々選ぼう。樹がたくさん買ってくれるからさ」
「じゃあお母さんとハルさんにもお土産買ってもいいですか?樹さん」
「もちろんだ」
奈月を不安させない為にあえて違う話を振ってくれた狭山には感謝だな。そんなスイーツの話で盛り上がる中、病院に着いた。
「奈月、後で迎えにくるから待っててね」
「樹さん一緒にいてくれますか?」
不安なんだろう。少し震える身体を抱きしめて耳元で囁いた。
「奈月、覚えてるよね?約束したこと、奈月の手は帰ってきたら離さないから、そのまま病院に行こうな」少し笑顔が見えた奈月のこめかみにほんの触れるだけのキスを落として俺は職場に向かった。
「奈月くん大丈夫か?」
朝の様子を気にして卓也が聞いてくれた。
「あぁ…なんとかな。病院に行くときは手を繋ぐ約束したんだ。だから余計なことは言うなよ」
「そうか…まぁ詮索しないけど、ちゃんと守ってやれよ」
「わかってる」
それから俺は午前中は書類の整理やら打ち合わせをしてから狭山を迎えに行った。
「樹、奈月くん元気なさそうだけど大丈夫?病院やっぱり怖いのかな?」
奈月とやり取りをしててそう感じたんだろう。でも八巻先生は狭山に事情を話してないようだ。そういえば狭山は昔から嫌なことがあるとすぐに顔に出てたことがあったが、きっと先生はそれを見越して何も話してないんだろう。正直ホッとした。
「初めてのギプスで外すのは怖いだろうな。まぁ俺が一緒にいるし狭山もいてくれるんだから大丈夫だろう」
特に理由も言わなくてもいいだろうと奈月を迎えにいった。
「奈月、狭山も来たから一緒に病院に行こうか」
ソファーに座っていた奈月に声をかけて手を繋いでやる。約束を守ってることを証明するだけで安心してくれると思った。
ハルさんに見送ってもらって奈月と車に乗り込むと
「奈月くん待ってたよ。僕も一緒だから大丈夫だよ」狭山が柔らかい笑顔で奈月に声をかけてくれた。
「太一さん、忙しいのにごめんなさい」
「いいの。僕も奈月くんと会いたかったし、そうだ病院終わったら美味しいケーキ屋さん行かない?樹の家で食べてもいいかな?そこはお店の中でも食べられるんだけどギプスを取ったばかりだと違和感あると思うからさ」
「いいよ。ハルさんに美味しい紅茶でも淹れてもらおうか?おすすめはあるのか?」
「全部美味しいんだけど僕はフルーツのタルトかな。たくさんのフルーツが乗ってて綺麗だしタルト生地もサクサクしてて中にカスタードと生クリームも美味しいんだ。奈月くんはどのケーキが好き?王道のいちごショートも美味しいけど」
「僕、そんなにケーキ食べたことないからわからなくて…でもいちごのケーキは好きです」
「そうか、じゃあショーケースをのぞいて色々選ぼう。樹がたくさん買ってくれるからさ」
「じゃあお母さんとハルさんにもお土産買ってもいいですか?樹さん」
「もちろんだ」
奈月を不安させない為にあえて違う話を振ってくれた狭山には感謝だな。そんなスイーツの話で盛り上がる中、病院に着いた。
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