発情期のタイムリミット

なの

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恋人として

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翌朝、陸は今までとは違う気持ちで目を覚ました。

昨日の告白。大輝の「俺も同じ気持ちだ」という言葉。

「夢じゃなかった……」

陸は頬を両手で覆って、幸せな気持ちに浸った。体調はまだ万全ではないが、心は軽やかだ。

朝食の時間、美佳が陸の部屋にやってきた。

「おはよう。今日は顔色がいいわね」

「うん……ちょっと良くなった」

陸の表情を見て、美佳は何かを察したようだった。

昼頃、スマホに大輝からメッセージが届いた。

《大輝:おはよう。調子どう?》

《陸:おはよう。昨日よりずっといい》

《大輝:良かった。今日も放課後行くからな》

《陸:うん。待ってる》

《大輝:俺も楽しみだ。愛してる》

最後のメッセージを見て、陸の顔が真っ赤になった。

《陸:俺も……愛してる》

恥ずかしくて何度も打ち直したが、ついに送信した。

午後、陸の症状は昨日に比べて安定していた。
熱も下がり、甘い香りも少し和らいでいる。

「気持ちが安定すると、体調も良くなるのね」

美佳が陸の様子を見て、安心したように呟く。

「そうなの?」

「ええ。オメガにとって、心の安定は何より大切なの。特に信頼できるαとの絆があると、症状が和らぐことが多いのよ」

母親の説明に、陸は納得した。

夕方、大輝がやってきた。

「こんにちは」

玄関での大輝の声を聞くと、陸の心臓がドキドキした。今日は昨日までとは違う。

「陸、大輝くんよ」

美佳の声に、陸は嬉しそうに返事した。

「うん!」

大輝が部屋に入ってくると、まず陸の表情を確認した。

「顔色、良くなったな」

「うん。大輝のおかげ」

陸は恥ずかしそうに微笑む。

大輝は昨日と同じように、ベッドの端に座った。しかし、今日は二人の間の空気が違う。

「陸……昨日のこと、覚えてる?」

「全部……覚えてる」

陸は大輝の目をまっすぐ見つめた。
大輝は安心したような表情を見せた。

「俺も嬉しい。ずっと言いたかったんだ」

「本当?」

「本当だ。陸のこと、ずっと好きだった」

大輝は陸の手を握る。昨日とは違う、恋人としての手の繋ぎ方。

「大輝……」

「何?」 

「キス……してくれる?」

陸の素直な願いに、大輝は少し驚いた。

「いいの?」

「うん……したい」

大輝は陸の頬に手を当てて、そっと唇を重ねた。
優しく、短いキス。

「どうだった?」

「……もう一回」

陸の可愛らしいリクエストに、大輝は笑ってしまった。

「贅沢だな」

「だって……初めてだから」

今度は少し長めのキス。
陸は目を閉じて、大輝の唇の感触を味わった。

「気持ちいい……」

「俺もだ」

その後、二人は手を繋いだまま、静かに過ごした。

「大輝、明日追試があるの」

「そうか。体調は大丈夫?」

「うん。もう熱もないし、頑張れそう」

陸は大輝に支えられて、自信を取り戻していた。

夕食の時間、美佳が二人に声をかけた。

「大輝くん、今日もお疲れさま。お夕飯、一緒に食べていく?」

「ありがとうございます」

リビングで三人で夕食を取った。陸の食欲も戻ってきている。

「陸、本当に元気になったわね」

「うん。おかげさまで」

陸は幸せそうな顔で答える様子をみて、美佳は微笑ましそうに頷いた。

「大輝くんも、いつもありがとう」

「俺こそ、陸を支えさせてもらって」

健一も仕事から帰ってきて、四人で食卓を囲んだ。

「陸、明日の追試、頑張れよ」

「うん、お父さん。ありがとう」

「大輝くんも、息子をよろしく頼む」

「はい。陸のことは俺が守ります」

健一は大輝の真剣な表情を見て、この青年に陸を任せても大丈夫だと確信した。

「明日、追試頑張れよ」

「うん。ありがとう」

玄関で、大輝は陸にそっとキスをした。

「愛してる」

「大輝……愛してる」

大輝が帰った後、陸は家族と一緒にリビングで過ごした。

「陸、明日の準備はできてる?」

「うん。今日は集中できそうだから、もう少し勉強する」

陸は久しぶりに、勉強に対する意欲を取り戻していた。自分の部屋で軽く復習をした。集中力も戻ってきて、内容がよく理解できる。

「よし……これなら大丈夫そう」

ベッドに横になった時、陸は幸せな気持ちでいっぱいだった。

大輝と恋人になれた。
家族も応援してくれている。明日は追試だが、きっと大丈夫。

スマホに大輝からメッセージが届いた。

《大輝:おやすみ。明日、頑張れ》

《陸:おやすみ。愛してる》

《大輝:俺も愛してる。いい夢見ろよ》

陸は幸せそうに微笑んで、スマホを置いた。
今夜は、きっといい夢が見られそう。

大輝と一緒に歩く未来の夢を。

長かった発情期も、ついに峠を越えた。陸の心は、希望に満ちていた。

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