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第十三章 勇者とそれぞれの能力(ちから)
しおりを挟む「馬鹿! 勝手に突っ走るな!」
リオニス達の元に戻ったシュライクが真っ先に受けたのは、リオニスからの叱責であった。隣に居るユスティニアも珍しく眉を吊り上げ、怒っている様子。それを見たシュライクは首を竦めながら、ぺろりと舌を出した。
「ごめんって。でも、ちゃんと情報は得てきたんだぜ!」
得意げに胸を張り、シュライクは言う。
「情報?」
と、怪訝そうに首を傾げる二人に、にやりと笑みを浮かべて見せてから、シュライクは口を開いた。
「最初に眠りに落ちた子供と一緒に居たって子供が居てさ」
「な?!」
彼の言葉にリオニスはライラックの瞳を大きく見開く。シュライクはがしがしと頭を掻いて、一つ息を吐き出した。
「ずっと俺たちの方窺ってたんだぞ。気になってたんだけどさ、南の森に行く、って話した辺りで目が合って、びくっとして逃げようとしたから追った、って訳」
そんなシュライクの言葉に、リオニスはぱちぱちと瞬く。それから、深々と溜息を吐き出した。
「それならそうと言えよな……」
「心配したんですよ、何処に行ったのか、って」
漸く口を開いたユスティニアもやはり咎める声音だ。今回の件で一番事態を重く見て、心配しているのがユスティニアだ。じとりとした視線が痛い。
シュライクは決まり悪そうに頬を掻いて、肩を竦める。
「ごめんって」
一応、反省はしている。危険だということは重々承知の上だったし、ユスティニアやリオニスが警戒していたことは勿論理解していた。勝手な行動をした自覚もあるし、何より……心配させたことがよくわかる。得られた情報的にも行動への後悔はないが……申し訳ない、とは思っている。
そんなシュライクを見てリオニスはもう一度溜息を吐いた。それからぐしゃりと彼の頭を撫でて、言う。
「で? 情報って何なんだ?」
説教は終わりだ、と言わんばかりの彼の行動にシュライクはぱちりと瞬く。リオニスはふ、と表情を緩めて、言った。
「だって、情報を得るために動いてくれたんだろ。そこは素直に感謝してるよ」
自分たちを見ていた子供の存在になど、リオニスは一切気付いていなかった。シュライクが追ってくれなければ情報を得ることもなく、このまま頭を突き合わせて唸り続けることになっていたかもしれないのだ。軽率な行動は叱るべきだが、得てきた成果は褒めるのが当然だ、とリオニスは言う。
そんな彼の言葉にシュライクは表情を綻ばせる。そして、先刻の少年から仕入れた情報を口に出した。
「彼奴の話によれば一緒に遊んでるうちに森の奥にあった"石"に罅を入れたのが原因かも、ってさ」
「石?」
不思議そうに首を傾げる二人。シュライクはそれに頷いて見せて、言葉を続けた。
「大人に聞いたら森の奥に確かに大きな石があって、強い魔力を感じるからあまり近づかないようにしてたし、子供たちにも近づくなって言ってたらしいんだけど……まぁ、子供は言うこと聞かないよな」
シュライクはリオニスたちに先刻あの少年から聞いた話を搔い摘んで語る。
村の大人たちには秘密にしてほしい、と前置いた上であの少年が語ったのは、森の奥にあるという大きな石の話。強い強い魔力を放つそれがどういう影響を持つ者かはわからずとも危険視した大人たちは子供に森の奥へは近づかないように、とよくよく言い含めていたという。
しかし、子供とは大人の話を聞かないもの。或いは、それ以上の好奇心で動く生き物だ。初めに眠りについてしまった少年と、先刻追いかけて行って話を聞いた少年は森の奥のその石に近づいてしまったのだという。そしてその近くで遊んでいた時、不注意で眠りについた少年の方が石にぶつかり、その拍子に石に罅が入ってしまったのだ、と彼は語った。
―― もしかしたら彼奴が眠っちゃったの、それが原因かもしれない。
そう語り涙ぐむ少年は、叱られるだろうという恐怖でと言うよりは、友人を案じて涙しているように見えた。
「で、その石が割れたことで何か悪いものの封印が解けちゃったかもってことか」
リオニスが纏めるのを聞いて、シュライクは頷く。やれやれと溜息を吐いた彼はがしがしと頭を掻いて、呟いた。
「なぁんでさっさと言わないかな……」
「拙い、と言う自覚はあったってことですよね」
ユスティニアも解せない、と言う顔をしている。
もし、その石に罅を入れてしまったという話をすぐにしていれば、此処まで事態が悪化はしなかったかもしれない。森に近づかないようにして、原因を中央に報告すれば、封印が出来る魔法使いを寄こしてくれたかもしれない。……尤も、その石が原因だとはまだ言い切れない訳だけれど。
ともあれ、その子供が黙っていたことは正直核心に近いと思われる。今回シュライクが聞き出してきてくれて本当に良かったと、リオニスは思う。
何で早く言わなかったのだろう、と眉を寄せる二人を見て、シュライクは苦笑混じりに肩を竦めた。
「怒られる、と思って誰にも言えなかったんだとさ。子供にはよくあることだよ。ウチでもよくスラッシュが下手な誤魔化しした挙句に余計に怒られてたりしたしな」
そう語るシュライクは何処か懐かしむ表情だ。リオニスはそれを見て、目を細める。今回のこの情報は、シュライクが居たからこそ得られた情報だ、と改めて思う。シュライクの性質が、性格が、行動が、その少年の警戒を解き、情報を語らせてくれたのだ。幼い子供の心の機微に敏い彼だからこそできたことだ、と思いながら、リオニスは一つ息を吐く。それから、隣に居るユスティニアに問いかけた。
「ユスティは封印の類はできるか?」
ユスティニアは防御や治癒の魔法を自分たちのためにしばしば使ってくれる。しかし封印となると、また勝手が違うだろう。
リオニスの問いかけにユスティニアは少し迷う顔をしてから、頷いた。
「規模にもよりますが……多少ならば、心得があります」
訓練として、様々な魔法を身に付けたのだとユスティニアは言う。防御や治癒がメインではあったが、悪しきものの封印に関しても幾らかの心得はある、と。
「しかし、実践はしたことがありませんし、何よりまずは見てみないことには……」
眉を下げながら、ユスティニアはそう言った。自分で何とか出来る規模であれば勿論するつもりだが、少しかじった程度の知識ではどうにもならない規模の呪物であればどうしようもない。何れにしても実物を見るしかない。
そんな彼の言葉にリオニスも同意を示す。そんな彼らを見てにっと笑みを浮かべたシュライクはぽんと手を打つ。
「よっしゃ、じゃあ行ってみるとするか!」
「おい一人で突っ走るなよ!」
リオニスは今にも駆け出しそうなシュライクに慌てて声を投げることになったのだった。
***
それから三人は問題の森に足を踏み入れた。勿論、ユスティニアの防護の魔法を十分にかけ、何か少しでも異変を感じたら口に出すという約束をした上で、だ。
話にあった石は比較的あっさりと見つけることが出来た。森の奥、人がそうそう踏み入らないような場所に鎮座するやや大き目な黒く丸い石だ。離れていても確かに強い魔力を感じる。
「これか……」
小さく呟くリオニスを制して、ユスティニアがその石に近づく。気を付けろよ、と言うリオニスの言葉に頷きながら、彼は注意深くその石を観察した。そして、はっと息を呑む。
つるりとした石に入った罅。……否、よく見れば罅が入っているのは"石"ではなく。
「なるほど……恐らく、この石自体が眠りを撒く呪具の類なのでしょう。それに施されていた封印に綻びが見られますね」
それがこの罅です、とユスティニアは示す。
彼に示された部分をリオニスたちも注意深く見つめる。あっと、シュライクが声を上げた。
「罅が入ってんの、石の周りの膜みたいなとこだな!」
「そういうことです」
子供は石に罅を入れてしまった、と言っていた。しかし実際は違っていたのだ。
恐らくこの黒く艶やかな石はいつ、誰が作っておいたものか、或いは魔力によって自然発生したものか……それは定かではないが間違いなく呪物の一種。そしてそれを封印する形で薄いガラスのような障壁が張られていた。その障壁に罅が入ったため、中にある呪物の影響……眠りが溢れ出したのだろう、とユスティニアは推測を語る。
「恐らく封印自体、大分弱っていたのでしょう。そこに子供の干渉があったためか、はたまた魔王とやらの影響かはわかりませんが……」
そこまで口に出したところで、くらりと一瞬意識が眩むのを感じる。眉を寄せたユスティニアは一つ息を吐き出して、自分たちの周りに張った障壁を一段階強いものにした。そして、リオニスとシュライクとを見て、言う。
「あまり長時間居ると僕たちも拙いですね。大丈夫ですか、二人とも」
その問いかけに、リオニスとシュライクは笑顔で応える。
「俺はまだ何とも」
「俺も平気だぜ! ユスティのお蔭だな!」
彼らの言葉に、ユスティニアはほっと安堵の息を吐く。リオニスはそんな彼に一歩近づいて、問いかける。
「封印、行けそうか、ユスティ?」
「恐らくは。……でも」
そう言った彼は顔を上げ、辺りに視線を投げる。酷く険しい表情を浮かべて。……その視線の先にあるのは、無数の気配。低い低い唸り声が、聞こえ始めていた。シュライクもリオニスも、それに気が付いていた。
ふうと息を吐いて、リオニスは剣を抜き、シュライクは拳を握る。
「この石に引き寄せられて眠った獣や人を喰らうために集まってきてしまったのでしょう」
そう。周囲にある無数の気配。それは獣の気配だ。普通の獣も、魔獣も入り混じっている様子。一つ二つではないそれは、恐らくこの呪物の影響を好ましいものとみているようだった。
「俺たちが動かない餌になるのを待ってる、ってとこか」
リオニスはそう呟いて足元に視線を向ける。先程から少し気になっていたのだが……獣の骨の残骸らしきものが幾らか転がっていた。恐らく、この石に近づきすぎて眠った末に他の獣の餌食になったモノのなれの果てなのだろう。村の人々がこの石を恐れて近づき過ぎなかったことが功を奏したらしい。村で眠ってしまった人々がこの石の傍で眠ってしまったのならば、獣の餌食になっていただろうから。
そしてリオニスたちも全く警戒せずに此処に近づけば、この足元の骨の欠片の仲間入りをしていたかもしれない。しかしそうはならない。自分たちには頼もしい聖なる魔法使いがついており、その魔法使いを獣たちから守る剣士と格闘家が居るのだから。
「任せろ、ユスティには指一本触れさせない!」
シュライクはにかっと笑って、ユスティニアを見る。そんな彼を見て、ユスティニアも張りつめていた表情をふわりと緩めた。
「ありがとうございます、シュライク、リオニス。なるべく、急ぎますから!」
そう言った彼は石に手を翳した。静かに目を閉じ、ふっと息を吐き出して、唇を開く。
「聖なる星よ、我が身に力を……」
彼が封印の呪文を詠唱し始めると同時、獣が勢いよく飛び掛かってきた。彼がしようとしていることが不利益になることがわかっているかのように。
しかしその牙や爪が魔法使いに届くことはない。飛び掛かってきた獣の一頭はリオニスの剣で切り伏せられ、一頭はシュライクの拳によって脳天を打ち抜かれていた。
「ちょっと数が多いな!」
顔を顰めたシュライクはそう叫ぶ。一頭一頭はそこまで強くないが、数が多いというのは少々厄介だ。それに同意を示すように頷いたリオニスは一つ息を吐き出して、呟く。
「あんまり魔法は得意じゃないんだけど……!」
そう言った彼は一度剣を収め、手を広げる。深く息を吸った彼は意識を集中させ、叫んだ。
「レグルス・リティング!」
それはリオニスの魔法の呪文。その言葉と同時、迸るのは炎。飛び掛かってくる魔獣の何頭かを焼き払う。その様を見て、シュライクはネモフィラ色の瞳を大きく見開いた。
「魔法使えたんだな、リオ!」
これまでリオニスが魔法を使うところは見たことがなかった。だからてっきり魔法は使えないものだと思っていたのだが……
「一応、な!」
再び魔法を放ちながら、リオニスは返す。
決して得意な方ではないが、魔法も一応使えるのだ。剣術と同様、可もなく不可もなく、と言う程度にではあるが。
「剣で一頭一頭倒すより、こっちの方が早いかな、ってさ!」
細かいコントロールは苦手だが、広範囲に数多く居る魔獣を倒すにはこの方が便利だというのがリオニスの下した判断だった。それを聞いて、シュライクは緩く口角を上げる。
「数が多いと、確かに拳はきついな!」
殴りつけ、蹴りつけて、魔獣を屠るシュライク。確かに彼の戦闘スタイルでこの数の魔獣を相手にするのは難しいだろう。あまり長引くと、危険かもしれない。そう思いながらリオニスは視線をユスティニアに向けた。
「聖なる星の力よ、我が声に従い邪悪なるものを封じよ……スティラ・ポラリス!」
朗々と呪文を唱えていたユスティニアの手元が一度、強く光る。それと同時に辺りの空気が変わるのを感じた。リオニスとシュライクに敵意を向けていた魔獣もぴたりと動きを止め、じりじりと後ずさる。
満ちていくのはユスティニアの魔力。強い強いそれは、悪意を持つ獣には天敵とも呼べるものなのだろう。襲ってくることはもうなさそうか、とリオニスは息を吐き、仕事を終えた仲間の方へ歩み寄る。と、ユスティニアの体が傾いだ。
「うわっと、大丈夫か?」
倒れかけた彼を抱きとめ、リオニスは心配そうに顔を覗き込む。少し体が冷たく感じるのは魔力の消費量が多く体力を消費したためだろうか。ユスティニアはすぐに自分で体を起こすと、苦笑を浮かべつつ言った。
「すみません、力が抜けてしまって」
此処まで大がかりな魔法はこれまで使ったことがなかった。緊張もしていたし、早く終わらせなくてはと言う焦りもあったために、一層疲れたのだろう。ふ、と一つ息を吐き出したユスティニアは穏やかに微笑んで、言った。
「これで、大丈夫なはず、です」
「はーっ、終わったかぁ!」
シュライクもその場に座り込んで、息を吐く。流石の彼も少し疲弊したようだった。ユスティニアはそんな二人を見て、緩く首を傾げる。
「リオニス、シュライクも、ありがとうございました。二人とも怪我は?」
そう問われて、二人は自分の体を確認する。
「俺は平気だ!」
どうだ、と得意げにシュライクは笑う。あれだけの近接戦、それも多数の魔獣相手で怪我もなく戦える彼の戦闘力の高さには驚きだ。そう思いながら、リオニスはちらと自分の手を見て、そっと溜息を吐き出した。
「ん、ちょっと火傷したくらいかな……自分でやったんだけどさ」
そう言って肩を竦めるリオニス。それを聞いたシュライクはぱちぱちと瞬いて、問うた。
「え、自分の魔法でか?」
先刻戦った魔獣の中に魔法を使うもの、炎を使うものは居なかった。火傷、となると彼自身の魔力によるものな訳で。
「……悪かったな」
決まり悪そうな顔をしながら、リオニスは頬を引っ掻く。普段彼が魔法を使わない一番大きな理由がこれだった。魔法の威力の調整が苦手で、自身も傷を負ってしまうため、である。あまりに恰好が付かないものだから、隠していたのだけれど。
懸念していた通り、シュライクは可笑しそうにけらけらと笑っている。ユスティニアもくすくすと笑っていた。
「ふふ、村に戻ったら手当をしましょう」
ユスティニアはそう言って微笑む。すっかり緩み、落ち着いた空気に、リオニスとシュライクも表情を綻ばせたのだった。
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