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辺境の村が、すっかり平穏を取り戻し、冬支度に追われていたある日のことだった。
村の入り口から、一頭の馬が土煙を上げて駆けてくるのが見えた。馬に乗っているのは、王家の紋章が入った鎧を身につけた、王都からの伝令騎士だった。
村に、緊張が走る。
伝令騎士は、馬から降りると、領主代行である私の前に進み出て、片膝をついた。そして、国王陛下の印が押された羊皮紙を、恭しく差し出した。
「国王陛下からの勅令である!リリアンヌ・フォン・クライネルト嬢に、即刻王都へ出頭するよう、との仰せである!」
その言葉に、周りにいた村人たちが息をのむ。アランが、私の前に立つようにして、騎士を睨みつけた。
「…リリアンヌ様を、王都へ?一体、何故です」
「辺境領における目覚ましい発展、並びに、原因不明の疫病を奇跡的に克服せしめたその手腕について、国王陛下が直接お聞きになりたい、とのことだ」
騎士は淡々と告げる。
(わたくしの功績が、王都にまで…!?)
ふふふ、悪役令嬢として陰で民を救っていたつもりが、思いのほか話が大きくなってしまったようだわ。
しかし、理由はともかく、王都へ戻らなければならない。あの、退屈で、窮屈で、畑のない場所へ。
「…お断りしたら、どうなりますの?」
私が尋ねると、騎士は表情一つ変えずに答えた。
「勅令に背くことは、国家への反逆と見なされる」
その言葉は、有無を言わせぬ重みを持っていた。
ざわ、と村人たちの間に動揺が広がる。王都。エドワード王子。婚約破棄。彼らの頭には、私が受けた屈辱的な仕打ちが思い出されているに違いなかった。
「そんな…リリアンヌ様を、今さら王都に連れていくなんて…」
誰かの不安そうな声が、冷たい風に乗って私の耳に届いた。
村の入り口から、一頭の馬が土煙を上げて駆けてくるのが見えた。馬に乗っているのは、王家の紋章が入った鎧を身につけた、王都からの伝令騎士だった。
村に、緊張が走る。
伝令騎士は、馬から降りると、領主代行である私の前に進み出て、片膝をついた。そして、国王陛下の印が押された羊皮紙を、恭しく差し出した。
「国王陛下からの勅令である!リリアンヌ・フォン・クライネルト嬢に、即刻王都へ出頭するよう、との仰せである!」
その言葉に、周りにいた村人たちが息をのむ。アランが、私の前に立つようにして、騎士を睨みつけた。
「…リリアンヌ様を、王都へ?一体、何故です」
「辺境領における目覚ましい発展、並びに、原因不明の疫病を奇跡的に克服せしめたその手腕について、国王陛下が直接お聞きになりたい、とのことだ」
騎士は淡々と告げる。
(わたくしの功績が、王都にまで…!?)
ふふふ、悪役令嬢として陰で民を救っていたつもりが、思いのほか話が大きくなってしまったようだわ。
しかし、理由はともかく、王都へ戻らなければならない。あの、退屈で、窮屈で、畑のない場所へ。
「…お断りしたら、どうなりますの?」
私が尋ねると、騎士は表情一つ変えずに答えた。
「勅令に背くことは、国家への反逆と見なされる」
その言葉は、有無を言わせぬ重みを持っていた。
ざわ、と村人たちの間に動揺が広がる。王都。エドワード王子。婚約破棄。彼らの頭には、私が受けた屈辱的な仕打ちが思い出されているに違いなかった。
「そんな…リリアンヌ様を、今さら王都に連れていくなんて…」
誰かの不安そうな声が、冷たい風に乗って私の耳に届いた。
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