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バタンッ、と重厚な扉が閉まる音が背後で響く。
煌びやかなパーティー会場から廊下へと出た瞬間、メモリーは大きく息を吐き出した。
「(ふぅ……危ないところでした)」
ドレスの胸元を抑え、安堵の表情を浮かべる。
もし、あと数分あの会場に留まっていたら、どうなっていたことか。
「(危うく、空腹でアラン殿下の腕を齧ってしまうところでしたわ)」
ぐぅぅぅぅぅ~……。
まるで野獣の咆哮のような音が、誰もいない廊下に木霊する。
メモリーの胃袋は限界を迎えていた。
先ほどのパーティー会場では、婚約破棄騒動のせいで骨付き肉一本しか食べられなかった。
成長期の貴族令嬢にとって、それは断食にも等しい仕打ちである。
「カロリーが……カロリーが足りませんわ。思考回路が鈍って、世界がモノクロに見えてきました」
フラフラと千鳥足で歩き出す。
目指すは王宮の北棟、厨房エリアだ。
一般的に、貴族の令嬢が王宮の構造を熟知していることはない。
しかし、メモリーは違った。
彼女は幼い頃から『美味しい匂いがする方角』をマッピングし続けてきた、生ける王宮グルメ地図なのである。
「(……クンクン。右ですわね)」
鼻を利かせる。
わずかな空気の流れに乗って漂う、微細な香りの粒子。
「(この香ばしさは……タマネギを飴色になるまで炒めたオニオンスープ。そして左からは……白身魚のポワレ、焦がしバターソースの香り)」
脳内で王宮の立体図が展開される。
メインの晩餐会会場へ料理を運ぶルートは、使用人たちがひっきりなしに行き交っているはずだ。
そこを通れば、謹慎処分を食らったばかりの令嬢が見つかり、つまみ出されてしまうだろう。
「(正面突破は下策。狙うべきは……『裏口』)」
メモリーはドレスの裾をたくし上げると、忍者のような足取りで廊下を駆け抜けた。
角を曲がるたびに、使用人の気配を察知して柱の陰に隠れる。
その動きは洗練されており、無駄がない。
かつて父であるガストロ侯爵が、夜中に隠しておいた高級ハムを盗み食いしようとする娘を捕まえるために衛兵を配置した際、彼女はそれを全てかいくぐってハムを完食したという伝説を持つ。
そのスキルが今、遺憾なく発揮されていた。
「(ここですわ……!)」
たどり着いたのは、王宮の裏庭に面した搬入用の勝手口。
生ゴミや空き箱が積まれている場所だが、メモリーにとっては天国への入り口だ。
少しだけ開いていた扉の隙間から、身体を滑り込ませる。
途端に、強烈な「美味しい」の暴力が襲いかかってきた。
「(素晴らしい……!)」
そこは、戦場だった。
何十人もの料理人たちが怒号を飛ばし、フライパンを振り、巨大な鍋をかき混ぜている。
湯気が充満し、様々な食材の香りが混ざり合って、カオスな交響曲を奏でている。
「おい! 追加のローストはどうした!」
「ソースが足りねえぞ! ワイン持ってこい!」
「デザートの盛り付け、急げ!」
誰も、部屋の隅に入り込んだ不審な令嬢になど気づいていない。
彼らの視界にあるのは、皿と食材だけだ。
「(ふふふ、まさに灯台下暗し。忙しすぎて、私の存在など背景の一部ですわね)」
メモリーは物陰に同化しながら、獲物を物色した。
完成された料理はすぐに会場へ運ばれてしまう。
狙うべきは――。
「(……あれは!)」
彼女の瞳が、部屋の奥にある作業台をロックオンした。
そこには、盛り付けに失敗して少し形が崩れたテリーヌや、肉の端切れ、ソースの味見用に残された小皿などが置かれている。
いわゆる「賄い用」あるいは「廃棄予定」のゾーンだ。
「(あんなに美味しそうな端っこ肉を放置するなんて……私が供養して差し上げなければ!)」
サササッ、とゴキブリ並みの俊敏さで作業台に接近する。
誰も見ていないことを確認し、ドレスのポケットから「マイ・スプーン」を取り出した。
純銀製で、柄の部分にガストロ家の紋章(豚と麦のモチーフ)が刻まれた特注品だ。
まずは、端っこが焦げてしまったローストポークの切れ端へ。
「(いただきます……!)」
パクッ。
口に入れた瞬間、肉汁がジュワッと広がる。
表面の焦げがカリカリと香ばしく、中はしっとりと柔らかい。
「(んん~っ! これです、これ! 整った中心部分よりも、タレが染み込んでカリッとなった端っこの方が美味しいという真理!)」
続いて、形が崩れた野菜のムース。
「(……ほう。素材の味は良いですが、少し生クリームが勝ちすぎていますわね。これではアスパラガスの風味が死んでしまいます。あと塩をひとつまみ足せば化けるのに)」
心の中で的確な評論を行いながら、次々と「つまみ食い」を敢行していく。
空腹というスパイスも相まって、王宮の厨房は最高のビュッフェ会場と化していた。
もぐもぐ。
パクパク。
幸せだ。
婚約破棄? 王子の勘違い?
そんな些末な悩みは、この濃厚なデミグラスソースの前では塵に等しい。
「(はぁ……生きててよかった。やはり男より団子、愛より脂ですわ)」
至福の溜息をつき、最後に残っていた「謎のスープ」が入った小鍋に手を伸ばそうとした、その時だった。
「――ほう」
背後から、氷のように冷たく、しかし艶のある男の声が降ってきた。
「随分と良い食べっぷりだな。ネズミかと思ったが……」
ビクッ!
メモリーの動きが凍りつく。
スプーンを咥えたまま、恐る恐る振り返る。
そこに立っていたのは、見上げるような長身の青年だった。
黒曜石のような黒髪。
切れ長の瞳は、深海のように底知れない青色をしている。
王宮の料理人ではない。
その身に纏っているのは、仕立ての良い上質な燕尾服だ。
「(……誰? 衛兵? それとも、つまみ食い警察!?)」
青年は無表情のまま、メモリーと、彼女の手にある空になった皿を見比べた。
「その『端切れ肉』は、筋が多くて硬かったはずだ。よくそんなに嬉しそうに食えるな」
「む……」
食べ物を侮辱された気がして、メモリーはスプーンを口から抜き、毅然と言い返した。
「訂正していただきますわ! このお肉は確かに筋がありますが、噛めば噛むほど旨味が出る部位です。それに、このソースの酸味が脂っこさを中和していて、硬さすら食感のアクセントになっています。つまり、最高です!」
「……」
「それに、あちらのムース! あれは確かに失敗作かもしれませんが、パンに塗って食べれば塩気がちょうど良くなるはずです。食材に罪はありません!」
一気にまくし立てると、青年はわずかに目を丸くした。
「……味だけで、ソースの配合がわかったのか?」
「当然です。舌には自信がありますから」
メモリーは胸を張った。
不法侵入が見つかった状況だというのに、食のことになると羞恥心が消え失せるのが彼女の悪い癖だ。
青年はしばらくメモリーを観察していたが、やがて口の端をニヤリと吊り上げた。
その笑みは、美しいがどこか背筋が寒くなるような、捕食者の笑みだった。
「面白い。……ここで何をしているのかと問い詰めようと思ったが、気が変わった」
青年が一歩、近づいてくる。
「君、名前は?」
「……名乗るほどの者ではありません。通りすがりの食いしん坊です」
「そうか。では『通りすがりの食いしん坊』に頼みがある」
彼は作業台の奥にあった、蓋のされた鍋を指差した。
「あれの味見をしてくれないか? 料理長たちが自信作だと言っているが……俺にはどうも、信用ならなくてな」
「……味見?」
メモリーの耳がピクリと反応する。
それは「つまみ食い」の合法的な許可証。
「よろしいのですか? 私が食べ尽くしてしまうかもしれませんけれど」
「構わない。毒見も兼ねていると思えば安いものだ」
毒見と言われて一瞬躊躇したが、鍋から漂う芳醇な香りが理性を吹き飛ばした。
「(……これは、赤ワイン煮込み! しかも年代物のワインを使っていますわね!?)」
メモリーはゴクリと喉を鳴らす。
これが、後に「氷の公爵」と呼ばれる偏食家、シズル・ド・クリムゾンとの出会い。
そして、メモリーの胃袋が掴まれる……のではなく、メモリーが公爵の胃袋を管理することになる、奇妙な契約の始まりであった。
煌びやかなパーティー会場から廊下へと出た瞬間、メモリーは大きく息を吐き出した。
「(ふぅ……危ないところでした)」
ドレスの胸元を抑え、安堵の表情を浮かべる。
もし、あと数分あの会場に留まっていたら、どうなっていたことか。
「(危うく、空腹でアラン殿下の腕を齧ってしまうところでしたわ)」
ぐぅぅぅぅぅ~……。
まるで野獣の咆哮のような音が、誰もいない廊下に木霊する。
メモリーの胃袋は限界を迎えていた。
先ほどのパーティー会場では、婚約破棄騒動のせいで骨付き肉一本しか食べられなかった。
成長期の貴族令嬢にとって、それは断食にも等しい仕打ちである。
「カロリーが……カロリーが足りませんわ。思考回路が鈍って、世界がモノクロに見えてきました」
フラフラと千鳥足で歩き出す。
目指すは王宮の北棟、厨房エリアだ。
一般的に、貴族の令嬢が王宮の構造を熟知していることはない。
しかし、メモリーは違った。
彼女は幼い頃から『美味しい匂いがする方角』をマッピングし続けてきた、生ける王宮グルメ地図なのである。
「(……クンクン。右ですわね)」
鼻を利かせる。
わずかな空気の流れに乗って漂う、微細な香りの粒子。
「(この香ばしさは……タマネギを飴色になるまで炒めたオニオンスープ。そして左からは……白身魚のポワレ、焦がしバターソースの香り)」
脳内で王宮の立体図が展開される。
メインの晩餐会会場へ料理を運ぶルートは、使用人たちがひっきりなしに行き交っているはずだ。
そこを通れば、謹慎処分を食らったばかりの令嬢が見つかり、つまみ出されてしまうだろう。
「(正面突破は下策。狙うべきは……『裏口』)」
メモリーはドレスの裾をたくし上げると、忍者のような足取りで廊下を駆け抜けた。
角を曲がるたびに、使用人の気配を察知して柱の陰に隠れる。
その動きは洗練されており、無駄がない。
かつて父であるガストロ侯爵が、夜中に隠しておいた高級ハムを盗み食いしようとする娘を捕まえるために衛兵を配置した際、彼女はそれを全てかいくぐってハムを完食したという伝説を持つ。
そのスキルが今、遺憾なく発揮されていた。
「(ここですわ……!)」
たどり着いたのは、王宮の裏庭に面した搬入用の勝手口。
生ゴミや空き箱が積まれている場所だが、メモリーにとっては天国への入り口だ。
少しだけ開いていた扉の隙間から、身体を滑り込ませる。
途端に、強烈な「美味しい」の暴力が襲いかかってきた。
「(素晴らしい……!)」
そこは、戦場だった。
何十人もの料理人たちが怒号を飛ばし、フライパンを振り、巨大な鍋をかき混ぜている。
湯気が充満し、様々な食材の香りが混ざり合って、カオスな交響曲を奏でている。
「おい! 追加のローストはどうした!」
「ソースが足りねえぞ! ワイン持ってこい!」
「デザートの盛り付け、急げ!」
誰も、部屋の隅に入り込んだ不審な令嬢になど気づいていない。
彼らの視界にあるのは、皿と食材だけだ。
「(ふふふ、まさに灯台下暗し。忙しすぎて、私の存在など背景の一部ですわね)」
メモリーは物陰に同化しながら、獲物を物色した。
完成された料理はすぐに会場へ運ばれてしまう。
狙うべきは――。
「(……あれは!)」
彼女の瞳が、部屋の奥にある作業台をロックオンした。
そこには、盛り付けに失敗して少し形が崩れたテリーヌや、肉の端切れ、ソースの味見用に残された小皿などが置かれている。
いわゆる「賄い用」あるいは「廃棄予定」のゾーンだ。
「(あんなに美味しそうな端っこ肉を放置するなんて……私が供養して差し上げなければ!)」
サササッ、とゴキブリ並みの俊敏さで作業台に接近する。
誰も見ていないことを確認し、ドレスのポケットから「マイ・スプーン」を取り出した。
純銀製で、柄の部分にガストロ家の紋章(豚と麦のモチーフ)が刻まれた特注品だ。
まずは、端っこが焦げてしまったローストポークの切れ端へ。
「(いただきます……!)」
パクッ。
口に入れた瞬間、肉汁がジュワッと広がる。
表面の焦げがカリカリと香ばしく、中はしっとりと柔らかい。
「(んん~っ! これです、これ! 整った中心部分よりも、タレが染み込んでカリッとなった端っこの方が美味しいという真理!)」
続いて、形が崩れた野菜のムース。
「(……ほう。素材の味は良いですが、少し生クリームが勝ちすぎていますわね。これではアスパラガスの風味が死んでしまいます。あと塩をひとつまみ足せば化けるのに)」
心の中で的確な評論を行いながら、次々と「つまみ食い」を敢行していく。
空腹というスパイスも相まって、王宮の厨房は最高のビュッフェ会場と化していた。
もぐもぐ。
パクパク。
幸せだ。
婚約破棄? 王子の勘違い?
そんな些末な悩みは、この濃厚なデミグラスソースの前では塵に等しい。
「(はぁ……生きててよかった。やはり男より団子、愛より脂ですわ)」
至福の溜息をつき、最後に残っていた「謎のスープ」が入った小鍋に手を伸ばそうとした、その時だった。
「――ほう」
背後から、氷のように冷たく、しかし艶のある男の声が降ってきた。
「随分と良い食べっぷりだな。ネズミかと思ったが……」
ビクッ!
メモリーの動きが凍りつく。
スプーンを咥えたまま、恐る恐る振り返る。
そこに立っていたのは、見上げるような長身の青年だった。
黒曜石のような黒髪。
切れ長の瞳は、深海のように底知れない青色をしている。
王宮の料理人ではない。
その身に纏っているのは、仕立ての良い上質な燕尾服だ。
「(……誰? 衛兵? それとも、つまみ食い警察!?)」
青年は無表情のまま、メモリーと、彼女の手にある空になった皿を見比べた。
「その『端切れ肉』は、筋が多くて硬かったはずだ。よくそんなに嬉しそうに食えるな」
「む……」
食べ物を侮辱された気がして、メモリーはスプーンを口から抜き、毅然と言い返した。
「訂正していただきますわ! このお肉は確かに筋がありますが、噛めば噛むほど旨味が出る部位です。それに、このソースの酸味が脂っこさを中和していて、硬さすら食感のアクセントになっています。つまり、最高です!」
「……」
「それに、あちらのムース! あれは確かに失敗作かもしれませんが、パンに塗って食べれば塩気がちょうど良くなるはずです。食材に罪はありません!」
一気にまくし立てると、青年はわずかに目を丸くした。
「……味だけで、ソースの配合がわかったのか?」
「当然です。舌には自信がありますから」
メモリーは胸を張った。
不法侵入が見つかった状況だというのに、食のことになると羞恥心が消え失せるのが彼女の悪い癖だ。
青年はしばらくメモリーを観察していたが、やがて口の端をニヤリと吊り上げた。
その笑みは、美しいがどこか背筋が寒くなるような、捕食者の笑みだった。
「面白い。……ここで何をしているのかと問い詰めようと思ったが、気が変わった」
青年が一歩、近づいてくる。
「君、名前は?」
「……名乗るほどの者ではありません。通りすがりの食いしん坊です」
「そうか。では『通りすがりの食いしん坊』に頼みがある」
彼は作業台の奥にあった、蓋のされた鍋を指差した。
「あれの味見をしてくれないか? 料理長たちが自信作だと言っているが……俺にはどうも、信用ならなくてな」
「……味見?」
メモリーの耳がピクリと反応する。
それは「つまみ食い」の合法的な許可証。
「よろしいのですか? 私が食べ尽くしてしまうかもしれませんけれど」
「構わない。毒見も兼ねていると思えば安いものだ」
毒見と言われて一瞬躊躇したが、鍋から漂う芳醇な香りが理性を吹き飛ばした。
「(……これは、赤ワイン煮込み! しかも年代物のワインを使っていますわね!?)」
メモリーはゴクリと喉を鳴らす。
これが、後に「氷の公爵」と呼ばれる偏食家、シズル・ド・クリムゾンとの出会い。
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