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三日間の馬車の旅を終え、私たちはついにオルレアン辺境伯領に到着した。
「……着いたぞ」
ジルベール様の低い声と共に、馬車がゆっくりと停止する。
私は凝り固まった体を伸ばし、窓の外を覗き込んだ。
そこには、予想を遥かに超える光景が広がっていた。
「……なんですか、これは」
「俺の屋敷だ」
「屋敷?」
私は二度見した。
「お化け屋敷の間違いでは?」
目の前にそびえ立つのは、かつては石造りの立派な城塞だったであろう建造物。
しかし現在は、壁には蔦が這い回り、窓ガラスは割れ、屋根の一部は崩落している。
さらに、空はどんよりと曇り、カラスが「アホウ、アホウ」と鳴きながら旋回している始末。
まさに、魔王城という呼び名にふさわしい佇まいだった。
「……修繕費の見積もりが怖いですわ」
私は額を押さえた。
「まあ、基礎構造はしっかりしているようですし、リノベーション物件だと思えば……」
「すまない。戦費を優先していて、住環境には手が回らなかった」
ジルベール様がバツが悪そうに頬を掻く。
「良いのです。現状(借金まみれ)を視覚的に理解するには十分なプレゼンテーションでしたから」
馬車を降りると、ギギギ……と錆びついた音を立てて、巨大な鉄扉が開かれた。
そこからぞろぞろと出てきたのは、屋敷の使用人たちだ。
彼らを見た瞬間、私は息を呑んだ。
(……ゾンビ?)
全員、頬がこけ、目の下には濃いクマがあり、肌は土気色。
制服は擦り切れ、ツギハギだらけ。
彼らは亡霊のようにゆらゆらと整列し、生気のない声で挨拶をした。
「……お、か、え、り、な、さ、い、ま、せ……だ、ん、な、さ、ま……」
「ヒッ……!」
御者のベルトが悲鳴を上げて隠れる。
私は冷静に観察した。
(栄養失調、睡眠不足、過重労働。典型的なブラック企業の末路ね)
列の先頭にいた、白髪の老執事が震える足で前に進み出る。
「か、閣下……ご無事で何よりです……。そちらが、噂の……?」
老執事の濁った瞳が、私に向けられる。
その目には、明らかな「恐怖」が宿っていた。
無理もない。王都から流れてきた噂では、私は「気に入らない使用人をムチで打ち据える悪役令嬢」ということになっているのだから。
ジルベール様が口を開こうとしたが、私はそれを手で制して一歩前に出た。
そして、扇をパン! と鳴らして注目を集める。
「初めまして。リーリン・アークライトです」
私は使用人たちを見回し、ニッコリと笑った。
「本日より、この屋敷の『管理責任者』に着任いたしました」
「か、管理……?」
「ええ。単刀直入に申し上げます。あなたたちの働きぶり、見ていて不愉快ですわ」
ざわざわ……と使用人たちが動揺する。
「あ、悪役令嬢だ……」
「やっぱり、俺たちをいじめるつもりなんだ……」
「もう死ぬ……」
絶望の呟きが聞こえてくる。
私は構わず続けた。
「その死んだような目! 緩慢な動作! 非効率の極みです! そのような状態で働かれても、ミスの誘発によりコストが増大するだけです!」
ビシッ! と老執事を指差す。
「そこのあなた。名前は?」
「セ、セバスチャンでございます……」
「セバスチャン。あなたの歩行速度は通常の〇・五倍。これではお茶を運ぶ間に冷めてしまいます。即刻、改善が必要です」
「ひぃっ! も、申し訳ございません! どうかお許しを……!」
セバスチャンが地面に土下座しようとする。
私はすかさず言葉を被せた。
「よって、業務命令を下します」
私は懐から、馬車の中で作成した『業務改善計画書(第一弾)』を取り出し、高らかに宣言した。
「全員、今すぐ業務を放棄し、泥のように眠りなさい!!」
「…………は?」
セバスチャンが固まった。
他の使用人たちも、ポカンと口を開けている。
「聞こえませんでしたか? 急速休息(パワーナップ)ではありません。最低十時間の睡眠を命じます。その後、肉と野菜を摂取し、風呂に入ること。業務再開はそれらが完了してからです」
「え……あ、あの……?」
「これは『命令』です。逆らう者は、減給処分としますよ?」
シーン……と静まり返る屋敷前。
誰も状況を理解できていないようだ。
ジルベール様が苦笑しながら助け舟を出した。
「……だ、そうだ。奥方の命令は絶対だ。みんな、今日は休んでいい」
その言葉でようやく、彼らの呪縛が解けた。
「や、休んでいい……?」
「寝ていいのか……?」
「ご飯も……?」
わっと歓声が上がるかと思いきや、彼らはボロボロと涙を流し始めた。
「ありがとうございますぅぅぅ!」
「死ぬかと思ってましたぁぁぁ!」
その場に崩れ落ちて泣くメイドや、互いに抱き合う従僕たち。
私はあきれて肩をすくめた。
「……どれだけ酷使されていたのですか。閣下、これは労働基準法違反で訴えられたら負けますよ」
「返す言葉もない……」
ジルベール様が肩を落とす。
「さて」
私はセバスチャンに向き直った。
「あなたは休む前に、一つだけ仕事をしてください。屋敷の鍵と、金庫の場所、そして過去十年分の帳簿を私の部屋に運んでちょうだい」
「は、はい! ただちに!」
セバスチャンは涙を拭い、背筋を伸ばした。先ほどより三歳くらい若返ったように見える。
「案内します、奥様!」
「リーリンで結構です。さあ、案内なさい」
私は足早に屋敷の中へと入っていった。
中は外見以上に荒れていた。
廊下の絨毯はカビが生え、壁には謎のシミがあり、どこからか隙間風が吹き込んでくる。
(修繕費、清掃費、害虫駆除費……頭が痛いけど、やりがいはあるわね)
案内されたのは、屋敷の中で唯一まともな状態を保っている客室だった。
「こちらをお使いください」
「ありがとう。……あ、そういえば」
私は後ろをついてきていたジルベール様を振り返った。
「契約書の第四条、覚えていますね?」
「……寝室は別、だったか」
「はい。私の睡眠環境は聖域ですので、立ち入りは禁止です。業務報告は朝食時にお願いします」
「俺の屋敷なんだが……」
「経営権の一部を譲渡された以上、私のテリトリーです。では、おやすみなさいませ」
バタン。
私は無慈悲に扉を閉めた。
扉の向こうで、ジルベール様が「……おやすみ」と寂しげに呟くのが聞こえたが、私は聞こえないふりをした。
すぐにセバスチャンが帳簿の山を運んできた。
私はドレスを着替えるのも忘れ、ランプに火を灯して机に向かった。
「さあ……見せてもらおうか。オルレアン家の絶望的な家計簿を!」
ページをめくる。
『〇月×日 武器購入費:金貨500枚』
『〇月△日 食料購入費:金貨10枚』
『〇月□日 城壁修繕費:金貨300枚』
『収入の部:未記入』
「…………」
私は天を仰いだ。
「バカなの? ねえ、ここの領主はバカなの!?」
収入が未記入ってどういうことよ! 税金取ってないの!?
ページを進めると、『領民が貧しいので今年は免税にした』という走り書きが。
「うわぁぁぁぁ! 慈善事業じゃないのよ!!」
私の絶叫が、深夜の屋敷にこだました。
翌朝。
食堂に現れた私は、目の下にクマを作り、鬼のような形相をしていた。
一方、たっぷり寝て肌艶が良くなった使用人たちが、怯えながら朝食を運んでくる。
「……おはよう、リーリン。よく眠れたか?」
ジルベール様が爽やかに挨拶してくるが、私はギロリと彼を睨みつけた。
「おはようございます、閣下。昨晩、帳簿を見ていて気づいたのですが」
「ん? ああ」
「あなたの首を絞めてもよろしいでしょうか?」
「朝から過激だな!?」
「これが過激にならずにいられますか! なんですかあの『免税』って! 領民に優しくすれば国が潤うとでも? 甘いです! 激甘です! 砂糖菓子より甘いです!」
私は食卓をバンと叩いた。
「本日より、領地大改革を行います! まずは閣下、あなたには『魔獣討伐』ではなく『特産品開発』の広告塔になってもらいます!」
「こ、広告塔……?」
「そうです。その強面と筋肉を活かして、ワイルドな魅力を前面に押し出したプロモーション活動です! 握手会もやりますよ!」
「あ、握手会……? 俺が……?」
ジルベール様が絶句する。
こうして。
恐怖の悪役令嬢(兼敏腕コンサルタント)による、辺境伯領のブラックな日々……ではなく、ホワイト化への強制労働が幕を開けたのである。
「……着いたぞ」
ジルベール様の低い声と共に、馬車がゆっくりと停止する。
私は凝り固まった体を伸ばし、窓の外を覗き込んだ。
そこには、予想を遥かに超える光景が広がっていた。
「……なんですか、これは」
「俺の屋敷だ」
「屋敷?」
私は二度見した。
「お化け屋敷の間違いでは?」
目の前にそびえ立つのは、かつては石造りの立派な城塞だったであろう建造物。
しかし現在は、壁には蔦が這い回り、窓ガラスは割れ、屋根の一部は崩落している。
さらに、空はどんよりと曇り、カラスが「アホウ、アホウ」と鳴きながら旋回している始末。
まさに、魔王城という呼び名にふさわしい佇まいだった。
「……修繕費の見積もりが怖いですわ」
私は額を押さえた。
「まあ、基礎構造はしっかりしているようですし、リノベーション物件だと思えば……」
「すまない。戦費を優先していて、住環境には手が回らなかった」
ジルベール様がバツが悪そうに頬を掻く。
「良いのです。現状(借金まみれ)を視覚的に理解するには十分なプレゼンテーションでしたから」
馬車を降りると、ギギギ……と錆びついた音を立てて、巨大な鉄扉が開かれた。
そこからぞろぞろと出てきたのは、屋敷の使用人たちだ。
彼らを見た瞬間、私は息を呑んだ。
(……ゾンビ?)
全員、頬がこけ、目の下には濃いクマがあり、肌は土気色。
制服は擦り切れ、ツギハギだらけ。
彼らは亡霊のようにゆらゆらと整列し、生気のない声で挨拶をした。
「……お、か、え、り、な、さ、い、ま、せ……だ、ん、な、さ、ま……」
「ヒッ……!」
御者のベルトが悲鳴を上げて隠れる。
私は冷静に観察した。
(栄養失調、睡眠不足、過重労働。典型的なブラック企業の末路ね)
列の先頭にいた、白髪の老執事が震える足で前に進み出る。
「か、閣下……ご無事で何よりです……。そちらが、噂の……?」
老執事の濁った瞳が、私に向けられる。
その目には、明らかな「恐怖」が宿っていた。
無理もない。王都から流れてきた噂では、私は「気に入らない使用人をムチで打ち据える悪役令嬢」ということになっているのだから。
ジルベール様が口を開こうとしたが、私はそれを手で制して一歩前に出た。
そして、扇をパン! と鳴らして注目を集める。
「初めまして。リーリン・アークライトです」
私は使用人たちを見回し、ニッコリと笑った。
「本日より、この屋敷の『管理責任者』に着任いたしました」
「か、管理……?」
「ええ。単刀直入に申し上げます。あなたたちの働きぶり、見ていて不愉快ですわ」
ざわざわ……と使用人たちが動揺する。
「あ、悪役令嬢だ……」
「やっぱり、俺たちをいじめるつもりなんだ……」
「もう死ぬ……」
絶望の呟きが聞こえてくる。
私は構わず続けた。
「その死んだような目! 緩慢な動作! 非効率の極みです! そのような状態で働かれても、ミスの誘発によりコストが増大するだけです!」
ビシッ! と老執事を指差す。
「そこのあなた。名前は?」
「セ、セバスチャンでございます……」
「セバスチャン。あなたの歩行速度は通常の〇・五倍。これではお茶を運ぶ間に冷めてしまいます。即刻、改善が必要です」
「ひぃっ! も、申し訳ございません! どうかお許しを……!」
セバスチャンが地面に土下座しようとする。
私はすかさず言葉を被せた。
「よって、業務命令を下します」
私は懐から、馬車の中で作成した『業務改善計画書(第一弾)』を取り出し、高らかに宣言した。
「全員、今すぐ業務を放棄し、泥のように眠りなさい!!」
「…………は?」
セバスチャンが固まった。
他の使用人たちも、ポカンと口を開けている。
「聞こえませんでしたか? 急速休息(パワーナップ)ではありません。最低十時間の睡眠を命じます。その後、肉と野菜を摂取し、風呂に入ること。業務再開はそれらが完了してからです」
「え……あ、あの……?」
「これは『命令』です。逆らう者は、減給処分としますよ?」
シーン……と静まり返る屋敷前。
誰も状況を理解できていないようだ。
ジルベール様が苦笑しながら助け舟を出した。
「……だ、そうだ。奥方の命令は絶対だ。みんな、今日は休んでいい」
その言葉でようやく、彼らの呪縛が解けた。
「や、休んでいい……?」
「寝ていいのか……?」
「ご飯も……?」
わっと歓声が上がるかと思いきや、彼らはボロボロと涙を流し始めた。
「ありがとうございますぅぅぅ!」
「死ぬかと思ってましたぁぁぁ!」
その場に崩れ落ちて泣くメイドや、互いに抱き合う従僕たち。
私はあきれて肩をすくめた。
「……どれだけ酷使されていたのですか。閣下、これは労働基準法違反で訴えられたら負けますよ」
「返す言葉もない……」
ジルベール様が肩を落とす。
「さて」
私はセバスチャンに向き直った。
「あなたは休む前に、一つだけ仕事をしてください。屋敷の鍵と、金庫の場所、そして過去十年分の帳簿を私の部屋に運んでちょうだい」
「は、はい! ただちに!」
セバスチャンは涙を拭い、背筋を伸ばした。先ほどより三歳くらい若返ったように見える。
「案内します、奥様!」
「リーリンで結構です。さあ、案内なさい」
私は足早に屋敷の中へと入っていった。
中は外見以上に荒れていた。
廊下の絨毯はカビが生え、壁には謎のシミがあり、どこからか隙間風が吹き込んでくる。
(修繕費、清掃費、害虫駆除費……頭が痛いけど、やりがいはあるわね)
案内されたのは、屋敷の中で唯一まともな状態を保っている客室だった。
「こちらをお使いください」
「ありがとう。……あ、そういえば」
私は後ろをついてきていたジルベール様を振り返った。
「契約書の第四条、覚えていますね?」
「……寝室は別、だったか」
「はい。私の睡眠環境は聖域ですので、立ち入りは禁止です。業務報告は朝食時にお願いします」
「俺の屋敷なんだが……」
「経営権の一部を譲渡された以上、私のテリトリーです。では、おやすみなさいませ」
バタン。
私は無慈悲に扉を閉めた。
扉の向こうで、ジルベール様が「……おやすみ」と寂しげに呟くのが聞こえたが、私は聞こえないふりをした。
すぐにセバスチャンが帳簿の山を運んできた。
私はドレスを着替えるのも忘れ、ランプに火を灯して机に向かった。
「さあ……見せてもらおうか。オルレアン家の絶望的な家計簿を!」
ページをめくる。
『〇月×日 武器購入費:金貨500枚』
『〇月△日 食料購入費:金貨10枚』
『〇月□日 城壁修繕費:金貨300枚』
『収入の部:未記入』
「…………」
私は天を仰いだ。
「バカなの? ねえ、ここの領主はバカなの!?」
収入が未記入ってどういうことよ! 税金取ってないの!?
ページを進めると、『領民が貧しいので今年は免税にした』という走り書きが。
「うわぁぁぁぁ! 慈善事業じゃないのよ!!」
私の絶叫が、深夜の屋敷にこだました。
翌朝。
食堂に現れた私は、目の下にクマを作り、鬼のような形相をしていた。
一方、たっぷり寝て肌艶が良くなった使用人たちが、怯えながら朝食を運んでくる。
「……おはよう、リーリン。よく眠れたか?」
ジルベール様が爽やかに挨拶してくるが、私はギロリと彼を睨みつけた。
「おはようございます、閣下。昨晩、帳簿を見ていて気づいたのですが」
「ん? ああ」
「あなたの首を絞めてもよろしいでしょうか?」
「朝から過激だな!?」
「これが過激にならずにいられますか! なんですかあの『免税』って! 領民に優しくすれば国が潤うとでも? 甘いです! 激甘です! 砂糖菓子より甘いです!」
私は食卓をバンと叩いた。
「本日より、領地大改革を行います! まずは閣下、あなたには『魔獣討伐』ではなく『特産品開発』の広告塔になってもらいます!」
「こ、広告塔……?」
「そうです。その強面と筋肉を活かして、ワイルドな魅力を前面に押し出したプロモーション活動です! 握手会もやりますよ!」
「あ、握手会……? 俺が……?」
ジルベール様が絶句する。
こうして。
恐怖の悪役令嬢(兼敏腕コンサルタント)による、辺境伯領のブラックな日々……ではなく、ホワイト化への強制労働が幕を開けたのである。
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