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「報告します! 正門前に王国の近衛騎士団、約五十名が布陣! 完全に包囲されています!」
数日後の朝。
優雅にクロワッサンを食べていた私の耳に、物騒な報告が飛び込んできた。
キース様はコーヒーカップを置き、眉間に深い皺を刻んだ。
「……アランの奴、本気で軍を動かしたか」
「五十名ですか。パンが足りるかしら」
「そこじゃない、ジンジャー。これは宣戦布告だ」
キース様が立ち上がる。
その瞳には、かつての「冷徹公爵」としての鋭い光が宿っていた。
「行くぞ。俺の領地で好き勝手はさせん」
「はい! お供します(おやつのバスケットを持って)」
◇
公爵邸の正門前は、異様な緊張感に包まれていた。
きらびやかな鎧に身を包んだ近衛騎士たちが、槍を構えて整列している。
その中央に、白馬に跨ったアラン王子がいた。
隣には、相変わらず顔色の悪いミントさんも馬に乗せられている。
「出てきたな、逆賊キース・ビター!」
アラン王子が声を張り上げた。
「逆賊とは心外な。アポイントメントなしで軍を連れてくる方が、よほど非常識だと思いますが」
キース様が静かに返す。
門を挟んでの睨み合い。
一触即発の空気。
しかし、アラン王子は鼻息荒く宣言した。
「問答無用! 今日こそジンジャーを返してもらう! その女は、国家を揺るがす『稀代の悪女』なのだからな!」
「……悪女?」
キース様が怪訝な顔をする。
「そうだ! その女は、恐ろしい魔術を使って人々をたぶらかす魔女だ! 現に、お前の屋敷の使用人たちも洗脳されているという報告が入っている!」
「洗脳……?」
キース様が背後のガストンたちを振り返る。
ガストンたちは「え? 俺たちのこと?」という顔で、手に持ったお玉や泡立て器(なぜ持ってきた)を見つめ合っている。
「見ろ! あの屈強な料理長が、なぜか『ピンク色のエプロン』をしているではないか! あれこそ洗脳の証拠だ!」
「あ、これはジンジャー様の新作っす」
ガストンが悪びれもせず答えた。
「『可愛いエプロンをつけると、お菓子も可愛くなる』って言われて……」
「ひぃぃっ! 見ろ! あの強面の男が『可愛い』などと口走っている! 完全に精神を汚染されているぞ!」
アラン王子が震え上がった。
私は呆れて溜息をついた。
「殿下。それは洗脳ではなく、意識改革(イノベーション)です」
「黙れ悪女! キース、お前もだ! 噂では、お前が『笑顔』を見せたそうだな?」
「……それがどうした」
「あり得ない! 『笑わない死神』と呼ばれたお前が笑うなど、何らかの薬物を盛られたか、黒魔術をかけられたに違いない! ジンジャーは、お前の心を操って公爵家を乗っ取るつもりなのだ!」
すごい想像力だ。
その脚本力があれば、小説家になれるかもしれない。
キース様は、ふっと息を吐き、私を見た。
「……だそうだ。ジンジャー、貴様は俺に魔法をかけたのか?」
「かけましたね」
私は即答した。
「『胃袋を掴む』という、古来より伝わる最強の白魔術です」
「ククッ……違いない」
キース様が肩を震わせて笑った。
それを見たアラン王子が「ひいぃっ! また笑った! 除霊だ! 誰か神官を呼べ!」とパニックに陥る。
キース様は笑い収めると、冷ややかな視線を王子に向けた。
「アラン。貴様の言い分は分かった。要するに、『ジンジャーは悪女だから、危険なので回収する』という理屈だな?」
「そ、そうだ! 王族として、危険分子を野放しにはできん!」
「くだらん」
キース様が一蹴した。
「彼女は悪女でも魔女でもない。ただの……そう、『食いしん坊』だ」
「は?」
アラン王子が口を開けた。
静寂が流れる。
キース様は真剣な顔で続けた。
「彼女の頭の中にあるのは、国家転覆の陰謀ではない。『今日の三時のおやつを何にするか』だけだ」
「…………」
「彼女が俺を操っているのではない。俺が、彼女の作る菓子の虜になっているだけだ。……そう、俺は彼女の『餌付け』に屈したのだ」
「……旦那様、言い方」
私がツッコミを入れるが、キース様は止まらない。
「アラン、貴様には分からんだろう。この女が焼くマドレーヌの、あの焦がしバターの芳醇な香りが。口に入れた瞬間に広がる幸福感が。それを知らずに『悪女』などと呼ぶ貴様こそ、人生を損している!」
熱弁だった。
公爵当主が、大勢の騎士の前で「俺はマドレーヌが好きだ」とカミングアウトしている図だ。
騎士たちがザワザワし始めた。
「……おい、聞いたか?」
「公爵閣下が……スイーツ語りを……」
「なんか、説得力すごくないか?」
「俺も食べたくなってきた……」
空気が変わった。
「討伐ムード」から「飯テロ被害者の会」のような雰囲気にシフトしつつある。
これに焦ったのはアラン王子だ。
「ええい、騙されるな! それこそが洗脳だ! 言葉巧みに惑わされているのだ!」
「うるさい男だ。……ならば、証明してやろう」
キース様が、私を前に押し出した。
「ジンジャー。貴様の実力を、こいつらに見せつけてやれ」
「実力、ですか?」
私はバスケットの蓋を開けた。
そこに入っているのは、今朝焼いたばかりの『一口サイズのチーズタルト』だ。
「皆さん、朝ごはんはまだですよね? 良かったらどうぞ」
私はタルトを一つ手に取り、一番近くにいた騎士隊長に差し出した。
隊長は戸惑いながらも、漂う濃厚なチーズの香りに抗えず、パクりと口にした。
「……ッ!!」
隊長の目が見開かれる。
「こ、これは……! サクサクの生地の中に、トロリとしたチーズクリーム……しかも、レモンの酸味が後味を爽やかにしている……!」
「美味しいでしょう?」
「う、美味い……! こんな美味いもの、食べたことがない!」
隊長が感涙した。
それを見た他の騎士たちが「俺も!」「私にも!」と殺到する。
「ああっ! 並んでください! 一人一個です!」
正門前は、一瞬にして「無料試食会会場」と化した。
「こらっ! お前たち! 任務中だぞ! 敵から餌をもらうな!」
アラン王子が叫ぶが、誰も聞いちゃいない。
「アラン様ぁ……私にも一つ……」
ミントさんまでもが、馬から降りて行列に並ぼうとしている。
「ミント! 貴様まで!」
「だってぇ、お腹空いたんですものぉ……」
完全に勝負ありだ。
キース様がアラン王子を見下ろし、勝ち誇った顔で言った。
「見たか。これが彼女の『魔術』だ」
「ぐぬぬぬ……!」
アラン王子は顔を真っ赤にして震えた。
プライドがズタズタだ。
自分の連れてきた騎士たちが、たった数個のタルトで籠絡されたのだから。
「……認めん! 僕は認めんぞ!」
王子がヒステリックに叫んだ。
「そんなものはただの菓子だ! 僕が必要としているのは、国政を回すための事務処理能力だ! ジンジャーが有能なのは認めるが、菓子作りなど何の役にも立たん!」
「まだ言うか」
「ええい、こうなったら意地だ! 勝負だキース! いや、ジンジャー!」
アラン王子が私を指差した。
「貴様がそれほど菓子作りに自信があるなら、僕を唸らせてみろ!」
「は?」
「来月、王都で『建国記念パーティー』がある! そこで貴様がメインデザートを担当しろ! もし、その味が来賓たち……そしてこの僕を満足させられなかったら、貴様は大人しく王都へ戻り、一生書類の山に埋もれて暮らすのだ!」
「……もし、満足させたら?」
「その時は……婚約破棄を正式に認め、二度と関わらないと誓ってやる!」
売り言葉に買い言葉。
しかし、これはチャンスかもしれない。
この粘着質な元婚約者を黙らせる、絶好の機会だ。
私はキース様を見上げた。
キース様はニヤリと笑い、頷いた。
「受けて立て、ジンジャー。貴様の菓子が世界一だと、王都の連中に思い知らせてやれ」
「……分かりました」
私は一歩前に出た。
「その勝負、お受けします。ただし、私が勝ったらもう一つ条件があります」
「な、なんだ?」
「王家の宝物庫にあるという幻の食材、『黄金の蜂蜜』。あれを瓶ごといただきます」
「……貴様、本当にぶれないな」
アラン王子が呆れた顔をした。
「いいだろう! 受けて立つ! ただし、対戦相手はこちらで用意させてもらうぞ!」
「対戦相手?」
「そうだ! 我が国最高の宮廷パティシエと、ミントの愛の力を結集した最強チームだ! 田舎娘に負けるはずがない!」
ミントさんが「えっ、私やるんですか……?」と青ざめているが、王子は聞いていない。
こうして。
国軍まで動員した修羅場は、なぜか「国家規模のスイーツ対決」へと発展することになった。
「首を洗って待っていろ!」
アラン王子は捨て台詞を残し、タルトを頬張る騎士たちを無理やり引き連れて撤退していった。
残された私たち。
「……キース様、大変なことになりましたね」
「そうか? 俺は楽しみだぞ」
キース様は私の肩を抱いた。
「貴様の作る菓子が、王宮の連中の度肝を抜く瞬間がな。……最高のショーになりそうだ」
その笑顔は、もはや「冷徹公爵」のものではなく、悪戯を企む少年のようだった。
(まあ、なんとかなるか)
私は空になったバスケットを見つめた。
勝負となれば、手加減は無用。
王都の舌を、とろとろに溶かして差し上げましょう。
数日後の朝。
優雅にクロワッサンを食べていた私の耳に、物騒な報告が飛び込んできた。
キース様はコーヒーカップを置き、眉間に深い皺を刻んだ。
「……アランの奴、本気で軍を動かしたか」
「五十名ですか。パンが足りるかしら」
「そこじゃない、ジンジャー。これは宣戦布告だ」
キース様が立ち上がる。
その瞳には、かつての「冷徹公爵」としての鋭い光が宿っていた。
「行くぞ。俺の領地で好き勝手はさせん」
「はい! お供します(おやつのバスケットを持って)」
◇
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きらびやかな鎧に身を包んだ近衛騎士たちが、槍を構えて整列している。
その中央に、白馬に跨ったアラン王子がいた。
隣には、相変わらず顔色の悪いミントさんも馬に乗せられている。
「出てきたな、逆賊キース・ビター!」
アラン王子が声を張り上げた。
「逆賊とは心外な。アポイントメントなしで軍を連れてくる方が、よほど非常識だと思いますが」
キース様が静かに返す。
門を挟んでの睨み合い。
一触即発の空気。
しかし、アラン王子は鼻息荒く宣言した。
「問答無用! 今日こそジンジャーを返してもらう! その女は、国家を揺るがす『稀代の悪女』なのだからな!」
「……悪女?」
キース様が怪訝な顔をする。
「そうだ! その女は、恐ろしい魔術を使って人々をたぶらかす魔女だ! 現に、お前の屋敷の使用人たちも洗脳されているという報告が入っている!」
「洗脳……?」
キース様が背後のガストンたちを振り返る。
ガストンたちは「え? 俺たちのこと?」という顔で、手に持ったお玉や泡立て器(なぜ持ってきた)を見つめ合っている。
「見ろ! あの屈強な料理長が、なぜか『ピンク色のエプロン』をしているではないか! あれこそ洗脳の証拠だ!」
「あ、これはジンジャー様の新作っす」
ガストンが悪びれもせず答えた。
「『可愛いエプロンをつけると、お菓子も可愛くなる』って言われて……」
「ひぃぃっ! 見ろ! あの強面の男が『可愛い』などと口走っている! 完全に精神を汚染されているぞ!」
アラン王子が震え上がった。
私は呆れて溜息をついた。
「殿下。それは洗脳ではなく、意識改革(イノベーション)です」
「黙れ悪女! キース、お前もだ! 噂では、お前が『笑顔』を見せたそうだな?」
「……それがどうした」
「あり得ない! 『笑わない死神』と呼ばれたお前が笑うなど、何らかの薬物を盛られたか、黒魔術をかけられたに違いない! ジンジャーは、お前の心を操って公爵家を乗っ取るつもりなのだ!」
すごい想像力だ。
その脚本力があれば、小説家になれるかもしれない。
キース様は、ふっと息を吐き、私を見た。
「……だそうだ。ジンジャー、貴様は俺に魔法をかけたのか?」
「かけましたね」
私は即答した。
「『胃袋を掴む』という、古来より伝わる最強の白魔術です」
「ククッ……違いない」
キース様が肩を震わせて笑った。
それを見たアラン王子が「ひいぃっ! また笑った! 除霊だ! 誰か神官を呼べ!」とパニックに陥る。
キース様は笑い収めると、冷ややかな視線を王子に向けた。
「アラン。貴様の言い分は分かった。要するに、『ジンジャーは悪女だから、危険なので回収する』という理屈だな?」
「そ、そうだ! 王族として、危険分子を野放しにはできん!」
「くだらん」
キース様が一蹴した。
「彼女は悪女でも魔女でもない。ただの……そう、『食いしん坊』だ」
「は?」
アラン王子が口を開けた。
静寂が流れる。
キース様は真剣な顔で続けた。
「彼女の頭の中にあるのは、国家転覆の陰謀ではない。『今日の三時のおやつを何にするか』だけだ」
「…………」
「彼女が俺を操っているのではない。俺が、彼女の作る菓子の虜になっているだけだ。……そう、俺は彼女の『餌付け』に屈したのだ」
「……旦那様、言い方」
私がツッコミを入れるが、キース様は止まらない。
「アラン、貴様には分からんだろう。この女が焼くマドレーヌの、あの焦がしバターの芳醇な香りが。口に入れた瞬間に広がる幸福感が。それを知らずに『悪女』などと呼ぶ貴様こそ、人生を損している!」
熱弁だった。
公爵当主が、大勢の騎士の前で「俺はマドレーヌが好きだ」とカミングアウトしている図だ。
騎士たちがザワザワし始めた。
「……おい、聞いたか?」
「公爵閣下が……スイーツ語りを……」
「なんか、説得力すごくないか?」
「俺も食べたくなってきた……」
空気が変わった。
「討伐ムード」から「飯テロ被害者の会」のような雰囲気にシフトしつつある。
これに焦ったのはアラン王子だ。
「ええい、騙されるな! それこそが洗脳だ! 言葉巧みに惑わされているのだ!」
「うるさい男だ。……ならば、証明してやろう」
キース様が、私を前に押し出した。
「ジンジャー。貴様の実力を、こいつらに見せつけてやれ」
「実力、ですか?」
私はバスケットの蓋を開けた。
そこに入っているのは、今朝焼いたばかりの『一口サイズのチーズタルト』だ。
「皆さん、朝ごはんはまだですよね? 良かったらどうぞ」
私はタルトを一つ手に取り、一番近くにいた騎士隊長に差し出した。
隊長は戸惑いながらも、漂う濃厚なチーズの香りに抗えず、パクりと口にした。
「……ッ!!」
隊長の目が見開かれる。
「こ、これは……! サクサクの生地の中に、トロリとしたチーズクリーム……しかも、レモンの酸味が後味を爽やかにしている……!」
「美味しいでしょう?」
「う、美味い……! こんな美味いもの、食べたことがない!」
隊長が感涙した。
それを見た他の騎士たちが「俺も!」「私にも!」と殺到する。
「ああっ! 並んでください! 一人一個です!」
正門前は、一瞬にして「無料試食会会場」と化した。
「こらっ! お前たち! 任務中だぞ! 敵から餌をもらうな!」
アラン王子が叫ぶが、誰も聞いちゃいない。
「アラン様ぁ……私にも一つ……」
ミントさんまでもが、馬から降りて行列に並ぼうとしている。
「ミント! 貴様まで!」
「だってぇ、お腹空いたんですものぉ……」
完全に勝負ありだ。
キース様がアラン王子を見下ろし、勝ち誇った顔で言った。
「見たか。これが彼女の『魔術』だ」
「ぐぬぬぬ……!」
アラン王子は顔を真っ赤にして震えた。
プライドがズタズタだ。
自分の連れてきた騎士たちが、たった数個のタルトで籠絡されたのだから。
「……認めん! 僕は認めんぞ!」
王子がヒステリックに叫んだ。
「そんなものはただの菓子だ! 僕が必要としているのは、国政を回すための事務処理能力だ! ジンジャーが有能なのは認めるが、菓子作りなど何の役にも立たん!」
「まだ言うか」
「ええい、こうなったら意地だ! 勝負だキース! いや、ジンジャー!」
アラン王子が私を指差した。
「貴様がそれほど菓子作りに自信があるなら、僕を唸らせてみろ!」
「は?」
「来月、王都で『建国記念パーティー』がある! そこで貴様がメインデザートを担当しろ! もし、その味が来賓たち……そしてこの僕を満足させられなかったら、貴様は大人しく王都へ戻り、一生書類の山に埋もれて暮らすのだ!」
「……もし、満足させたら?」
「その時は……婚約破棄を正式に認め、二度と関わらないと誓ってやる!」
売り言葉に買い言葉。
しかし、これはチャンスかもしれない。
この粘着質な元婚約者を黙らせる、絶好の機会だ。
私はキース様を見上げた。
キース様はニヤリと笑い、頷いた。
「受けて立て、ジンジャー。貴様の菓子が世界一だと、王都の連中に思い知らせてやれ」
「……分かりました」
私は一歩前に出た。
「その勝負、お受けします。ただし、私が勝ったらもう一つ条件があります」
「な、なんだ?」
「王家の宝物庫にあるという幻の食材、『黄金の蜂蜜』。あれを瓶ごといただきます」
「……貴様、本当にぶれないな」
アラン王子が呆れた顔をした。
「いいだろう! 受けて立つ! ただし、対戦相手はこちらで用意させてもらうぞ!」
「対戦相手?」
「そうだ! 我が国最高の宮廷パティシエと、ミントの愛の力を結集した最強チームだ! 田舎娘に負けるはずがない!」
ミントさんが「えっ、私やるんですか……?」と青ざめているが、王子は聞いていない。
こうして。
国軍まで動員した修羅場は、なぜか「国家規模のスイーツ対決」へと発展することになった。
「首を洗って待っていろ!」
アラン王子は捨て台詞を残し、タルトを頬張る騎士たちを無理やり引き連れて撤退していった。
残された私たち。
「……キース様、大変なことになりましたね」
「そうか? 俺は楽しみだぞ」
キース様は私の肩を抱いた。
「貴様の作る菓子が、王宮の連中の度肝を抜く瞬間がな。……最高のショーになりそうだ」
その笑顔は、もはや「冷徹公爵」のものではなく、悪戯を企む少年のようだった。
(まあ、なんとかなるか)
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