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サーシャの王都グルメツアーは、とどまるところを知らなかった。
高級レストランから市場の屋台まで、彼女の食への探求は日に日に熱を帯びていく。
そして今日、彼女が新たな目的地として白羽の矢を立てたのは、騎士団の詰め所の近くにあるという一軒の大衆食堂だった。
その名も『満腹亭』。
いかにもな名前のその店は、安くて美味くて、とにかく量が多いと評判で、屈強な騎士や傭兵たちの胃袋をがっちりと掴んでいるという。
「お嬢様、本当にこのようなお店に入られるのですか…? ご覧くださいまし、屈強な殿方ばかりですわ…」
店の前で、侍女のアンナが不安そうに眉をひそめる。
確かに、がらりと開け放たれた扉の向こうからは、男たちの野太い笑い声や、ジョッキをぶつけ合う音が響いてきていた。
普通の貴族令嬢であれば、一歩踏み入るのも躊躇するだろう。
しかし、サーシャは違う。
「だからこそ、ですわアンナ!」
彼女は期待に胸を膨らませ、きらきらと瞳を輝かせた。
「屈強な殿方が集う店…それはつまり、量と味に一切の妥協がないという証拠! これは期待できますわよ!」
サーシャはアンナの細い腕をぐいと引き、迷うことなく店の中に足を踏み入れた。
瞬間、騒がしかった店内が水を打ったように静まり返る。
汗と油の匂いが染みついた空間に、場違いなほど上質な服を着た美しい令嬢が二人。
食事をしていた男たちの視線が、一斉に彼女たちに突き刺さった。
しかし、サーシャはそんな視線など全く意に介さない。
彼女は空いていたテーブルにどっかりと腰を下ろすと、壁に貼られたメニューを真剣な眼差しで吟味し始めた。
「ふむふむ…日替わりランチに、生姜焼き定食…どれも魅力的ですけれど…やはり、ここは名物と名高いアレをいただくしかありませんわね!」
「お、お客さん、ご注文は…?」
恐る恐る近づいてきた店主の女性に、サーシャはにこやかに告げた。
「ここの名物、『デカ盛りカツレツ定食』を一つ、お願いできるかしら?」
「…へい、毎度!」
その注文を聞いた瞬間、店内の空気がふっと和らいだ。
男たちは、ただの冷やかしではないと悟り、ニヤニヤしながら、あの華奢な令嬢が巨大なカツレツにどう立ち向かうのか、興味津々で見守り始めた。
やがて、湯気を立てながら運ばれてきた一皿を見て、サーシャは思わず「まあ!」と歓声を上げた。
大人の手のひらよりも大きなカツレツが、皿からはみ出さんばかりに鎮座している。
山盛りの白飯と、たっぷりの千切りキャベツ、そして具沢山の味噌汁。完璧な布陣だ。
(素晴らしい…! この衣の、剣のように鋭い立ち具合! そしてソースの芳醇な香り…!)
サーシャは恭しくナイフとフォークを手に取ると、カツレツにさくりと刃を入れた。
心地よい音とともに、分厚い豚肉の断面から、きらきらと輝く肉汁が溢れ出す。
一切れをソースにたっぷりと絡め、大きな口を開けて、ぱくりと頬張る。
(美味しいですわ…!)
サクサクの衣、驚くほど柔らかくジューシーな豚肉、そして果物の甘みとスパイスが絶妙に調和した特製ソース。
それらが口の中で渾然一体となり、至福の味が広がる。
すかさず白飯をかきこめば、もう何も言うことはない。
サーシャは、周囲の視線も忘れ、一心不乱にカツレツと向き合い始めた。
その食べっぷりは、もはや芸術的ですらあった。
夢中で半分ほど食べたところで、店がにわかに混み合ってきた。
「お客さん、すまねぇな! ちょっと、相席でも構わねぇかい?」
店主の声に、サーシャは口をもぐもぐさせながら顔を上げた。
「ええ、構いませんわよ。どうぞ」
サーシャがそう答えると、彼女の向かいの席に、一人の大男がどっかりと腰を下ろした。
日に焼けた肌に、無造作な黒髪。飾り気のない無骨な服を着ているが、その下にある鍛え上げられた体躯は隠しようもない。
厳しい眼差しは、戦場をいくつも越えてきた猛禽類を思わせる。
男は、サーシャの皿を一瞥すると、店主にぶっきらぼうに言った。
「俺も同じものを」
男――北の辺境を守るリアム・アシュフォード辺境伯は、目の前で夢中になってカツレツを頬張る女を、興味深く観察していた。
(なんだこの女は…。身なりからして貴族の令嬢だろうが、凄まじい食いっぷりだ。行儀が悪いというより、むしろ見ていて清々しい)
リアムも王都の社交界には疎いが、シュヴァルツ公爵家の悪名高い令嬢の噂くらいは耳にしていた。
しかし、目の前で幸せそうにご飯を食べるこの女が、その悪役令嬢だとは夢にも思わなかった。
一方のサーシャも、目の前の男が堅物で知られるアシュフォード辺境伯であることなど、知る由もない。
(体格の良い、騎士の方かしら。このお店の常連さんなのね)
くらいにしか思っていなかった。
沈黙の中、サクサク、もぐもぐ、という音だけが響く。
やがて、我慢できなくなったかのように、リアムが口を開いた。
「……美味そうに食うな」
それは、彼にしては珍しい、純粋な感嘆の声だった。
サーシャは、ぱちりと目を瞬かせ、こくんとカツレツを飲み込んでから答えた。
「ええ、とっても美味しいですわ! あなたもこれを召し上がるの?」
「ああ。ここのカツレツは王都で一番だと思っている」
「まあ! やはりそうですのね! わたくし、このソースの隠し味に使われている果物が何か、ずっと気になっていたのですけれど…林檎かしら? それとも少し桃も入っているような…」
サーシャがそう言うと、リアムは初めて少し驚いたような顔をした。
「…よく分かったな。ここの親父に聞いたことがある。林檎と、隠し味に桃のジャムを少し入れているそうだ」
「まあ、やっぱり! あのまろやかな甘みはそれでしたのね!」
それをきっかけに、二人の間に奇妙な会話が生まれた。
「この豚肉も、ただの豚ではありませんわ。一度、低温の油で火を通してから、注文が入るたびに高温で二度揚げしていますわね? だから、こんなに分厚いのに中まで柔らかい」
「ほう…付け合わせのキャベツはどうだ?」
「もちろん、手切りですわ。機械で切ったものとは、瑞々しさが違いますもの。水にさらす時間も絶妙ね」
マニアックすぎる食談義に、隣の席で聞いていた騎士たちが、あんぐりと口を開けている。
アンナは、もはや胃のあたりを押さえてうつむいていた。
やがて、巨大なカツレツ定食を綺麗に平らげたサーシャは、満足のため息をついて席を立った。
「ああ、美味しかった! では、わたくしはこれで」
「待て」
リアムが、彼女を呼び止めた。
「あんたの分も、俺が払っておこう。美味い飯を食いながら、実に楽しい話が聞けた礼だ」
「まあ、よろしいのですか?」
サーシャは少し驚いたが、素直に頷いた。
「では、お言葉に甘えさせていただきますわ。ごちそうさまでした、騎士様」
「…騎士じゃない」
リアムはそれだけ言うと、ふいと顔をそむけた。
「またどこかで会うかもしれんな」
そう言い残し、リアムはサーシャよりも先に会計を済ませ、店を出て行った。
「親切な方もいらっしゃるのね」
上機嫌なサーシャとは対照的に、店の外へ出たリアムは、一人、ぽつりと呟いていた。
「……面白い女だった。名前、聞いておけばよかったな」
北の守護神と呼ばれる男の胸に、今まで感じたことのない、温かく、そして少しだけむずがゆい感情が、確かに芽生え始めていた。
高級レストランから市場の屋台まで、彼女の食への探求は日に日に熱を帯びていく。
そして今日、彼女が新たな目的地として白羽の矢を立てたのは、騎士団の詰め所の近くにあるという一軒の大衆食堂だった。
その名も『満腹亭』。
いかにもな名前のその店は、安くて美味くて、とにかく量が多いと評判で、屈強な騎士や傭兵たちの胃袋をがっちりと掴んでいるという。
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店の前で、侍女のアンナが不安そうに眉をひそめる。
確かに、がらりと開け放たれた扉の向こうからは、男たちの野太い笑い声や、ジョッキをぶつけ合う音が響いてきていた。
普通の貴族令嬢であれば、一歩踏み入るのも躊躇するだろう。
しかし、サーシャは違う。
「だからこそ、ですわアンナ!」
彼女は期待に胸を膨らませ、きらきらと瞳を輝かせた。
「屈強な殿方が集う店…それはつまり、量と味に一切の妥協がないという証拠! これは期待できますわよ!」
サーシャはアンナの細い腕をぐいと引き、迷うことなく店の中に足を踏み入れた。
瞬間、騒がしかった店内が水を打ったように静まり返る。
汗と油の匂いが染みついた空間に、場違いなほど上質な服を着た美しい令嬢が二人。
食事をしていた男たちの視線が、一斉に彼女たちに突き刺さった。
しかし、サーシャはそんな視線など全く意に介さない。
彼女は空いていたテーブルにどっかりと腰を下ろすと、壁に貼られたメニューを真剣な眼差しで吟味し始めた。
「ふむふむ…日替わりランチに、生姜焼き定食…どれも魅力的ですけれど…やはり、ここは名物と名高いアレをいただくしかありませんわね!」
「お、お客さん、ご注文は…?」
恐る恐る近づいてきた店主の女性に、サーシャはにこやかに告げた。
「ここの名物、『デカ盛りカツレツ定食』を一つ、お願いできるかしら?」
「…へい、毎度!」
その注文を聞いた瞬間、店内の空気がふっと和らいだ。
男たちは、ただの冷やかしではないと悟り、ニヤニヤしながら、あの華奢な令嬢が巨大なカツレツにどう立ち向かうのか、興味津々で見守り始めた。
やがて、湯気を立てながら運ばれてきた一皿を見て、サーシャは思わず「まあ!」と歓声を上げた。
大人の手のひらよりも大きなカツレツが、皿からはみ出さんばかりに鎮座している。
山盛りの白飯と、たっぷりの千切りキャベツ、そして具沢山の味噌汁。完璧な布陣だ。
(素晴らしい…! この衣の、剣のように鋭い立ち具合! そしてソースの芳醇な香り…!)
サーシャは恭しくナイフとフォークを手に取ると、カツレツにさくりと刃を入れた。
心地よい音とともに、分厚い豚肉の断面から、きらきらと輝く肉汁が溢れ出す。
一切れをソースにたっぷりと絡め、大きな口を開けて、ぱくりと頬張る。
(美味しいですわ…!)
サクサクの衣、驚くほど柔らかくジューシーな豚肉、そして果物の甘みとスパイスが絶妙に調和した特製ソース。
それらが口の中で渾然一体となり、至福の味が広がる。
すかさず白飯をかきこめば、もう何も言うことはない。
サーシャは、周囲の視線も忘れ、一心不乱にカツレツと向き合い始めた。
その食べっぷりは、もはや芸術的ですらあった。
夢中で半分ほど食べたところで、店がにわかに混み合ってきた。
「お客さん、すまねぇな! ちょっと、相席でも構わねぇかい?」
店主の声に、サーシャは口をもぐもぐさせながら顔を上げた。
「ええ、構いませんわよ。どうぞ」
サーシャがそう答えると、彼女の向かいの席に、一人の大男がどっかりと腰を下ろした。
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厳しい眼差しは、戦場をいくつも越えてきた猛禽類を思わせる。
男は、サーシャの皿を一瞥すると、店主にぶっきらぼうに言った。
「俺も同じものを」
男――北の辺境を守るリアム・アシュフォード辺境伯は、目の前で夢中になってカツレツを頬張る女を、興味深く観察していた。
(なんだこの女は…。身なりからして貴族の令嬢だろうが、凄まじい食いっぷりだ。行儀が悪いというより、むしろ見ていて清々しい)
リアムも王都の社交界には疎いが、シュヴァルツ公爵家の悪名高い令嬢の噂くらいは耳にしていた。
しかし、目の前で幸せそうにご飯を食べるこの女が、その悪役令嬢だとは夢にも思わなかった。
一方のサーシャも、目の前の男が堅物で知られるアシュフォード辺境伯であることなど、知る由もない。
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サーシャは、ぱちりと目を瞬かせ、こくんとカツレツを飲み込んでから答えた。
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「まあ! やはりそうですのね! わたくし、このソースの隠し味に使われている果物が何か、ずっと気になっていたのですけれど…林檎かしら? それとも少し桃も入っているような…」
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「まあ、やっぱり! あのまろやかな甘みはそれでしたのね!」
それをきっかけに、二人の間に奇妙な会話が生まれた。
「この豚肉も、ただの豚ではありませんわ。一度、低温の油で火を通してから、注文が入るたびに高温で二度揚げしていますわね? だから、こんなに分厚いのに中まで柔らかい」
「ほう…付け合わせのキャベツはどうだ?」
「もちろん、手切りですわ。機械で切ったものとは、瑞々しさが違いますもの。水にさらす時間も絶妙ね」
マニアックすぎる食談義に、隣の席で聞いていた騎士たちが、あんぐりと口を開けている。
アンナは、もはや胃のあたりを押さえてうつむいていた。
やがて、巨大なカツレツ定食を綺麗に平らげたサーシャは、満足のため息をついて席を立った。
「ああ、美味しかった! では、わたくしはこれで」
「待て」
リアムが、彼女を呼び止めた。
「あんたの分も、俺が払っておこう。美味い飯を食いながら、実に楽しい話が聞けた礼だ」
「まあ、よろしいのですか?」
サーシャは少し驚いたが、素直に頷いた。
「では、お言葉に甘えさせていただきますわ。ごちそうさまでした、騎士様」
「…騎士じゃない」
リアムはそれだけ言うと、ふいと顔をそむけた。
「またどこかで会うかもしれんな」
そう言い残し、リアムはサーシャよりも先に会計を済ませ、店を出て行った。
「親切な方もいらっしゃるのね」
上機嫌なサーシャとは対照的に、店の外へ出たリアムは、一人、ぽつりと呟いていた。
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