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「五日分…ですって…?」
代官ハンスの、絶望に染まった声が、作戦本部に響いた。
広場を封鎖する近衛騎士団の威圧感を背に、私たちは館へと引き返していた。
だが、空気は、私たちが隣国との取引を成功させた時の熱狂とは、似ても似つかない。
冷たく、重い。
「お、終わりだ…」
ハンスが、その場にへたり込んだ。
「せっかく…せっかく、干し芋で稼げるようになったのに…」
「『ポテト』が作れなくなったら、隣国様も、もう取引してくださらねえ…」
「また、あの飢えた日々に逆戻りだ…」
集まっていた村長たちも、顔面蒼白だ。
数日前に手にした報酬が、まるで幻だったかのように。
「黙りなさい、ハンス!」
私は、机を叩いて、その弱気を一喝した。
「まだ、終わったわけではないわ!」
「『干し芋』と『岩塩』の生産ラインは生きている!」
「しかし、イアナ嬢」
私とは対照的に、どこまでも冷静な声が、横から飛んできた。
ルークだ。
彼は、すでに帳簿を広げ、猛烈な勢いで羽ペンを走らせていた。
「事態は、あなたが思っている以上に、深刻です」
「何よ」
私は、その冷たい声に、苛立ちを隠せない。
ルークは、帳簿の一点を、指先で叩いた。
「これが、直近三日間の、我が領地(・・・)の収支報告です」
いつの間にか、彼の中で、この領地は「君の領地」から「我々の領地」に変わっていた。
「見なさい」
「総利益のうち、実に、七割が『荒くれポテト』によるものだ」
「……!」
それは、私が薄々感づいていた、しかし、認めたくなかった数字だった。
「『干し芋』と『岩塩』の利益は、主に、領民への『賃金』と『食料(現物支給)』に回っている」
「だが、この領地の『未来』に投資するための、純粋な『資金(キャッシュ)』は」
ルークは、私をまっすぐに見据えた。
「すべて、あの『芋クズ(ポテトチップス)』が、稼ぎ出していた」
「……」
「『塩の道』の第二次拡張工事。明日から、石畳の敷設が始まる予定だった」
「その、石材の購入費用。払えますか?」
「…」
「あなたが計画していた『薬草園』の開墾。そのための、専門家の雇用費用」
「『ウォルトン・リネン』開発のための、織機(しょっき)の試作機」
ルークは、淡々と、私の「夢」を、一つずつ、指差しては、線を引いて消していく。
「すべて、停止だ」
「あの『油』の供給ラインが断たれた瞬間、我々の領地の『成長』は、完全に止まった」
「そ…そんな…」
ハンスが、息を呑む。
「我々の手元に残された『資金』は」
ルークは、最後の計算を終えると、羽ペンを置いた。
「領民全員の食料を、あと十日、食いつなぐ分」
「それだけだ」
「じゅ、十日…」
「十日後には、資金は底をつく」
「我々は、破産(・・)です」
「ふざけないで!」
私は、叫んだ。
「あの馬鹿王子が! 自分の嫉妬で! 偶然、やったことなのよ!」
「あいつは、わたくしたちの本当の『弱点(アキレス腱)』が、油だったなんて、知るはずもない!」
「結果は同じです」
ルークは、冷酷に告げる。
「偶然だろうが、必然だろうが、経営者が、単一の供給ラインに、事業の生命線を依存していた」
「あなたの、経営(マネジメント)の失敗だ」
「ぐっ…!」
私は、言葉に詰まる。
正論だったからだ。
「イアナ様!」
そこへ、別の村人が、慌てた様子で駆け込んできた。
「『干し芋』の作業班が、手を止めて…!」
「『もう、やめだ』と…!」
「何ですって!?」
「『どうせ、王子様に逆らっても無駄なんだ』と!」
「『悪役令嬢様(イアナさま)に従ってたら、俺たちまで反逆罪にされちまう』って…!」
「(!)」
私の胸が、氷水で殴られたように、冷たくなった。
資金(カネ)じゃない。
それより先に、領民の『心』が、折れたのだ。
「(馬鹿な…!)」
(あんなに、生き生きと働き始めたのに!)
(たった一度の、王家の『脅し』で、元の『諦め』に戻ってしまうの!?)
「ハンス!」
私は、へたり込む代官の胸ぐらを掴んだ。
「あなたは、どうなの! あなたも、諦めるの!?」
「ひっ…」
ハンスは、震えるばかりで、私と目を合わせようとしない。
「だ、だって、イアナ様…相手は、近衛騎士団でございますぞ…」
「我ら、田舎の領民に、何が…」
(…もう、ダメだ)
領民(かれら)は、もう、私を信じていない。
「奇跡の令嬢」から、一転して「疫病神」になったのだ。
「…ルーク」
私は、ハンスを突き放し、静かに、隣に立つ男に尋ねた。
「…何です」
「あなたも、諦めるの?」
「あなたは『監視役』だものね。『査定失敗、領地没収』とでも、報告書を書いて、王都に帰る?」
ルークは、しばらく、何も答えなかった。
彼は、ただ、窓の外の、道を塞ぐ近衛騎士団の旗を、無表情に眺めていた。
そして、ゆっくりと、私に向き直る。
「…帰りませんよ」
「私は、アルベルト王子の、あの『私的』な命令を、国王陛下の『勅命』より優先させる、あの騎士団長を、許すつもりはない」
「それに」
「それに?」
「…私の『計算』が、こんな『偶然』で、破綻させられるのは、性に合わん」
「(…ふふ)」
思わず、笑いが漏れた。
「そうよね。あなた、そういう男だわ」
「ですが、イアナ嬢」
ルークの声が、再び冷たさを取り戻す。
「現状、打つ手がない。油は、ない」
「そうね。南からは、買えない」
私は、広げっぱなしの地図に、目を落とした。
「東の隣国(ガリア)も、油の産地じゃない」
「…」
「北は、未開の森と山」
「西も、山」
「八方塞がり、ですね」
ルークが、皮肉を込めて言った。
「…本当に、そうかしら」
私は、地図の「北の森」を、指でなぞった。
「…何が言いたい」
「わたくし、ここに来る前に、この領地の古い資料を、王都の書庫で読み漁ったわ」
「この北の森には、大量の『クルミの木』が自生している、と」
「クルミ…? まさか」
ルークの目が、わずかに見開かれた。
「ええ」
「領民たちは、食料にもならず、薪(まき)としても使いにくい『油っぽい木』と呼んで、誰も近づかない、と」
「…正気か、イアナ」
ルークが、初めて、私の名を呼んだ。
「クルミから、油を? 圧搾機は、どうする。精製技術は?」
「知らないわよ、そんなもの!」
私は、地図を丸めて、拳で叩いた。
「でも!」
「『ない』なら『作る』しかないでしょう!」
「『買えない』なら『生み出す』しかないのよ!」
私は、呆然とするハンスと、目を見開くルークを、交互に睨みつけた。
「(ここで諦める私じゃないわ!)」
「ハンス! 今すぐ、動ける男たちを集めなさい!」
「これより、北の森へ『クルミ』の採集に向かう!」
「ルーク! あなたは、この領地にある、すべての『鍛冶屋』と『大工』をリストアップして!」
「人類最古の『圧搾機』を、今から、わたくしたちの手で、再現するのよ!」
私の、狂気とも言える宣言に、ハンスは「ひぃっ」と声を上げた。
だが、ルークだけは。
ルーク・アイゼンだけは、その氷のような瞳の奥に、ほんのかすかな『熱』を宿して、ニヤリと、笑った気がした。
「…面白くなってきた」
代官ハンスの、絶望に染まった声が、作戦本部に響いた。
広場を封鎖する近衛騎士団の威圧感を背に、私たちは館へと引き返していた。
だが、空気は、私たちが隣国との取引を成功させた時の熱狂とは、似ても似つかない。
冷たく、重い。
「お、終わりだ…」
ハンスが、その場にへたり込んだ。
「せっかく…せっかく、干し芋で稼げるようになったのに…」
「『ポテト』が作れなくなったら、隣国様も、もう取引してくださらねえ…」
「また、あの飢えた日々に逆戻りだ…」
集まっていた村長たちも、顔面蒼白だ。
数日前に手にした報酬が、まるで幻だったかのように。
「黙りなさい、ハンス!」
私は、机を叩いて、その弱気を一喝した。
「まだ、終わったわけではないわ!」
「『干し芋』と『岩塩』の生産ラインは生きている!」
「しかし、イアナ嬢」
私とは対照的に、どこまでも冷静な声が、横から飛んできた。
ルークだ。
彼は、すでに帳簿を広げ、猛烈な勢いで羽ペンを走らせていた。
「事態は、あなたが思っている以上に、深刻です」
「何よ」
私は、その冷たい声に、苛立ちを隠せない。
ルークは、帳簿の一点を、指先で叩いた。
「これが、直近三日間の、我が領地(・・・)の収支報告です」
いつの間にか、彼の中で、この領地は「君の領地」から「我々の領地」に変わっていた。
「見なさい」
「総利益のうち、実に、七割が『荒くれポテト』によるものだ」
「……!」
それは、私が薄々感づいていた、しかし、認めたくなかった数字だった。
「『干し芋』と『岩塩』の利益は、主に、領民への『賃金』と『食料(現物支給)』に回っている」
「だが、この領地の『未来』に投資するための、純粋な『資金(キャッシュ)』は」
ルークは、私をまっすぐに見据えた。
「すべて、あの『芋クズ(ポテトチップス)』が、稼ぎ出していた」
「……」
「『塩の道』の第二次拡張工事。明日から、石畳の敷設が始まる予定だった」
「その、石材の購入費用。払えますか?」
「…」
「あなたが計画していた『薬草園』の開墾。そのための、専門家の雇用費用」
「『ウォルトン・リネン』開発のための、織機(しょっき)の試作機」
ルークは、淡々と、私の「夢」を、一つずつ、指差しては、線を引いて消していく。
「すべて、停止だ」
「あの『油』の供給ラインが断たれた瞬間、我々の領地の『成長』は、完全に止まった」
「そ…そんな…」
ハンスが、息を呑む。
「我々の手元に残された『資金』は」
ルークは、最後の計算を終えると、羽ペンを置いた。
「領民全員の食料を、あと十日、食いつなぐ分」
「それだけだ」
「じゅ、十日…」
「十日後には、資金は底をつく」
「我々は、破産(・・)です」
「ふざけないで!」
私は、叫んだ。
「あの馬鹿王子が! 自分の嫉妬で! 偶然、やったことなのよ!」
「あいつは、わたくしたちの本当の『弱点(アキレス腱)』が、油だったなんて、知るはずもない!」
「結果は同じです」
ルークは、冷酷に告げる。
「偶然だろうが、必然だろうが、経営者が、単一の供給ラインに、事業の生命線を依存していた」
「あなたの、経営(マネジメント)の失敗だ」
「ぐっ…!」
私は、言葉に詰まる。
正論だったからだ。
「イアナ様!」
そこへ、別の村人が、慌てた様子で駆け込んできた。
「『干し芋』の作業班が、手を止めて…!」
「『もう、やめだ』と…!」
「何ですって!?」
「『どうせ、王子様に逆らっても無駄なんだ』と!」
「『悪役令嬢様(イアナさま)に従ってたら、俺たちまで反逆罪にされちまう』って…!」
「(!)」
私の胸が、氷水で殴られたように、冷たくなった。
資金(カネ)じゃない。
それより先に、領民の『心』が、折れたのだ。
「(馬鹿な…!)」
(あんなに、生き生きと働き始めたのに!)
(たった一度の、王家の『脅し』で、元の『諦め』に戻ってしまうの!?)
「ハンス!」
私は、へたり込む代官の胸ぐらを掴んだ。
「あなたは、どうなの! あなたも、諦めるの!?」
「ひっ…」
ハンスは、震えるばかりで、私と目を合わせようとしない。
「だ、だって、イアナ様…相手は、近衛騎士団でございますぞ…」
「我ら、田舎の領民に、何が…」
(…もう、ダメだ)
領民(かれら)は、もう、私を信じていない。
「奇跡の令嬢」から、一転して「疫病神」になったのだ。
「…ルーク」
私は、ハンスを突き放し、静かに、隣に立つ男に尋ねた。
「…何です」
「あなたも、諦めるの?」
「あなたは『監視役』だものね。『査定失敗、領地没収』とでも、報告書を書いて、王都に帰る?」
ルークは、しばらく、何も答えなかった。
彼は、ただ、窓の外の、道を塞ぐ近衛騎士団の旗を、無表情に眺めていた。
そして、ゆっくりと、私に向き直る。
「…帰りませんよ」
「私は、アルベルト王子の、あの『私的』な命令を、国王陛下の『勅命』より優先させる、あの騎士団長を、許すつもりはない」
「それに」
「それに?」
「…私の『計算』が、こんな『偶然』で、破綻させられるのは、性に合わん」
「(…ふふ)」
思わず、笑いが漏れた。
「そうよね。あなた、そういう男だわ」
「ですが、イアナ嬢」
ルークの声が、再び冷たさを取り戻す。
「現状、打つ手がない。油は、ない」
「そうね。南からは、買えない」
私は、広げっぱなしの地図に、目を落とした。
「東の隣国(ガリア)も、油の産地じゃない」
「…」
「北は、未開の森と山」
「西も、山」
「八方塞がり、ですね」
ルークが、皮肉を込めて言った。
「…本当に、そうかしら」
私は、地図の「北の森」を、指でなぞった。
「…何が言いたい」
「わたくし、ここに来る前に、この領地の古い資料を、王都の書庫で読み漁ったわ」
「この北の森には、大量の『クルミの木』が自生している、と」
「クルミ…? まさか」
ルークの目が、わずかに見開かれた。
「ええ」
「領民たちは、食料にもならず、薪(まき)としても使いにくい『油っぽい木』と呼んで、誰も近づかない、と」
「…正気か、イアナ」
ルークが、初めて、私の名を呼んだ。
「クルミから、油を? 圧搾機は、どうする。精製技術は?」
「知らないわよ、そんなもの!」
私は、地図を丸めて、拳で叩いた。
「でも!」
「『ない』なら『作る』しかないでしょう!」
「『買えない』なら『生み出す』しかないのよ!」
私は、呆然とするハンスと、目を見開くルークを、交互に睨みつけた。
「(ここで諦める私じゃないわ!)」
「ハンス! 今すぐ、動ける男たちを集めなさい!」
「これより、北の森へ『クルミ』の採集に向かう!」
「ルーク! あなたは、この領地にある、すべての『鍛冶屋』と『大工』をリストアップして!」
「人類最古の『圧搾機』を、今から、わたくしたちの手で、再現するのよ!」
私の、狂気とも言える宣言に、ハンスは「ひぃっ」と声を上げた。
だが、ルークだけは。
ルーク・アイゼンだけは、その氷のような瞳の奥に、ほんのかすかな『熱』を宿して、ニヤリと、笑った気がした。
「…面白くなってきた」
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