4 / 25
第2章
イベ、第一弾!
しおりを挟む
「一時はどうなるかと思ったけど、物語通り進んでくれてよかったわ」
バラ園のことから数日が経ったが、あれから物語通りに進んでいるようで、特にこれといったイベも発生させてないが、上手くいっているようで何よりだ。
さて、もう直ぐかしら。
ここら辺からは、悪役令嬢、つまり私がそろそろ動き始める時期だ。
最初は、二人がいい雰囲気になったところをぶち壊すところから。
まあ、いじめなんてしないけど!
ただ、一つ問題が発生していた。
「表面上は物語通りいってるけど、事故チューとか、そういうイベントが全く発生してないのよねえ…」
本来であれば、イチャイチャイベントが、最初にこれでもかというほど発生して、どんどん二人が近づいていく…のだが。
イベも発生しなけりゃ、ラブラブにもなってない。
必要以上に接触したり、まして、手を繋いだりもしていない。
ああもう!どうなってんのよ!
最初の出会いは、私がやらかしたとはいえ、順調だった。
一体、どこから曲がってしまったんだろう……?
そう考えるも、答えなんか出るはずもなく。
「こうなったら、私がイベを発生させてやるわよ!」
結局は、当初の目的通り、自分がイベを発生させるという考えに落ち着くのだった。
❄︎ ❄︎ ❄︎ ❄︎ ❄︎
「まずは、少女漫画中でもベタな、曲がり角でぶつかっちゃうやつよ!」
これは、ドキ胸の最初の方、結構序盤にあったイベだ。
一年と三年の階は違うけど、食堂は一年と同じフロアにある。
王族専用の食堂に行くのにも、こっちから行くことの方が多い。
発生の仕方は簡単。曲がり角の近くでユリアと待ち合わせをし、ドキ胸ガチ勢の私の勘を持ってして、ルークが来そうなタイミングにユリアとぶつからせる。
「お姉様ー!」
期待に目をキラキラさせながら、こっちを見てくるユリア。
…何をそんなに期待してるのかしら……?
まあ、今はなんでもいいか。とりあえず、イベの発生が最優先だ。
私の勘では、あと三秒後にルークが階段近くの曲がり角から出てくるわ。
「では、行きましょう」
「はーい、お姉様!」
行くわよ!三、二、一…!
「きゃっ……」
「……!」
うん、いいタイミングだわ!バッチリ!
うしろでぶつかった音がする。同時に、ルークの驚いた声も。
見たか!これがドキ胸ガチ勢(だった)の勘よ!
「ご、ごめんなさい!ちゃんと周りを見てなくてっ…」
「いや、気にしなくていい。こちらにも落ち度があった」
ルークがすっと手を差し出し、ユリアの手を掴んで立たせる。
そうそう。そこから…
「では」
「はい、ごめんなさい!ありがとうございましたっ」
…えっ?
いや、ちょっと待ってよ。
そこは、ユリアが、もうちょっとそばにいたいのに…とか思って、一緒に食事をしようと誘うシーンでしょ……!?
で、恥ずかしそうにしながらも誘ってきてくれるユリアを見て、ルークがきゅんとしちゃうシーンだったよ!
恋に墜ちちゃうこと絶対のイベだったのに!
何あっさりイベ終わらせちゃってんの!?
「お姉様、すみません。お待たせしてしまいました」
「い、いいのよ。気にしないで。それでは、行きましょうか」
「はい!」
…これくらいじゃ、恋に墜ちないのね。
そんなに上手くはいかないか。
……わかったわ。
もっとイチャイチャイベントを発生させてあげようじゃないの…!!
悪役令嬢になんてならないように、かつ、ユリアがルークに恋に堕ちるようにすればいいのよね?
…なんかだんだん自信なくなってきたわ……
バラ園のことから数日が経ったが、あれから物語通りに進んでいるようで、特にこれといったイベも発生させてないが、上手くいっているようで何よりだ。
さて、もう直ぐかしら。
ここら辺からは、悪役令嬢、つまり私がそろそろ動き始める時期だ。
最初は、二人がいい雰囲気になったところをぶち壊すところから。
まあ、いじめなんてしないけど!
ただ、一つ問題が発生していた。
「表面上は物語通りいってるけど、事故チューとか、そういうイベントが全く発生してないのよねえ…」
本来であれば、イチャイチャイベントが、最初にこれでもかというほど発生して、どんどん二人が近づいていく…のだが。
イベも発生しなけりゃ、ラブラブにもなってない。
必要以上に接触したり、まして、手を繋いだりもしていない。
ああもう!どうなってんのよ!
最初の出会いは、私がやらかしたとはいえ、順調だった。
一体、どこから曲がってしまったんだろう……?
そう考えるも、答えなんか出るはずもなく。
「こうなったら、私がイベを発生させてやるわよ!」
結局は、当初の目的通り、自分がイベを発生させるという考えに落ち着くのだった。
❄︎ ❄︎ ❄︎ ❄︎ ❄︎
「まずは、少女漫画中でもベタな、曲がり角でぶつかっちゃうやつよ!」
これは、ドキ胸の最初の方、結構序盤にあったイベだ。
一年と三年の階は違うけど、食堂は一年と同じフロアにある。
王族専用の食堂に行くのにも、こっちから行くことの方が多い。
発生の仕方は簡単。曲がり角の近くでユリアと待ち合わせをし、ドキ胸ガチ勢の私の勘を持ってして、ルークが来そうなタイミングにユリアとぶつからせる。
「お姉様ー!」
期待に目をキラキラさせながら、こっちを見てくるユリア。
…何をそんなに期待してるのかしら……?
まあ、今はなんでもいいか。とりあえず、イベの発生が最優先だ。
私の勘では、あと三秒後にルークが階段近くの曲がり角から出てくるわ。
「では、行きましょう」
「はーい、お姉様!」
行くわよ!三、二、一…!
「きゃっ……」
「……!」
うん、いいタイミングだわ!バッチリ!
うしろでぶつかった音がする。同時に、ルークの驚いた声も。
見たか!これがドキ胸ガチ勢(だった)の勘よ!
「ご、ごめんなさい!ちゃんと周りを見てなくてっ…」
「いや、気にしなくていい。こちらにも落ち度があった」
ルークがすっと手を差し出し、ユリアの手を掴んで立たせる。
そうそう。そこから…
「では」
「はい、ごめんなさい!ありがとうございましたっ」
…えっ?
いや、ちょっと待ってよ。
そこは、ユリアが、もうちょっとそばにいたいのに…とか思って、一緒に食事をしようと誘うシーンでしょ……!?
で、恥ずかしそうにしながらも誘ってきてくれるユリアを見て、ルークがきゅんとしちゃうシーンだったよ!
恋に墜ちちゃうこと絶対のイベだったのに!
何あっさりイベ終わらせちゃってんの!?
「お姉様、すみません。お待たせしてしまいました」
「い、いいのよ。気にしないで。それでは、行きましょうか」
「はい!」
…これくらいじゃ、恋に墜ちないのね。
そんなに上手くはいかないか。
……わかったわ。
もっとイチャイチャイベントを発生させてあげようじゃないの…!!
悪役令嬢になんてならないように、かつ、ユリアがルークに恋に堕ちるようにすればいいのよね?
…なんかだんだん自信なくなってきたわ……
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
87
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる