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第6章

毒塗りの手すり…!?

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…翌日。

「ふぁ~…よく寝たぁ……」

と、眠い目を擦りながら起き上がると。

「おはよ!ルシア!」
「……へっ!?」

目の前には、ベッドの端に座りながらこちらを見ているヨミがいた。
え、いや、なんでここにヨミがいるの!?

も、もしかしてまだ夢の中とか…?!

「寝起きのルシアも可愛いね」
「……」

よくもまあそんな恥ずかしいセリフをペラペラと…

「…いひゃい」

試しにほっぺをつねってみると、普通に痛かった。
やっぱり夢じゃなかったかぁ…

「ふふっ…寝ぼけてるの?」
「…なんでヨミがここに?」
「いや、この屋敷の東側の階段は使わないでねって言いに来たの」
「こんな早くに?」

朝と言っても、まだ窓から見える外は薄暗い。

「うん。ユリアが起きる前に言っときたかったから」
「ユリアが起きる、前…??」

なんでだろう…確か東側ってユリアの部屋の前にある階段……

そこまで考えて、ふとある結論にいきつく。

「もしかして、手すりに……」
「毒を塗ったよ!」
「……」

語尾にハートでもつきそうなテンションで言われ、くらっと目眩がする。

「ヨミ…」
「ん?大丈夫だよ?ちゃんとバレないようにしてあるから」
「……」

だから、そういう問題じゃないってば!
朝から物騒なことを言っているヨミに、内心、突っ込む。

おやすみ、と言って部屋を出ていくヨミ。
いや、二度寝できるか!

だいたい、この時間ならいつも起きてますーっ!!

❄︎ ❄︎ ❄︎ ❄︎ ❄︎ 

「わっ、お姉様、おはようございます…!」
「…おはよう」

空が明るくなってきた頃、私はユリアが起きてくるのをユリアの部屋の前で待っていた。
もちろん、東側の階段を使わせないために。
突然のお出迎えに、ユリアは目をぱちくりしている。

「あの、なぜお姉様がここに…?」
「…私もちょうど起きたから、一緒に行こうと思って」
「そうなんですか…?」

半信半疑ながらも、ユリアはニコッと笑った。

「じゃあ、一緒にいきましょう!今日の朝ごはんはなんでしょうか?」

そう言いながら歩き出したユリアを慌てて止める。

「あっ、ユリア。ちょっと待って。今日はこちらから行かない?」
「え?そっちですか?こっちの方が近いと思いますけど…」
「た、たまにはいいじゃない!」
「そうですか?お姉様がおっしゃるなら…」

すんごく怪しんでる……
もともと私は嘘をつくのが得意な方ではないから、ボロが出ないうちに移動しちゃいたい。

リビングに着くと、そこにはすでにヨミがいた。
ヨミは本当に神出鬼没だな!ドキ胸のルシアか!

「おはようございます、ランスロット伯爵」
「あぁ、おはよう…」

ユリアが丁寧に挨拶をしている間、ヨミは私に戸惑い気味な視線を送る。
なぜ一緒に西側の階段から来たのかと、そう言ってる。

「おはよう、ヨミ」

本日、二度目の挨拶。

「おはよう!」

戸惑いながらも、相変わらず私の前では子犬みたいに目を輝かせている。
連休も、明日で最後。

何事もなく終わればいいけど……。

まあ、無理か…
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