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第7章

臨時の先生?

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連休最後の日。

「ルシア!明日は楽しみにしててねっ!」
「え?うん……」

と、よくわからないことを言い残し、帰っていった。
明日?明日って何かあったかなぁ……。

❄︎ ❄︎ ❄︎ ❄︎ ❄︎

「臨時の先生?」
「そう!英語の先生の代わりですって!」

登校してきた私に話しかけてきたのは、ローズだった。
朝から可愛らしい笑顔を振りまいている。

英語の先生は今日から産休で休みになるらしい。
この世界にも、産休ってあるんだ…

そんなことを考えていると、ふと昨日のヨミの意味深な言葉が脳裏を過ぎる。
いや、まさか…ねえ?

「席につきなさい。本日は、英語の先生の休みの間に臨時として来てくれた先生を紹介する。…入ってください」
「失礼します」

先生に紹介され教室に入ってきた先生は、透明感のある金髪に深紫色の瞳を持つーー

「ごきげんよう皆さん。英語を臨時で担当します、ヨミ・ランスと申します。短い間ですが、よろしくお願いします」

よ、ヨミーーー!!!!

周りの子はイケメンの先生が来たとあって、ざわざわしている。そこかしこから黄色い悲鳴が聞こえてくる。この時は私も一緒に叫び出したくなった。

なんでここにいんのよおぉぉぉぉぉおお!!!

そんな心の叫びを知らないヨミは、私を見つけると、キラッキラのスマイルを向けてくる。

しかも『ランス』って!ヨミの本当の名前は『ランスロット』でしょー!!
それで偽名とか思っちゃってる?全然ごまかせてないからぁ!

と心の中でひたすら叫んでいると、いつのまにかHR は終わっていた。

「ヨミ…ちょっと」
「何かな?ルシア殿」
「……」

それは何か?先生モードですか??
廊下で問いただそうかと思ったが、人が多すぎる。だから、

「なんのつもり?」

とりあえず空き教室に入り、ヨミを問い詰めてみる。

「なんのつもりって…ルシアが心配だったんだもん」

もんて。子供か。普通にかわいいわ。

「心配…?」
「うん。ユリアにいじめられてないかなって……」
「は?私が、いじめ…?」

私が、ユリアをいじめるんじゃなくて?

「何言ってるの?ヨミ。三年と一年では階も違うのよ?」
「だって、ルシアがユリアのことが好きとか言うし」
「うん」
「僕がいない間に洗脳されちゃったんでしょ?」

まだ言うか。

「違うって言ってるじゃない」
「……」
「私は正真正銘ユリアが好きよ?」

じっと私を見つめたままヨミは何かを考えている。

「…わかった」
「本当?!」

おぉ!わかってくれましたか!
さすが私が登場させたキャラ!!

「でも、どうしてもルシアが心配。それに、ユリアのことも信用できないから、僕は好きになれない。この仕事も、引き受けたからにはやり通さなきゃだし」

うーん…わかってるような、わかってないような……?
まあ、いっか……

「じゃあ、行こう」
「うん…」

一抹の不安を覚えながら、ヨミに押されがら教室から出る。

いや、もーほんっとにごめん。
ヨミに対して、謝罪の言葉しか出てこないよ。

せめて…私がヨミの破滅フラグ、もとい悪役フラグを折ってみせるから。

「急がないと……」
「ん?なんか言った?ヨミ」
「ううん、なんでもないよ」

ヨミが何か言ったが、よく聞き取れず問い返せば、うまくはぐらかされてしまった。

「そう?なんでもないならいいんだけど…」

その時のヨミは、何かに焦っている感じがした。
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