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過去への旅立ち

過去への戻り方とは。

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前回のあらすじ
昔のライトとムーンがまるで反対の性格で、見とれていたが、今過去に居ることを再度自覚する。

うん。そうだよね。今ここ過去じゃん。近所の子供観察しているみたいな感覚だったわ。だけど、よく分からない穴を通ってきたから、どう帰ればいいか分からないし、
「一応確認したんだが、俺達が通ってきた穴は無くなってたぞ。」
うーん、ますます分からなくなってきた、誰かの仕業でここに来たのか、それともたまたまなのか、
「えと…過去で何かをしたら…戻ってこれる…かも…」
「それ本当!?」
「わ、分からないけど…多分…」
「まー、それがお決まりだろうな。」
だけど、やれる事は全部やらないとな、と全員思った。
その瞬間、目の前が急に明るくなり、全員目を瞑った時だった。
目を開けると別の場所に居た。さっき居た所とは違い、街の中のような所だった。
「って、ボーッとしてる暇は無い!ここが街の中だったら、街に住んでる奴らに見つかったらヤバいぞ!」
と、ムーンが言って、皆ははっとして、街中の茂みに隠れた。正直、よく見たらバレそうだが、そんな事を思っている時に、過去のライトが前を通り掛かった。
「はぁ…お父様…なんで別種族の子と遊んだらダメなんだろ、ムーン君にもこの事を伝えないと、」
と言っていた。時間的には、あの遊んでた時とは少し時間が経った頃くらいかな。すると、星輝もやって来た。
「おいライト~。別にあの死神なら1人で生きていけそうだからそんなに気にしなくてもいいだろ~?」
「お兄ちゃんは何にも分かってない!!お兄ちゃんはもう大人になるだろうけど、私達はまだ子供で、少しの事でも辛いんだからね!」
「ご、ごめんよ、」
昔のライトはあんなに気が強かったのに、なんで今はあんなにビクビクしてる性格になってるんだろう、と私は不思議に思った。そして、また目の前が光に包まれた。
次目を開けると、既に草むらの中に居た。そして、周りを見渡すと、昔のライトと昔のムーンが会って話をしていた。
「ライトちゃん、もう会えなくなるの?」
「うん、お父様が、「別の種族の奴と関わるな!しかも死神となんて、絶対に縁を切りなさい!」って言われて、それで、」
「ッ…しょ、しょうがないよね!僕、死神だもんね!、うん、大丈夫だよ。うん…大丈夫。」
昔のムーンの目には、涙が溢れんばかりにでていた。そして、昔のムーンは魔界に帰って行った。昔のライトも、しばらくその場で俯いていた。
「…ムーンさんって、昔はこんな感じだったんですね。」
ユーリが少し悲しそうに口を開く。
「…あぁ。昔の俺は、本当に弱かったよ。自分でも嫌気がさすくらいにな。」
その場の全員が俯いた。すると、また目の前は光で包まれ、目を開けると、

街では戦争が起こっていた。

次回へ続く…
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