ストーカーしていいですか?

なごみ

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思いっきり、なじられて

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翌日もいつものコンビニで待ち伏せをし、彼のあとをつけた。


いつまでもこんなことしてないで、ちゃんと話しかけなきゃ。



だけど、なんて?



 少しは気づいて欲しいという気持ちが高じたせいで、近づきすぎてしまったらしい。




「なに?  なんか用?」



突然立ち止まり振り向いた彼は、怪訝な顔でわたしを見つめた。


「あ、あの、え、えっと、その、、ご、ごめんなさい!」



しどろもどろになって、うなだれる。


どうしよう……怒らせてしまったみたい。




「昨日もつけてただろう。ストーカーかよ!」


恐い顔でなじられて身がすくんだ。



 昨日から気づかれてたなんて……。



気味の悪い女だって思われていたんだ。



あまりに悲しくて思わず泣きそうになる。



 「ごめんなさい。素直に言えなくて。お友達になりたかったんです。でももうやめます。本当にごめんなさい!」



 頭を下げて謝り、惨めな気持ちで来た道を戻る。



 「待てよ、この間コンビニで小銭を落とした子だろう?」



  覚えていてくれたんだ。



 さっきより少し優しい口調で話しかけられたら、溢れかけていた涙がポロリとこぼれた。



「な、、泣くなよ。別に怒ってるわけじゃないんだ。お、俺、女の子にストーカーされるなんて初めてだから」



ちょっと照れたように頭をかきながら彼は笑った。



「明日、また会わないか?  いつものコンビニで」





ーENDー
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