2 / 6
奥多摩湖へ
しおりを挟む
星観測が好きだという智紀の趣味に付き合って、お盆休みの今日は奥多摩湖までやって来た。
今夜、ペルセウス座流星群が見られるという。
都内で星観測なんて嘘みたいだけれど、東京とは思えないくらい自然豊かで空気も澄んでいる奥多摩は、きれいな星空が見られるのだそう。
奥多摩湖まで都心から車で約2時間。
早めの夕食を済ませて6時に出発し、到着したのは午後8時を過ぎていた。
車を駐車場に停めて降りた途端、一斉に耳に飛び込んできた虫の声に驚く。
あたり一面の野原から、虫たちが奏でる涼やかな音色に心がなごんだ。
蒸し暑いはずのお盆の夏も、ここだと少し肌寒く感じるほどで、澄みきった空気がとても美味しい。
青く清々しい草の香りに、思わず両手を広げて深呼吸をした。
智紀と一緒に座る場所を探し、持参したレジャーシートを広げる。
二人並んで腰を下ろし、すぐに手をつないだ。
星観測をしているのは私たちだけじゃなく、何組かのカップルや親子連れもいたけれど、こんな暗がりの外は慣れなくて、やっぱり少し怖かった。
智紀は同じ大学のふたつ先輩。テニスサークルで知り合って、つきあい始めて一年になる。
「ねぇ、智紀はUFOって信じる?」
満点の星空を見つめ、ふと思い浮かんだことを聞いた。
「UFOかぁ。あると思うけど。 美月はどうなの? 」
「そうね、なんとなくだけど、あると思う」
こんな大自然の中にいると、そんな非現実的なことが起こっても、驚かないような気がした。
「宇宙人の存在なら絶対だな」
智紀はまるで確信でもしているかのように答えた。
ーーー宇宙人。
智紀って意外と子供っぽいかも。
いつまでも少年の心を失ってないと言うべきか。
「宇宙人ってさ、やっぱり可笑しな顔をしているのかな? 頭は私たちよりも良さそうね」
「どうかな? 見た目は僕たちとそんなに変わらないんじゃないかな。星の数だけ太陽系のような惑星があってさ、その地球みたいなところで宇宙人も暮らしているような気がする」
「えーっ、星の数だけって、そんなに?」
「もちろん、想像だよ。なんの根拠もないけどね。なんとなくみんな、そこでいろんな経験をして、楽しんだり、悩んだりしてるんじゃないかなって」
そんなこと考えたこともなかった。
今夜、ペルセウス座流星群が見られるという。
都内で星観測なんて嘘みたいだけれど、東京とは思えないくらい自然豊かで空気も澄んでいる奥多摩は、きれいな星空が見られるのだそう。
奥多摩湖まで都心から車で約2時間。
早めの夕食を済ませて6時に出発し、到着したのは午後8時を過ぎていた。
車を駐車場に停めて降りた途端、一斉に耳に飛び込んできた虫の声に驚く。
あたり一面の野原から、虫たちが奏でる涼やかな音色に心がなごんだ。
蒸し暑いはずのお盆の夏も、ここだと少し肌寒く感じるほどで、澄みきった空気がとても美味しい。
青く清々しい草の香りに、思わず両手を広げて深呼吸をした。
智紀と一緒に座る場所を探し、持参したレジャーシートを広げる。
二人並んで腰を下ろし、すぐに手をつないだ。
星観測をしているのは私たちだけじゃなく、何組かのカップルや親子連れもいたけれど、こんな暗がりの外は慣れなくて、やっぱり少し怖かった。
智紀は同じ大学のふたつ先輩。テニスサークルで知り合って、つきあい始めて一年になる。
「ねぇ、智紀はUFOって信じる?」
満点の星空を見つめ、ふと思い浮かんだことを聞いた。
「UFOかぁ。あると思うけど。 美月はどうなの? 」
「そうね、なんとなくだけど、あると思う」
こんな大自然の中にいると、そんな非現実的なことが起こっても、驚かないような気がした。
「宇宙人の存在なら絶対だな」
智紀はまるで確信でもしているかのように答えた。
ーーー宇宙人。
智紀って意外と子供っぽいかも。
いつまでも少年の心を失ってないと言うべきか。
「宇宙人ってさ、やっぱり可笑しな顔をしているのかな? 頭は私たちよりも良さそうね」
「どうかな? 見た目は僕たちとそんなに変わらないんじゃないかな。星の数だけ太陽系のような惑星があってさ、その地球みたいなところで宇宙人も暮らしているような気がする」
「えーっ、星の数だけって、そんなに?」
「もちろん、想像だよ。なんの根拠もないけどね。なんとなくみんな、そこでいろんな経験をして、楽しんだり、悩んだりしてるんじゃないかなって」
そんなこと考えたこともなかった。
0
あなたにおすすめの小説
悪役断罪?そもそも何かしましたか?
SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。
男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。
あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。
えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。
勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる