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ハル君の星を探して
しおりを挟む「そうね、きっとどこかで生きてるんだわ。ゆっくり休んだあとは、また退屈になって、もう新しいことに挑戦しているね」
「うん。だから、いつかまた会えるよ。必ずね。僕たちも次の段階に進めるように、この地球で頑張らないとな」
智紀が星空を見たくなったのは、こんな風にハル君と話がしたかったからかも知れない。
「ねぇ、ハル君の星を探さない? 見つけようよ、ハル君らしい星」
「いいね、それ。見上げるたびに、あいつに会えるような気がするな」
「どれにする? 私にでもすぐに見つけられそうな星にしてね」
「うーん、ハルらしい星かぁ」
しばらくの間、二人で星を探していた。
「ペルセウスがいいんじゃないかな? カシオペヤ座に近いから、美月にも見つけられるだろ?」
智紀が星空を指さして言った。
「えっ、ペルセウスってどれ? どこ?」
「カシオペヤ座のななめ下にあるんだけど、わかる?」
「えーっと、じゃあ、あれかな?」
なんとなく、それらしき星を指さした。
「ペルセウスはギリシャ神話の英雄でね、メドゥーサって言う恐ろしい妖怪を退治したことで有名だよ。そして、美しいアンドロメダ姫を妻にしたんだ」
「へー、ペルセウスってカッコイイのね。ハル君にピッタリじゃない」
ハル君は背が高くて、ビックリするようなイケメンで、モデルとしても十分にやっていけそうなほどの容姿とカリスマ性を備えていた。
彼の突然の死に多くのファンが涙し、悲嘆にくれた。
そして、その人柄と才能を心から惜しんだ。
「そうだな。あいつは本当にカッコよかった。見た目も生き方も」
「そういえば私たち今日はペルセウス座流星群を観に来てたのよね?」
「そういえばそうだったな。ペルセウス座流星群なら来年もまた見られるかもしれない」
「そうなの? じゃあ、また来年も来ようよ。ハル君が見せてくれる流星群なんだからさ」
「うん、そうだな」
「わっ、大きな流星!!」
まるで私たちの会話を聞いていたかのように、美しい流星が長い弧を描いて南西の空へと流れていった。
ハル君………
私たち、いつかきっとまた逢えるよね。
そんな日が必ず訪れますようにと、流れる星々に祈った。
ペルセウス座を見つめ語りかける。
ハル君、たくさんの幸せな思い出をありがとう。
ーENDー
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