Haruの星を探して

なごみ

文字の大きさ
6 / 6

ハル君の星を探して

しおりを挟む


「そうね、きっとどこかで生きてるんだわ。ゆっくり休んだあとは、また退屈になって、もう新しいことに挑戦しているね」


「うん。だから、いつかまた会えるよ。必ずね。僕たちも次の段階に進めるように、この地球で頑張らないとな」


智紀が星空を見たくなったのは、こんな風にハル君と話がしたかったからかも知れない。


「ねぇ、ハル君の星を探さない? 見つけようよ、ハル君らしい星」


「いいね、それ。見上げるたびに、あいつに会えるような気がするな」


「どれにする?  私にでもすぐに見つけられそうな星にしてね」


「うーん、ハルらしい星かぁ」


しばらくの間、二人で星を探していた。



「ペルセウスがいいんじゃないかな? カシオペヤ座に近いから、美月にも見つけられるだろ?」


智紀が星空を指さして言った。


「えっ、ペルセウスってどれ? どこ?」


「カシオペヤ座のななめ下にあるんだけど、わかる?」


「えーっと、じゃあ、あれかな?」


なんとなく、それらしき星を指さした。


「ペルセウスはギリシャ神話の英雄でね、メドゥーサって言う恐ろしい妖怪を退治したことで有名だよ。そして、美しいアンドロメダ姫を妻にしたんだ」


「へー、ペルセウスってカッコイイのね。ハル君にピッタリじゃない」


ハル君は背が高くて、ビックリするようなイケメンで、モデルとしても十分にやっていけそうなほどの容姿とカリスマ性を備えていた。


彼の突然の死に多くのファンが涙し、悲嘆にくれた。


そして、その人柄と才能を心から惜しんだ。




「そうだな。あいつは本当にカッコよかった。見た目も生き方も」


「そういえば私たち今日はペルセウス座流星群を観に来てたのよね?」


「そういえばそうだったな。ペルセウス座流星群なら来年もまた見られるかもしれない」


「そうなの?  じゃあ、また来年も来ようよ。ハル君が見せてくれる流星群なんだからさ」


「うん、そうだな」


「わっ、大きな流星!!」


まるで私たちの会話を聞いていたかのように、美しい流星が長い弧を描いて南西の空へと流れていった。



ハル君………



私たち、いつかきっとまた逢えるよね。



そんな日が必ず訪れますようにと、流れる星々に祈った。



ペルセウス座を見つめ語りかける。



ハル君、たくさんの幸せな思い出をありがとう。







ーENDー









しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

No seek, no find.

優未
恋愛
経理部で働くアマラは結婚相手を探して行動を始める。いい出会いがないなと思う彼女に声をかけてきたのは、遊び人の噂もある騎士オーガスタで―――。

処理中です...