チートな親子と変な仲間たち

ais

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彼方への旅

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暗闇から辿り着いたのは水の中だった。
マリーは川に流れるようにオームスを漂う。黄金の川か海かは広さの概念が分からない。
自分の周辺100メートル程しか視界が無くその先は闇しかなかった。少年勇者によって得た鑑定能力で水はオームスだと分かる。


しばし過ぎここで漂うだけで何年たったのか理解が出来ない。

無貌の神が示した順路であると思うが人ならばここで死に果てているだろう時間が経過した。

ある時自然物から人口物のようなものが上空に過ぎて行く。マリーは自分の状況が曖昧で不確かで自分が存在しているか分からないぐらいオームスに揺れていた。

数年後、オームスの流れが緩くなりマリーはもうオームスが自分であるが広がる手足にやはり体があるのか混乱していた
空に輝く黄金の月に到達するとそれは泡のように弾けては止まり惑星のように大きくなったかと思えば靴で踏んだ事すら気付かない小石程の大きさになったり千差万別に形を変える。
声が聞こえる

[彼方より流れし娘よ何を知りたいか何を欲するか?]

黄金の声がこの世界の全てから聞こえる
教会の鐘のように高くなり響き声かも分からないがそう言われたとマリーは納得をした

その方は惑星のように大きく、そして小さく
泡のように、または沸騰した水のような黄金の容姿をしている
1秒に満たない時間で大きく小さくそこにあって、そこに無くなるを繰り返す
月や太陽のような大きい体が無くなっては小さくなるのは圧巻である

「この方が彼方の者様?」

マリーは声を出せた事に気づいた。
彼方の者に辿り着いてから時間感覚かおかしく千年を過ごしたように思えて実は昨日なのかもしれないその中でマリーは生物としての殻を無くしていると思ったからだ。

「私は彼方の者様を一目見たいと願って参りました。他には何ももう必要ありません。ここに辿り着くまでに多くを感じたと思います」

わずかだが彼方の者に喰われその体の一部で永遠を過ごそうかと考えたがこの方はそれを叶えないだろうと考えた

彼方の者はそれより言葉はなく
マリーはオームスに再び流れ彼方の者に別れを告げるように振り返ってゆっくりと目を閉じた。




目を開けたマリーはオーガストの苔むした城下町跡の瓦礫の上で寝ていた。体にはシダ植物のツタが絡まりどれほどかの年か経過しているのだろうかとマリーは好奇心を抱き人が住む方へと駆け出した。








ここで言うオームスは賢者の石と考えて書いています。
賢者の石を粉末にし清らかな水に混ぜたものと思って下さい

ヨグソトース最高
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