93 / 93
ハナコサン
しおりを挟む
朝礼にまさかのジョニー店長の身内が参上し、スタッフ達は驚きを隠せないのも束の間。
美幸が発したネイル導入宣言により、美容院『アンジェリ』のスタッフ一同は沸いていた。
これにやれやれと息を吐き捨てるジョニー店長であった。
「一先ず女子は全員営業時間終了後にネイルを受けて貰うからね」
このセリフに女性スタッフ全員が反応する。
「やったー!」
「よっしゃー!」
「嬉しいー!」
相当興奮していた。
特にクリスタルちゃんの喜びようが半端ない。
ガッツポーズを決めていたぐらいだ。
「おい美幸、ツケ爪やゴテゴテしたのは無しだぞ・・・」
「分かってるってー」
女性陣の反応を見てにやける美幸。
「ならいいけど・・・」
クロムウェルさんは一人置き去りだ、でもニコニコとしている。
見守っているのだろう、このメンバーにとっては頼れるおじさん?だしね。
「それにしてもジョニー店長に妹さんがいたんですね?」
シルビアちゃんにとっては意外らしい。
そんなに一人っ子オーラ出してたっけ俺?
「まあね、後ついでに言っておくけども、親父と美幸の娘の亜紀も後にやってくるだろう」
「そうなんですか?」
「ああ」
「美幸さんは娘さんが居らっしゃるんですね、そうは見えませんでした・・・」
シルビアちゃんが美幸をまじまじと見つめている。
「そう?」
「はい、お綺麗ですし、肌もピチピチですし」
「まあ、上手な子ねぇ」
美幸はシルビアちゃんの頭を撫でていた。
もうお姉さん気分だな。
にしても美幸もなかなかの処世術だな。
早くも馴染みだしてるよ・・・
「後日まつ毛パーマもするからよろしくね」
「まつ毛もパーマが可能なんですね・・・」
マリアンヌさんは不思議そうに美幸のまつ毛を眺めていた。
「興味あるでしょ?美容師さんならさあ?」
「はい!勿論です!」
「まあ、とは言っても施術用のチェアーが届いてからなんだけどね・・・」
「そのチェアーはどこに置くんですか?」
シルビアちゃんが割り込んでくる。
「それは着付け室よ、そこ以外にあるの?」
「「「「えっ!!!」」」」
全員が固まってしまった。
それはそうだろう、着付け室はスタッフ達にとっては危険な場所との認識なのだから。
人ならざる者がいる部屋、それが着付け室だ。
その人ならざる者の正体は・・・
「ん?何か問題があった?」
「美幸・・・あれだ・・・忘れたのか?お前?」
「ん?・・・ああー、ハナコサンかぁー・・・なるほど・・・」
そのワードにスタッフ全員の背筋が凍る。
そこにこの時間にしては珍しく、ライジングサン一行がお店にやってきた。
どうやらライゼルが美幸たちが来たことを言いふらした様子。
俺の身内に挨拶でもしようとでも思っているのだろう。
「ようジョニー!」
「おはよう」
「まだ眠いぜ・・・」
「お腹が減っただで・・・」
真面に挨拶をしたのはメイランだけだった。
リックとモリゾーはテンションの高いライゼルに巻き込まれたようだ。
眠そうに眼を擦っている。
「来たのか・・・お前ら・・・」
「おうよ!」
ライゼルはテンション高く、美幸をチラ見していた。
何やってんだかこいつは・・・
「へえー、あんたがジョニーの妹さんかい?」
欠伸を噛み殺しながらリックが前に出てくる。
「そうよ、あなたは?」
「俺はリックだ」
「あなたがリックね、確か夜の責任者さんよね?」
眼を細めてリックを品定めしている美幸。
「ああ、そうだ」
ウンウンと頷きながら美幸は更に眼を細めていた。
「ということはあなたがモリゾーね?」
今度はモリゾーに視線を向ける美幸。
「そうだで、おでの事を何で知ってるだ?」
「大体の事は兄貴から聞いてるからね」
「なるほどだで・・・」
「こちらはメイランね?」
「ええ、そうよ」
メイランは右手を差し出していた。
握り返す美幸。
「ドレッドが似合ってるわねー、あなた。良いわね」
「ウフフ・・・お気に入りなのよ」
髪に触れ、嬉しそうにしているメイラン。
一通り挨拶は済んだ模様。
さて、話を戻そうか・・・
「いずれにしても施術用のソファーは着付け室以外には置けないからな」
俺の発言にビクッと身体を震わすライジングサン一行。
「き・・・着付け室って・・・まさか・・・」
「いけないだで!」
「おいおいおい!」
「うっ!・・・」
メイランに至っては絶句していた。
「はあ?なにビビッてやがるんだ?お前ら?」
「だって・・・いるんだろ?」
「何が?」
「人ならざる者がさ・・・」
俺はきっちりとライゼルを見定める。
「そうだ!!!」
「ほれみろ!そんな存在がいる所になんて入れる訳あるか?それに着付け室にはジョニーしか入れない魔法がかかってるんだろ?」
「ああ、それかあ・・・解いたぞ・・・」
というか、そもそもそんな魔法なんて掛かっていないっての・・・
「何?」
たじろぐライゼル。
「これで誰でも入る事ができるぞ」
「とは言っても・・・」
「いるんでしょ?・・・」
「怖えよ・・・」
冷静沈着なクロムウェルさんまで顔を引き攣らせている。
うーん、もうちょっと引っ張ってみようかな?
俺は両手を組んで神妙な面持ちで語りかけた。
「人ならざる者・・・その名はハナコサン・・・」
「うう・・・」
「ほら、やっぱり・・・」
「妖怪かお化けの類か?」
口々に驚きつつも感想や疑問を述べていた。
「ハナコサンはな・・・俺の口からは言えないな・・・そうだよな?美幸?」
「なっ!」
「そんな・・・」
美幸が心得たと前に出てくる。
「そうよ・・・その存在についてはとてもじゃないけど、私や兄貴からは言えないわね・・・恐れ多いのよ・・・」
俺に倣って悪乗りを始める美幸。
「何なんだよいったい?・・・」
「ハナコサン・・・何とも言えない響き・・・」
「物の怪なのか?」
いつまでも怖がらせても仕方がないよな。
さてと・・・
俺はスルリと着付け室の前にやってきた。
振り返ってこう宣言した。
「お前達に・・・ハナコサンを紹介してやる・・・フフフ・・・」
これでもか!という程に悪い笑顔を振り撒いておいた。
全員が凍り付く。
モリゾーに至っては諤々と震えていた。
良い反応でございます!
俺は着付け室に入ると、ハナコサンの後頭部を掴む。
鷲掴みにすると扉へと向かう。
そして扉を少しだけ空けて、ひょっこりと顔を出して、皆がどんな表情を浮かべているのかを確認した。
息を飲む者・・・
顔を引き攣らせている者・・・
眼を両手で覆い隠している者・・・
両手を合わせて祈っている者・・・
そして、ほくそ笑む美幸・・・
扉から顔だけ出している俺にライゼルが問いかける。
その身体はブルブルと震えていた。
「ジョ・・・ジョニー・・・会わなきゃ駄目か?」
「フフフ・・・何を今更・・・」
「怖え・・・怖えよ・・・」
「さあ、ハナコサンとご対面だ!」
俺はハナコさんを俺の下から顔だけを覗かせる。
静寂が場を支配したのも束の間。
するとその生気の無い表情を見て、悲鳴が巻き起こった。
「ギャアーーー‼‼‼」
「無理!無理!無理!」
「人では無い!何かだで!!!」
「うわーーー‼‼‼出たーーー‼‼‼」
大騒ぎだ。
この様に声を堪えて大笑いする美幸。
太腿をバシバシと叩いている。
こいつも大人気ないねえ?まあ俺も変わらんか?
この反応を待ってましたよ!
でもこれは美容院あるあるだから許して欲しい。
そしてハナコサンを見て怖がるのもよく分かる。
だって日本でもハナコサンを見て驚く人が沢山いるからね。
それとなく机の上に置かれているのを見ると、ドキッとするもんなんだよね。
俺は慣れてしまったが、家族達はそうとはいかず。
始めてハナコサンを見た亜紀は大泣きしていたからな。
親父もドキッとしていたのを俺は見逃してないからね。
そして俺はフィナーレに取り掛かった。
身体をスクッと扉から出して、ハナコサンを両手に掲げる。
それを見て更なる大騒ぎが始まった。
「ギャアーーー‼‼‼」
「生首ぃーーー‼‼‼」
「呪わないでくれだでーーー!!!」
「助けてくれーーー‼‼‼」
膝から崩れ落ちる者。
身体を硬直している者。
余りの衝撃に我を見失う者。
全員がそのインパクトに驚愕していた。
そうハナコサンとは美容室のバックルームや着付け室には必須の、施術練習用の頭部のみのウィッグのことである。
見慣れない者には気持ち悪いの代名詞的なそれであった。
「ライゼル、受け取れ!」
俺はハナコサンをライゼルにポイっと放り投げる。
「いやぁぁぁあーーー‼‼‼」
全力で逃げるライゼル。
その様子を見て、俺と美幸は腹を抱えて笑っていた。
これが笑わずにいられますかっての!
いやー、やっと美容院のお決まりを果たすことが出来たよ。
長かったなー、にしても笑える!
ギャハハハ!!!
美幸が発したネイル導入宣言により、美容院『アンジェリ』のスタッフ一同は沸いていた。
これにやれやれと息を吐き捨てるジョニー店長であった。
「一先ず女子は全員営業時間終了後にネイルを受けて貰うからね」
このセリフに女性スタッフ全員が反応する。
「やったー!」
「よっしゃー!」
「嬉しいー!」
相当興奮していた。
特にクリスタルちゃんの喜びようが半端ない。
ガッツポーズを決めていたぐらいだ。
「おい美幸、ツケ爪やゴテゴテしたのは無しだぞ・・・」
「分かってるってー」
女性陣の反応を見てにやける美幸。
「ならいいけど・・・」
クロムウェルさんは一人置き去りだ、でもニコニコとしている。
見守っているのだろう、このメンバーにとっては頼れるおじさん?だしね。
「それにしてもジョニー店長に妹さんがいたんですね?」
シルビアちゃんにとっては意外らしい。
そんなに一人っ子オーラ出してたっけ俺?
「まあね、後ついでに言っておくけども、親父と美幸の娘の亜紀も後にやってくるだろう」
「そうなんですか?」
「ああ」
「美幸さんは娘さんが居らっしゃるんですね、そうは見えませんでした・・・」
シルビアちゃんが美幸をまじまじと見つめている。
「そう?」
「はい、お綺麗ですし、肌もピチピチですし」
「まあ、上手な子ねぇ」
美幸はシルビアちゃんの頭を撫でていた。
もうお姉さん気分だな。
にしても美幸もなかなかの処世術だな。
早くも馴染みだしてるよ・・・
「後日まつ毛パーマもするからよろしくね」
「まつ毛もパーマが可能なんですね・・・」
マリアンヌさんは不思議そうに美幸のまつ毛を眺めていた。
「興味あるでしょ?美容師さんならさあ?」
「はい!勿論です!」
「まあ、とは言っても施術用のチェアーが届いてからなんだけどね・・・」
「そのチェアーはどこに置くんですか?」
シルビアちゃんが割り込んでくる。
「それは着付け室よ、そこ以外にあるの?」
「「「「えっ!!!」」」」
全員が固まってしまった。
それはそうだろう、着付け室はスタッフ達にとっては危険な場所との認識なのだから。
人ならざる者がいる部屋、それが着付け室だ。
その人ならざる者の正体は・・・
「ん?何か問題があった?」
「美幸・・・あれだ・・・忘れたのか?お前?」
「ん?・・・ああー、ハナコサンかぁー・・・なるほど・・・」
そのワードにスタッフ全員の背筋が凍る。
そこにこの時間にしては珍しく、ライジングサン一行がお店にやってきた。
どうやらライゼルが美幸たちが来たことを言いふらした様子。
俺の身内に挨拶でもしようとでも思っているのだろう。
「ようジョニー!」
「おはよう」
「まだ眠いぜ・・・」
「お腹が減っただで・・・」
真面に挨拶をしたのはメイランだけだった。
リックとモリゾーはテンションの高いライゼルに巻き込まれたようだ。
眠そうに眼を擦っている。
「来たのか・・・お前ら・・・」
「おうよ!」
ライゼルはテンション高く、美幸をチラ見していた。
何やってんだかこいつは・・・
「へえー、あんたがジョニーの妹さんかい?」
欠伸を噛み殺しながらリックが前に出てくる。
「そうよ、あなたは?」
「俺はリックだ」
「あなたがリックね、確か夜の責任者さんよね?」
眼を細めてリックを品定めしている美幸。
「ああ、そうだ」
ウンウンと頷きながら美幸は更に眼を細めていた。
「ということはあなたがモリゾーね?」
今度はモリゾーに視線を向ける美幸。
「そうだで、おでの事を何で知ってるだ?」
「大体の事は兄貴から聞いてるからね」
「なるほどだで・・・」
「こちらはメイランね?」
「ええ、そうよ」
メイランは右手を差し出していた。
握り返す美幸。
「ドレッドが似合ってるわねー、あなた。良いわね」
「ウフフ・・・お気に入りなのよ」
髪に触れ、嬉しそうにしているメイラン。
一通り挨拶は済んだ模様。
さて、話を戻そうか・・・
「いずれにしても施術用のソファーは着付け室以外には置けないからな」
俺の発言にビクッと身体を震わすライジングサン一行。
「き・・・着付け室って・・・まさか・・・」
「いけないだで!」
「おいおいおい!」
「うっ!・・・」
メイランに至っては絶句していた。
「はあ?なにビビッてやがるんだ?お前ら?」
「だって・・・いるんだろ?」
「何が?」
「人ならざる者がさ・・・」
俺はきっちりとライゼルを見定める。
「そうだ!!!」
「ほれみろ!そんな存在がいる所になんて入れる訳あるか?それに着付け室にはジョニーしか入れない魔法がかかってるんだろ?」
「ああ、それかあ・・・解いたぞ・・・」
というか、そもそもそんな魔法なんて掛かっていないっての・・・
「何?」
たじろぐライゼル。
「これで誰でも入る事ができるぞ」
「とは言っても・・・」
「いるんでしょ?・・・」
「怖えよ・・・」
冷静沈着なクロムウェルさんまで顔を引き攣らせている。
うーん、もうちょっと引っ張ってみようかな?
俺は両手を組んで神妙な面持ちで語りかけた。
「人ならざる者・・・その名はハナコサン・・・」
「うう・・・」
「ほら、やっぱり・・・」
「妖怪かお化けの類か?」
口々に驚きつつも感想や疑問を述べていた。
「ハナコサンはな・・・俺の口からは言えないな・・・そうだよな?美幸?」
「なっ!」
「そんな・・・」
美幸が心得たと前に出てくる。
「そうよ・・・その存在についてはとてもじゃないけど、私や兄貴からは言えないわね・・・恐れ多いのよ・・・」
俺に倣って悪乗りを始める美幸。
「何なんだよいったい?・・・」
「ハナコサン・・・何とも言えない響き・・・」
「物の怪なのか?」
いつまでも怖がらせても仕方がないよな。
さてと・・・
俺はスルリと着付け室の前にやってきた。
振り返ってこう宣言した。
「お前達に・・・ハナコサンを紹介してやる・・・フフフ・・・」
これでもか!という程に悪い笑顔を振り撒いておいた。
全員が凍り付く。
モリゾーに至っては諤々と震えていた。
良い反応でございます!
俺は着付け室に入ると、ハナコサンの後頭部を掴む。
鷲掴みにすると扉へと向かう。
そして扉を少しだけ空けて、ひょっこりと顔を出して、皆がどんな表情を浮かべているのかを確認した。
息を飲む者・・・
顔を引き攣らせている者・・・
眼を両手で覆い隠している者・・・
両手を合わせて祈っている者・・・
そして、ほくそ笑む美幸・・・
扉から顔だけ出している俺にライゼルが問いかける。
その身体はブルブルと震えていた。
「ジョ・・・ジョニー・・・会わなきゃ駄目か?」
「フフフ・・・何を今更・・・」
「怖え・・・怖えよ・・・」
「さあ、ハナコサンとご対面だ!」
俺はハナコさんを俺の下から顔だけを覗かせる。
静寂が場を支配したのも束の間。
するとその生気の無い表情を見て、悲鳴が巻き起こった。
「ギャアーーー‼‼‼」
「無理!無理!無理!」
「人では無い!何かだで!!!」
「うわーーー‼‼‼出たーーー‼‼‼」
大騒ぎだ。
この様に声を堪えて大笑いする美幸。
太腿をバシバシと叩いている。
こいつも大人気ないねえ?まあ俺も変わらんか?
この反応を待ってましたよ!
でもこれは美容院あるあるだから許して欲しい。
そしてハナコサンを見て怖がるのもよく分かる。
だって日本でもハナコサンを見て驚く人が沢山いるからね。
それとなく机の上に置かれているのを見ると、ドキッとするもんなんだよね。
俺は慣れてしまったが、家族達はそうとはいかず。
始めてハナコサンを見た亜紀は大泣きしていたからな。
親父もドキッとしていたのを俺は見逃してないからね。
そして俺はフィナーレに取り掛かった。
身体をスクッと扉から出して、ハナコサンを両手に掲げる。
それを見て更なる大騒ぎが始まった。
「ギャアーーー‼‼‼」
「生首ぃーーー‼‼‼」
「呪わないでくれだでーーー!!!」
「助けてくれーーー‼‼‼」
膝から崩れ落ちる者。
身体を硬直している者。
余りの衝撃に我を見失う者。
全員がそのインパクトに驚愕していた。
そうハナコサンとは美容室のバックルームや着付け室には必須の、施術練習用の頭部のみのウィッグのことである。
見慣れない者には気持ち悪いの代名詞的なそれであった。
「ライゼル、受け取れ!」
俺はハナコサンをライゼルにポイっと放り投げる。
「いやぁぁぁあーーー‼‼‼」
全力で逃げるライゼル。
その様子を見て、俺と美幸は腹を抱えて笑っていた。
これが笑わずにいられますかっての!
いやー、やっと美容院のお決まりを果たすことが出来たよ。
長かったなー、にしても笑える!
ギャハハハ!!!
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
帰国した王子の受難
ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。
取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。
捨てた騎士と拾った魔術師
吉野屋
恋愛
貴族の庶子であるミリアムは、前世持ちである。冷遇されていたが政略でおっさん貴族の後妻落ちになる事を懸念して逃げ出した。実家では隠していたが、魔力にギフトと生活能力はあるので、王都に行き暮らす。優しくて美しい夫も出来て幸せな生活をしていたが、夫の兄の死で伯爵家を継いだ夫に捨てられてしまう。その後、王都に来る前に出会った男(その時は鳥だった)に再会して国を左右する陰謀に巻き込まれていく。
ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします
ランド犬
ファンタジー
異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは
――〈ホームセンター〉
壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。
気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。
拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?
犬の散歩中に異世界召喚されました
おばあ
ファンタジー
そろそろ定年後とか終活とか考えなきゃいけないというくらいの歳になって飼い犬と一緒に異世界とやらへ飛ばされました。
何勝手なことをしてくれてんだいと腹が立ちましたので好き勝手やらせてもらいます。
カミサマの許可はもらいました。
わたくしが社交界を騒がす『毒女』です~旦那様、この結婚は離婚約だったはずですが?
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
※完結しました。
離婚約――それは離婚を約束した結婚のこと。
王太子アルバートの婚約披露パーティーで目にあまる行動をした、社交界でも噂の毒女クラリスは、辺境伯ユージーンと結婚するようにと国王から命じられる。
アルバートの側にいたかったクラリスであるが、国王からの命令である以上、この結婚は断れない。
断れないのはユージーンも同じだったようで、二人は二年後の離婚を前提として結婚を受け入れた――はずなのだが。
毒女令嬢クラリスと女に縁のない辺境伯ユージーンの、離婚前提の結婚による空回り恋愛物語。
※以前、短編で書いたものを長編にしたものです。
※蛇が出てきますので、苦手な方はお気をつけください。
その狂犬戦士はお義兄様ですが、何か?
行枝ローザ
ファンタジー
美しき侯爵令嬢の側には、強面・高背・剛腕と揃った『狂犬戦士』と恐れられる偉丈夫がいる。
貧乏男爵家の五人兄弟末子が養子に入った魔力を誇る伯爵家で彼を待ち受けていたのは、五歳下の義妹と二歳上の義兄、そして王都随一の魔術後方支援警護兵たち。
元・家族の誰からも愛されなかった少年は、新しい家族から愛されることと癒されることを知って強くなる。
これは不遇な微魔力持ち魔剣士が凄惨な乳幼児期から幸福な少年期を経て、成長していく物語。
※見切り発車で書いていきます(通常運転。笑)
※エブリスタでも同時連載。2021/6/5よりカクヨムでも後追い連載しています。
※2021/9/15けっこう前に追いついて、カクヨムでも現在は同時掲載です。
異世界転移物語
月夜
ファンタジー
このところ、日本各地で謎の地震が頻発していた。そんなある日、都内の大学に通う僕(田所健太)は、地震が起こったときのために、部屋で非常持出袋を整理していた。すると、突然、めまいに襲われ、次に気づいたときは、深い森の中に迷い込んでいたのだ……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる