異世界美容院『ANGEL』

イタズ

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引きが強い?

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翌日。
ゴリオンズ親方が無遠慮にお店に入ってきた。
豪快に扉を開けている。
おい!壊れるだろうが!
ゆっくり開けてくれ、ゆっくり。
まだ新築だぞ!
親方は実に分かり易く額にねじり鉢巻きを巻いていた。
この世界でも大工は捻り鉢巻が定番なんだろうか?

「おうよ!ジョニー店長は何処だい!」
齢40歳ぐらいの偉丈夫だ。
大きな声を張り上げている。
引き締まった身体に、強面の顔が乗っかっていた。
まさかの白髪交じりの角刈りだった。
この世界にも角刈りがあったんだ・・・
ちょっと意外。

「ゴリオンズ親方ですか?ジョニーは私です」

「そうかい!伯爵から話は聞いた、で!その場所は何処でい?」
随分せっかちな性格の人だな。
話が早くて助かるのだけどね。
では早速行きましょうか。

「少々お待ち下さい」

「おうよ!」

「じゃあ任せるね、ちょっと外すよ」

「「「はい!」」」
シルビアちゃん達の返事が木霊する。
俺はジャケットを羽織って親方と店先にでた。

「ほう、この庭先は手入れが行き届いているな、いい仕事をしている」
ハハハ、ライゼルに聞かせてやりたいよ。

「この庭先は常連さんが手入れをしてくれてるんですよ」

「ほう、そうかい」
二人で肩を並べて向かいの雑種地の前に出た。

「ここですね」

「ふむ、ここがお前さんが引き取った国有地だな。なるほど・・・」
親方は雑種地を見渡していたかと思ったら、雑種地の中に足を踏み入れて、地面の硬さを確かめていた。
踵でガンガンと地面を蹴っている。
プロレス技で言うところのスタンピングだな。

「ここいらは地層が独特な地域でな、基礎を作るにも掘ってみないと分からねえ、社員寮兼宿屋と聞いちゃあいるが合っているかい?」

「はい、そうです」

「どれぐらいの部屋数で考えている?」

「それも相談しようかと思っていたところなんです。なにせ管理する人が一人しか確保出来ていないので」

「そうかい、でもあれだろ?クロムウェルの旦那がやるんだろ?」
クロムウェルさんをご存知の様子。
そうです、元第一執事のクロムウェルさんです。

「はい、その予定です。ただ正確にはまだお返事は頂けてないんですけどね」

「是非やらせてもらおう」
いきなり背後から返事を頂いた。
ビックリした!
いつの間にやら背後にクロムウェルさんらしき人物が立っていた。
心臓が飛び出すかと思ったぞ。
全然気配を感じませんでしたけど、まさか忍者では?

「旦那!いきなり背後を取るんじゃねえよ!胃袋が飛び出すかと思ったぞ!」
親方も同意見のようだった。

「ホホホ、これはすまんすまん」
クロムウェルさんは目を細めて喜んでいた。
これはワザとだな。
こういう脅かし方は身体によくありませんから控えて下さいよ。
と言いた処だが、まだ自己紹介もしてないんだよね。

「クロムウェルさんですね、俺はジョニーです。よろしくお願いします」
右手を差し出すと握り返してくれた。
その手は繊細で吸い付くような感触があった。
これは・・・仕事が出来る人の手だと俺の直感が告げる。
改めてクロムウェルさんを見てみた。
シルバーヘアーのオールバック。
恰好はギャバンさんと同じ様な執事服だった。
衣装が余りにマッチしている。
熟練の執事を想起させる。
柔和な顔に細身の体躯、誰からも好かれそうな人物であった。
その笑顔から少々悪戯っぽさも見受けられる。

「こちらこそよろしく、ギャバンから聞いていた通り、ジョニー店長は優秀なお方のようですな。お顔をみれば分かりますよ」
いやいやいや!もっと褒めてくれてもいいのですよ。
とは言えないな。
てかギャバンさん俺のことなんて説明しているの?
ちょっと気になるぞ。

「ちょうどよかった、クロムウェルの旦那、館の規模感について話していたんだがな。どうするよ?」

「ふむ、ジョニー店長はどうお考えかな?」

「そうですね、クロムウェルさん以外の人を雇う余裕は今の処ないので、一人で管理できる程度でいいかと」
あまり欲張るのもどうかと思うしね。
それに宿屋が大した売上になるとは思えない。
あくまでメインは社員寮だしね。
つまりクロムウェルさんの給料は『アンジェリ』から支払うという事だ。

「なるほど、そうなると宿の客室は10室程度が妥当かと」

「え!そんなにもですか?それに社員寮もありますよ?」
宿屋って意外にも雑務が多くて大変だと思うけどな・・・
掃除や洗濯、朝御飯や晩御飯だって料理しないといけない。
それを10部屋分って・・・
一部屋を二人で考えても20人だよ?
本当にいいのかい?

「ホホホ、社員寮で5名ぐらいと仮定して、何ら問題無いかと」
凄えなこの人、マジで?
都合25人分だよ?
管理運営については丸投げなんですよ?
こうなると宿屋からこの人の給料が払えてしまうのではなかろうか。
いや、それどころかしっかりと利益がでてしまうだろう。

「管理と運営については、俺や他のスタッフが手を貸す余裕はありませんよ?」

「もとよりそのつもりです」

「・・・分かりました」
どうやらスーパー執事が仲間に加わった様だ。
流石は元第一執事だな。
いるんだね、こんな出来る人がこの世界には。
助かりますね。



社員寮兼宿屋の工事着工が始まってから数日が経っていた。
結局どういった構造の、どういった建物にするのかはほとんど親方とクロムウェルさんに丸投げした。

着工前に家の従業員達には、
「伯爵からの褒美でお店の向かいに社員寮兼宿屋を建設する事になったから、よろしくね。社員寮に入寮するかどうかは任せるけど。出来れば使って欲しい。部屋等の希望があったらクロムウェルさんかゴリオンズ親方に伝えておくように」
と話をした処。

全員が口をパクパクとさせていた。
しまったな・・・突然の爆弾発言になってしまったみたいだ。
まさかこんなに驚かれるとは思ってもみなかったよ。

気を取り直したシルビアちゃんからは、
「寮ですか?住んでも宜しいので?・・・一泊のお値段はいくらでしょうか?」
耳を疑う質問をされてしまった。

「ん?お金は掛からないよ。社員の為の寮だからね。それに管理はクロムウェルさんがしてくれるから、何かと助かると思うよ」
マリアンヌさんが小さく手を挙げた。
随分と遠慮気味だ。

「あのう・・・クロムウェルさんって・・・伯爵の元第一執事のお方では?・・・」
へえ、よく知ってるね。

「そうみたいだね、でも本人も喜んで協力してくれているみたいだから、肩書とか気にしなくても良いと思うよ」
マリアンヌさんは本当ですか?という感じだった。
でもクリスタルちゃんは困った顔をしている。
気になったので聞いてみることにした。

「クリスタルちゃん、どうしたんだい?」

「実は・・・家には寝たきりの母が居まして・・・」

「じゃあ寮で一緒に住んじゃえば?俺は一向に構わないよ。それにクロムウェルさんなら介護も出来るんじゃないかな?」

「はあ・・・本当に宜しいのでしょうか?」

「大丈夫だと思うよ、なんなら直接聞いてみな。俺は構わないと言っていたと話してくれていいからさ」

「分かりました・・・」
少し明るい表情になったクリスタルちゃん。
にしてもそんな家庭環境にあったとは聞いていなかったな。
もっとコミュニケーションを取らなくてはいけない。
これは反省だな。
今度面談でもしようかな?

「ジョニー店長・・・待遇が良すぎませんか?」
シルビアちゃんはそう思うらしい。

「そうかい?俺はそうは思わないけどね」

「どうしてですか?」

「だってこれまではお店に通うのに時間が掛かっていた訳でしょ?その時間が今後は練習の時間に当てられるんだよ?こちらとしても3人には早くもっと戦力になって欲しからね。決して楽をさせる為ではないからさ」
いいや、本当は楽させてやりたいんですよ。
でもこうでも言わないと3人は納得しないだろうからさ。

「そうですか・・・分かりました」

「なるほど・・・」

「どうしましょうか・・・」
三者三様の反応をしていた。
もしかしてこの国には社員寮とかは無いのだろうか?
普通にあると思うのだが、間違ってる?
賃料を取っているのかもしれないね。
シルビアちゃんの反応を見る限り、そんな気がする。
おお、世知辛い・・・



営業中のお店に、血相を変えた親方がお店に飛び込んできた。
騒がしいったらありゃしないよ。
なんだ、なんだ。

「親方、どうしたんですか?」
親方は息も絶え絶えだ。

「ハア、ハア・・・ジョニー店長・・・ハア、ハア・・・あんた、なんて引きを持ってるんだ・・・飛んでも無い事になっちまったぞ・・・フウ・・・」
はい?なんのこと?

「いいから付いて来てくれ!」
問答無用で付いてこいという態度だ。
俺は今カットの最中なんですけど・・・
カットを受けている女性のお客さんが、大丈夫ですよと視線を投げかけてくる。

「すいません、ちょっと外しますね・・・」
軽く会釈して親方についていくことにした。
もうほんとに強引なんだから・・・



あれまあ・・・やっちまったな、これは・・・
俺の目の前にはシューシューと音を立てて、お湯が地面から噴き出ていた。
マジかよ、泉源かよ・・・

「な?えれえことになっちまったぞ!」
どうやら俺は一山当ててしまったらしい。
返って困るんだけど・・・
どうしようか?
温泉が湧き出ているのだが・・・
温泉は好きだよ。
でもさあ・・・俺の温泉ってことなのか?
そうなんでしょうねえ。
とんでもない事になってしまったよ。
伯爵に返そうかな?
今更駄目だよな・・・

「これは只の社員寮兼宿屋とはいきませんねえ」
後ろから話し掛けられた。
クロムウェルさんだ。
ちょっとだけビビったぞ。
くそぅ、まだ慣れないな。
したり顔のクロムウェルさんが泉源を眺めている。

「ですよね・・・どうしましょうか?」
俺は動揺を気合で押し込めた。
俺はビビッてない、俺はビビッてないぞ!

「フム、こうなると当初のプランを少々変更しなければなりませんね。親方、此処は社員寮兼温泉宿に変更しましょうかねえ」
やっぱりそうなるよね。
見て見ぬ振りは出来ないなと。
ほんとは見なかったことにしたい。

「そうするしかあるまい、でもよ、そうなるとクロムウェルの旦那だけでどうにかってのは無理がねえか?せっかくの温泉宿なんだ、部屋数は増やすべきなんじゃねえのか?」

「その方がいいでしょうねえ、どうします?ジョニー店長」
いきなりそんな事を言われてもさあ・・・判断に困るよ。
俺は温泉宿のオーナーになるってことなのか?
もういいよ・・・放置しよう・・・とはいかないんだろうけどさ・・・
あーもう!

「ちょっと考えさせて下さい・・・」
こう言うしかなかった。

「構わねえが早めに決断してくれよ、店長」
ですよねえー。

「着工してしまいましたからねえ」
はい、理解しています。

「分かりました・・・」
俺は浮足立った儘『アンジェリ』に帰っていった。



その後の営業時間終了後に、クロムウェルさんを含むスタッフ全員で会議が始まった。
賄いを食べながらの会議である。
因みに賄いの献立は、異世界野菜の野菜炒めにプラスバイソン肉、と語呂がいまいちな主菜と白米、味噌汁である。
野菜炒めは醤油ベースで味付けをして、味に深みを出す為にウ●イパーを使用している。
ウ●イパーは狡い、何でも中華っぽくなって旨くなる。
神調味料だよね。

「フム、美味しいですねえ。これもレシピを教えて貰いませんとねえ」
クロムウェルさんは社員寮兼温泉宿が完成したら、料理までやってくれることになっている。
さっきも俺の調理を横で見学していたしね。
クロムウェルさんは一通りの料理が出来るらしい。
流石は元第一執事だね。
ギャバンさんの師匠だけはある。

「クロムウェルさん、それはいいとして、どうします?何かお考えはありますか?」

「どうしましょうかねえ?温泉ともなれば、領民にとっては嬉しい娯楽となりますからねえ。放置とはいきませんねえ」
やっぱりか。
放置は駄目ですね。
はい、すいません。
面倒臭がった俺が間違っていました。
反省します。

「ジョニー店長はどうしたいんですか?」
シルビアちゃんからの質問だ。
既に泉源が掘り起こされたことは全スタッフには共有済だ。
というか、通りかかった人達が話題にしていた。
もう引くには引けなくなっている。
本音を言えば、勘弁して欲しい。
だってしつこい様だが、俺は只の美容師なんだからさ。
色々と手を拡げたくはないんだよ。
多角経営なんて望んでいない。
まだ美容院も1年経ってないんだって。
止めてくれよ。

「美容院の経営で手がいっぱいなんだよね、正直に言って手が周らないし、頭も周らないよ」

「ですよねー」
俺に同意のシルビアちゃん。

「何かいい案はないかな?」
マリアンヌさんが割り込んできた。

「ジョニー店長、いいですか?」

「どうぞ」

「家の旦那に手伝わせましょうか?」
なんで旦那さん?
有難い事は間違いないのだけども・・・

「いいのですか?」

「ええ、実は家の旦那はジョニー店長も知っての通り冒険者ギルドの教官なんですが、もう引退しようかなんて言ってるんです」
引退?そんな歳だったっけ?
もしかして髪結い亭主になるってか?
俺は認めないぞ。

「そうなんですか?」

「それに家の旦那は温泉が大好きなんです、絶対に喜ぶに決まっていますし」
おお!渡りに船とはこの事だな。
まさか身内にそんな存在がいようとは。
世の中上手く出来ていますね。
嬉しいですよ。
大いに結構です。

「ほう、それは心強い援軍ですねえ」
クロムウェルさんも喜んでいた。

「クロムウェルさんもそう思います?」

「はい、私は温泉には精通しておりませんしねえ」
温泉って、趣味の領域ですしね。
精通して無くてもいいですよ。
普通に・・・

「でも二人だけでって訳にもいかないんじゃないんですか?」

「そこはどうにかなるかもしれませんよ」
マリアンヌさんがツッコむ。

「ん?どうして?」

「家の旦那は温泉同好会に所属していますので、何人かに声を掛けられると思うんですよ」
マジか?
これは棚ぼたぼただな。
おまけのぼたが付いてきているぞ。
こうなれば、俺の必殺丸投げもできるんじゃないか?
面白くなって参りましたよ。
丸投げ大好きです!

「じゃあ、先ずは一度ご主人を連れてきて貰えませんか?」

「ええ、喜んで」
こうして簡単に話は纏まってしまった。
あのさあ、俺の戸惑いを返して欲しいよ。
一人でどぎまぎしたのは何だったんだい?
面倒臭がった俺が悪いのだが・・・

あれよ、あれよという間に、社員寮兼温泉宿の概要が決定した。
社員寮は主にクロムウェルさんが受け持ち、温泉宿はマリアンヌさんの旦那さんのポルナルドさんが受け持つことになった。
そして温泉同好会から三名が仲間に加わった。
おじさん二人とおばさん一人だ。
おじさんはレンメルさんとスクロージさん、おばさんはコレミロさんだ。
全員個性的な名前である。
覚えられるかちょっと心配だ・・・

温泉宿の構想も今後の運営も全て丸投げだ。
俺が注文したのは、社員寮用に部屋を10部屋用意してくれということだけだ。
クロムウェルさん達にも社員寮は使っていただきたいからこの数になる。
クロムウェルさんからはもう少し増やしておきましょうと言われたので、お任せしますとだけ返答しておいた。
だって、社員寮の管理はこの人がするんだから、それでいいでしょうよ。
俺は口を挟む必要はないでしょうし。



こうして構想を纏め終えて、着工は再会された。
ゴリオンズ親方が肩を回している。
一際やる気に満ちた表情をしていた。

「おうよ!やったるで!」
と鼻息が荒い。
俺は時折差し入れを届けに行っただけに過ぎない。
ここでもスイーツが重宝された。
大工さん達から無茶苦茶喜ばれてしまった。
甘味って凄いね。
人を幸せにするんだね。
後は任せます。
頑張って下さい。
全ては丸投げってね。
丸投げ・・・最高だな。
これぞ美味!

ゴリオンズ親方曰く、
「ここまでの館も久しぶりだ。腕が鳴るなあ、ええ!」
とコメントに困る発言をしていた。

ん?どれだけの物になるんだい?
もしかして丸投げは駄目だったか?
流石に気になったので、クロムウェルさんに聞いてみた。

「今さら何を?ジョニー店長。社員寮は念のため15室にしておきましたよ。それに温泉宿は50室をこしらえるとの話ですねえ」
はい?5人で運営出来るのかい?
無理でしょうよ。
美容院のスタッフは回せませんよ。

「大丈夫ですよ、新たに温泉同好会から増員がありましたからねえ。それに同好会の方に言わせると、ここの源泉は効能が素晴らしとのことでしたよ」

「はあ・・・」

「どうやら傷も簡単に癒えるだけでは無く、様々な病気に効果効能があるのだとか」

「・・・ええっ!」
なんだそれ?
聞いておりませんよ。
まあ丸投げしていたからね。
なんか・・・俺の知らない処でとんでもない事になっておりませんか?
どうでしょう?

結果として温泉宿として50室を抱える豪勢な規模感に成り代わっていた。
マジか・・・
もう・・・なんなのよ・・・好きにしてくれよ。
俺は知らねえぞ・・・任せたからには手は貸しませんからね・・・
で、良いよね?
どうだろうか?

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