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第二章 動き出す
楽しいお勉強会
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翌日は大雨で山式シャトルランが出来ないので、ネコは魔力使用禁止を守りながら体を休める名目で昼寝。
オレはザラキの書室から本を持ってきて勉強することにした。
勉強は嫌いだが、この世界の事を知るのは楽しい。視野が広がる感じがたまらない。
「…なんか、ホールデンで見たのとはずいぶん違うな」
魔法の事を記している本を眺めていてそう思った。まず、属性が違う。ホールデンでは12属性だったものが、ルキオでは違う。
流水、旋風、火焔、土石の四属性と、それの間にまるで時計の文字盤の様に間に二つずつ属性が当てはまり、真ん中には陰陽の様に書かれている神聖属性と混沌属性。
「?」
国や地域によって違うと言うのは知ってたけど、よくわからない属性を見付けた。
「ザラキさーん」
なので訊くことにした。
「なんだ?」
ザラキは机に向かい紙の束に書き記していた手を止めこちらを向く。
「属性の話なんですけどわからない事があって。これらの並びと、あと、この光彩属性ってのがよくわからないんですが。ホールデンで教わったのとは違うんですが」
「ホールデンではどんなだったんだ?」
説明をするとザラキは『ああ』と言って、白紙の紙に何かを書き始めた。
「これはウェズオーの山沿い、特に南の地方で見られる属性配置だ。まず、『流水』『電撃』『疾風』『火焔』『土石』『樹木』の6つ。
これは自然界にある物質だ。そして、『凍結』『移動』『浮遊』『爆発』『重力』『神聖』の6つがいわゆる作用するものって言う感じだ。例えば、水がある。これは…あれだルキオとかマテラとかの南の地方では見られないものだが寒くなると凍り付く。これは関係性があって、流水を使えるものは訓練次第で簡単に凍結が習得しやすくなるって考えだ。で、この六つの属性はこういう感じで関係してくる」
『流水』=『凍結』
『電撃』=『移動』
『疾風』=『浮遊』
『火焔』=『爆発』
『土石』=『重力』
『樹木』=『神聖』
「こんな感じ」
「ほう」
「でも必ずみんな表のも裏のも取れる訳じゃないらしい。これは向こうにいる仲間から聞いた話だが、あちらは召還師は『移動』の属性を持っているが、『電撃』の属性を習得している奴はほぼ居ないらしい。理由はしらんがな」
「この『樹木』と『神聖』は?」
「……多分世界樹の関係とかじゃねーか?世界樹は黒いのも白いのも関係なく純粋の魔力に変えるし。てかこの発動形態は信仰とか宗教に左右されたりするから、一概にこうだとは言えん」
「なるほど」
少し分かった。
ほんとうに少しだけ。
「じゃあルキオのこれは?」
「あーと、これはちょっと理由があって。本来はこうだった」
紙には『流水・水』『疾風・風』『火焔・火』『土石・土』と左回りに上下左右。
よく見る四大属性みたいだ。
「それが人の行き来が盛んになって、北の方やイスティジア地方の属性が加わってこんな感じになった。元々ルキオには魔法の概念が存在しなかったからな。精霊のイタズラだと考えてた。だから今でも属性の事を詳しく知っているのもいないし、この『凍結』なんかも結界を作る魔法と思っている奴が多い」
「へぇー。面白いですね」
各国の魔法の歴史を感じる。
「で、この光彩属性だが、お前火の要らない灯籠(とうろう)とか色変えの魔具とか知らねーか?」
「ホヅキとか?」
「ホヅキは光苔だろう」
「ああ、そっか」
雨に濡れても火と違って光続けるので超便利だったホヅキ。心の中では光苔のランタンと呼んでる。
「色変えの魔具は見たことあります。髪の色を変えますよね」
「そうだ。あれは指定したものの光の波を変えているらしい。もっとも魔具だから応用は出来んが、光彩属性は火に代わる灯りとして重宝され始めているし、何より敵に回すと恐ろしい」
聞いているだけなら恐ろしい様には聞こえなかったが。
「何が恐ろしいんですか?」
「相当の使い手だと姿を消して暗殺しようとしてきたり、突然視界を黒一色にして罠に嵌めようとしたりムカツク」
突然手をワナワナさせ始めたのを見るに経験があるらしい。それにしても光彩属性か、面白いな。
「他にも音響や探知とか、あとはなんだったか…、他にも色々ある。発動形式も様々でな、詠唱に陣式に言霊、感覚。あと科学魔法なんてのも生まれてるって話だ。俺の考えた氣で魔力を巻き込む方法はまだ聞いたことないから、俺が新しい名前を付けないとな」
はっはっは!!!とザラキが楽しそうに笑った。
その後、ザラキのテンションが上がり何故か魔法の歴史、創造魔法に通常の魔法、呪いの研究、そして勇者や英雄の使っていた属性の話を延々聞かされたのだった。
今日の教訓。
ザラキと魔法関係の話をすると長くなるから気を付けろ。
オレはザラキの書室から本を持ってきて勉強することにした。
勉強は嫌いだが、この世界の事を知るのは楽しい。視野が広がる感じがたまらない。
「…なんか、ホールデンで見たのとはずいぶん違うな」
魔法の事を記している本を眺めていてそう思った。まず、属性が違う。ホールデンでは12属性だったものが、ルキオでは違う。
流水、旋風、火焔、土石の四属性と、それの間にまるで時計の文字盤の様に間に二つずつ属性が当てはまり、真ん中には陰陽の様に書かれている神聖属性と混沌属性。
「?」
国や地域によって違うと言うのは知ってたけど、よくわからない属性を見付けた。
「ザラキさーん」
なので訊くことにした。
「なんだ?」
ザラキは机に向かい紙の束に書き記していた手を止めこちらを向く。
「属性の話なんですけどわからない事があって。これらの並びと、あと、この光彩属性ってのがよくわからないんですが。ホールデンで教わったのとは違うんですが」
「ホールデンではどんなだったんだ?」
説明をするとザラキは『ああ』と言って、白紙の紙に何かを書き始めた。
「これはウェズオーの山沿い、特に南の地方で見られる属性配置だ。まず、『流水』『電撃』『疾風』『火焔』『土石』『樹木』の6つ。
これは自然界にある物質だ。そして、『凍結』『移動』『浮遊』『爆発』『重力』『神聖』の6つがいわゆる作用するものって言う感じだ。例えば、水がある。これは…あれだルキオとかマテラとかの南の地方では見られないものだが寒くなると凍り付く。これは関係性があって、流水を使えるものは訓練次第で簡単に凍結が習得しやすくなるって考えだ。で、この六つの属性はこういう感じで関係してくる」
『流水』=『凍結』
『電撃』=『移動』
『疾風』=『浮遊』
『火焔』=『爆発』
『土石』=『重力』
『樹木』=『神聖』
「こんな感じ」
「ほう」
「でも必ずみんな表のも裏のも取れる訳じゃないらしい。これは向こうにいる仲間から聞いた話だが、あちらは召還師は『移動』の属性を持っているが、『電撃』の属性を習得している奴はほぼ居ないらしい。理由はしらんがな」
「この『樹木』と『神聖』は?」
「……多分世界樹の関係とかじゃねーか?世界樹は黒いのも白いのも関係なく純粋の魔力に変えるし。てかこの発動形態は信仰とか宗教に左右されたりするから、一概にこうだとは言えん」
「なるほど」
少し分かった。
ほんとうに少しだけ。
「じゃあルキオのこれは?」
「あーと、これはちょっと理由があって。本来はこうだった」
紙には『流水・水』『疾風・風』『火焔・火』『土石・土』と左回りに上下左右。
よく見る四大属性みたいだ。
「それが人の行き来が盛んになって、北の方やイスティジア地方の属性が加わってこんな感じになった。元々ルキオには魔法の概念が存在しなかったからな。精霊のイタズラだと考えてた。だから今でも属性の事を詳しく知っているのもいないし、この『凍結』なんかも結界を作る魔法と思っている奴が多い」
「へぇー。面白いですね」
各国の魔法の歴史を感じる。
「で、この光彩属性だが、お前火の要らない灯籠(とうろう)とか色変えの魔具とか知らねーか?」
「ホヅキとか?」
「ホヅキは光苔だろう」
「ああ、そっか」
雨に濡れても火と違って光続けるので超便利だったホヅキ。心の中では光苔のランタンと呼んでる。
「色変えの魔具は見たことあります。髪の色を変えますよね」
「そうだ。あれは指定したものの光の波を変えているらしい。もっとも魔具だから応用は出来んが、光彩属性は火に代わる灯りとして重宝され始めているし、何より敵に回すと恐ろしい」
聞いているだけなら恐ろしい様には聞こえなかったが。
「何が恐ろしいんですか?」
「相当の使い手だと姿を消して暗殺しようとしてきたり、突然視界を黒一色にして罠に嵌めようとしたりムカツク」
突然手をワナワナさせ始めたのを見るに経験があるらしい。それにしても光彩属性か、面白いな。
「他にも音響や探知とか、あとはなんだったか…、他にも色々ある。発動形式も様々でな、詠唱に陣式に言霊、感覚。あと科学魔法なんてのも生まれてるって話だ。俺の考えた氣で魔力を巻き込む方法はまだ聞いたことないから、俺が新しい名前を付けないとな」
はっはっは!!!とザラキが楽しそうに笑った。
その後、ザラキのテンションが上がり何故か魔法の歴史、創造魔法に通常の魔法、呪いの研究、そして勇者や英雄の使っていた属性の話を延々聞かされたのだった。
今日の教訓。
ザラキと魔法関係の話をすると長くなるから気を付けろ。
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