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#13 手紙
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#13 手紙
深結は颯太に歩み寄ってから上目遣いに言う
「好き」
颯太の頬が赤くなる
「ちょっ、、急にそんなこと言われたら!..」
颯太は照れ隠しなのか、一歩後ずさる
深結は離さないと言わんばかりに颯太に抱きついた、颯太も深結の背中に腕を回した。
「ありがとう、深結。すっごく嬉しい」
「私も、良かった...」
数分間、二人は抱きしめ合っていた。
「こ..これからも、颯太って呼んで..」
頬を赤くしながら言う颯太
「颯太」
深結は実際に読んでみせた
「颯太、これあげる」
深結は綺麗な青色の封筒の手紙を差し出した
「ありがとう、読んでも良い?」
「うん」
颯太は封筒を開き中の手紙を取り出す、それを読み始めた
「私のこと、嫌いになった?」
手紙を読み終えた颯太に深結は訊く
「全く、むしろもっと好きになった」
颯太は手紙を丁寧にしまうと、今度は颯太から深結を抱きしめた。
「生きてて良かった」
深結は確かにそう言った。一生思うことなんてないと思っていた、でも確かにそう思ったのだ。
帰り道、二人は手を繋いで歩いた。
「また明日、学校でね」
「うん!また明日」
二人は手を振って別れるとそれぞれの自宅に向かった。
颯太が見えなくなると深結は
「やった!!」
その場で勢いよくジャンプした
「言えた!言えたよ私!!」
自分に言い聞かせて喜びを噛み締める。その後すぐに紗奈に電話をする
紗奈も待ち侘びていたのかすぐに電話に出た
「へへっ、私彼氏できたんだ~」
「良かったじゃん!!」
紗奈も喜んでくれた。深結は歩きながら電話を続けた
「ちゃんと言えたんだね」
「うん、言えたよ」
「明日はお祝いだ!」
「もー、大袈裟だよ~」
「本当は嬉しいくせに~っ!」
「すっごく嬉しいよ」
「なら私もすっごく嬉しい」
「深結今どこにいるの?」
「さっきまでは帰り道、今は公園のベンチに座ってる」
「どこの公園?」
「私が颯太のことを突き飛ばした公園」
「私も行って良い?」
「うーん、ゆ~っくり来て」
「ゆ~っくり?」
「うん。今は独りになりたいの、でもちょっとしたら紗奈に会いたくなる気がするから」
「わかった。ゆ~っくり行くね」
少し笑いながら話す紗奈
「ありがとう」
それだけ言って深結は電話を切る。
夏の暑さと夜の涼しさが混ざり合って不思議な感覚を覚える
手首の傷を見る
「笑って良いのかな?」
ぽつりと溢れた
昔のことを思い出す。自分から昔のことを思い出そうとするのは初めてかもしれない
大嫌いだった自分の姿、消えてしまいたいと願った日、初めて自傷行為をした日。それを隠すために夏でも長袖の服を着たりして...
「辛かったんだな、私」
今思えばかなり塞ぎ込んでいた。解離性遁走を患っても独りでい続けた、それが良かったんだ。誰にも気を遣われたくない、友達なんていらない。そう思ってた。
「私と友達になってよ」
名前も知らなかった、ショートヘアの女の子
「嫌です」
冷めた声でそう言った、すぐ離れていくと思った
「え~!そんなこと言わないでよっ!~」
放課後、遊びに誘われて断っても無理矢理連れて行かれた
「深結さ~、せっかく可愛いんだからもっと笑えば良いのに」
笑う?深結は口角を上げた
「それは愛想笑いっていうの」
何も言えなかった。
家に帰ってもその言葉が頭の中でずっと繰り返されていた
次の日。私は紗奈のことを避けた、それでも紗奈は私のところに来てくれた。
私はよく泣いていた、誰もこない階段の隅で。独りで。
「どうして泣いてるの?」
見られてしまった。
「それ、リスカの傷だよね..大丈夫?」
「見ないで...どっか行って!」
近づいてきた紗奈を思いっきり突き飛ばした
深結はまたその場から逃げた
こんな姿親に見られたくないから家には帰らずに公園のベンチに体育座りをして蹲っていた。
深結は昔と同じようにベンチに体育座りをして蹲ると
「なんだ..あの時からなにも...」
「変わってなくないよ」
深結の言葉を遮るように紗奈の声が耳に入る
「ちょっと..来るの早いよ...」
思わず溢してしまった涙を慌てて拭う
「ゆ~っくり来たつもりだったんだけどなー」
紗奈はわざとらしく少し声を高くして言う
「深結がその傷を隠さなかったのは..成瀬君なら全部知られても自分のことを好きでいてくれると思ったからでしょ」
紗奈は声のトーンを戻した
「ちょっと違う......私は...」
また涙が溢れそうになって両手で顔を覆った
「私は........」
深結は震える声で続けた
「...知って欲しかった。だって私が、初めて好きになった男の子なんだもん........私の全てを好きになって欲しかった」
「なーんだ、そういうことか」
「深結らしいね」
紗奈は深結の隣に座って優しく深結の背中を撫でた。
「髪、自分で編んだの?」
深結が話しやすいように話題を振る
「お母さんがやってくれた」
「ってことは、成瀬君とのこと知ってるの?」
「...うん」
「じゃあ良い報告できるね」
颯太の部屋。
颯太は深結からもらった手紙を広げる
"颯太へ。きっと私は上手く伝えられないと思うのでこの手紙を書くことにしました。今まで私はずっと何かに怯えて生きてきました、心底自分のことが嫌いで自傷行為をしました。でもね、初めて颯太と公園で話し時、颯太が私の気持ちに共感してくれたのがすっごく嬉しかった。その気持ちが好きって気持ちに変わって初めての恋をしました。颯太に私の全てを知ってほしい、そう思ってデートの時は手首の傷痕を隠さないと決めました。颯太、ありがとう、大好きだよ。深結より。"
読み終えた颯太は手紙を閉じて封筒に戻して天井を見つめて呟いた
「深結..ありがとう、大好きだよ」
深結は颯太に歩み寄ってから上目遣いに言う
「好き」
颯太の頬が赤くなる
「ちょっ、、急にそんなこと言われたら!..」
颯太は照れ隠しなのか、一歩後ずさる
深結は離さないと言わんばかりに颯太に抱きついた、颯太も深結の背中に腕を回した。
「ありがとう、深結。すっごく嬉しい」
「私も、良かった...」
数分間、二人は抱きしめ合っていた。
「こ..これからも、颯太って呼んで..」
頬を赤くしながら言う颯太
「颯太」
深結は実際に読んでみせた
「颯太、これあげる」
深結は綺麗な青色の封筒の手紙を差し出した
「ありがとう、読んでも良い?」
「うん」
颯太は封筒を開き中の手紙を取り出す、それを読み始めた
「私のこと、嫌いになった?」
手紙を読み終えた颯太に深結は訊く
「全く、むしろもっと好きになった」
颯太は手紙を丁寧にしまうと、今度は颯太から深結を抱きしめた。
「生きてて良かった」
深結は確かにそう言った。一生思うことなんてないと思っていた、でも確かにそう思ったのだ。
帰り道、二人は手を繋いで歩いた。
「また明日、学校でね」
「うん!また明日」
二人は手を振って別れるとそれぞれの自宅に向かった。
颯太が見えなくなると深結は
「やった!!」
その場で勢いよくジャンプした
「言えた!言えたよ私!!」
自分に言い聞かせて喜びを噛み締める。その後すぐに紗奈に電話をする
紗奈も待ち侘びていたのかすぐに電話に出た
「へへっ、私彼氏できたんだ~」
「良かったじゃん!!」
紗奈も喜んでくれた。深結は歩きながら電話を続けた
「ちゃんと言えたんだね」
「うん、言えたよ」
「明日はお祝いだ!」
「もー、大袈裟だよ~」
「本当は嬉しいくせに~っ!」
「すっごく嬉しいよ」
「なら私もすっごく嬉しい」
「深結今どこにいるの?」
「さっきまでは帰り道、今は公園のベンチに座ってる」
「どこの公園?」
「私が颯太のことを突き飛ばした公園」
「私も行って良い?」
「うーん、ゆ~っくり来て」
「ゆ~っくり?」
「うん。今は独りになりたいの、でもちょっとしたら紗奈に会いたくなる気がするから」
「わかった。ゆ~っくり行くね」
少し笑いながら話す紗奈
「ありがとう」
それだけ言って深結は電話を切る。
夏の暑さと夜の涼しさが混ざり合って不思議な感覚を覚える
手首の傷を見る
「笑って良いのかな?」
ぽつりと溢れた
昔のことを思い出す。自分から昔のことを思い出そうとするのは初めてかもしれない
大嫌いだった自分の姿、消えてしまいたいと願った日、初めて自傷行為をした日。それを隠すために夏でも長袖の服を着たりして...
「辛かったんだな、私」
今思えばかなり塞ぎ込んでいた。解離性遁走を患っても独りでい続けた、それが良かったんだ。誰にも気を遣われたくない、友達なんていらない。そう思ってた。
「私と友達になってよ」
名前も知らなかった、ショートヘアの女の子
「嫌です」
冷めた声でそう言った、すぐ離れていくと思った
「え~!そんなこと言わないでよっ!~」
放課後、遊びに誘われて断っても無理矢理連れて行かれた
「深結さ~、せっかく可愛いんだからもっと笑えば良いのに」
笑う?深結は口角を上げた
「それは愛想笑いっていうの」
何も言えなかった。
家に帰ってもその言葉が頭の中でずっと繰り返されていた
次の日。私は紗奈のことを避けた、それでも紗奈は私のところに来てくれた。
私はよく泣いていた、誰もこない階段の隅で。独りで。
「どうして泣いてるの?」
見られてしまった。
「それ、リスカの傷だよね..大丈夫?」
「見ないで...どっか行って!」
近づいてきた紗奈を思いっきり突き飛ばした
深結はまたその場から逃げた
こんな姿親に見られたくないから家には帰らずに公園のベンチに体育座りをして蹲っていた。
深結は昔と同じようにベンチに体育座りをして蹲ると
「なんだ..あの時からなにも...」
「変わってなくないよ」
深結の言葉を遮るように紗奈の声が耳に入る
「ちょっと..来るの早いよ...」
思わず溢してしまった涙を慌てて拭う
「ゆ~っくり来たつもりだったんだけどなー」
紗奈はわざとらしく少し声を高くして言う
「深結がその傷を隠さなかったのは..成瀬君なら全部知られても自分のことを好きでいてくれると思ったからでしょ」
紗奈は声のトーンを戻した
「ちょっと違う......私は...」
また涙が溢れそうになって両手で顔を覆った
「私は........」
深結は震える声で続けた
「...知って欲しかった。だって私が、初めて好きになった男の子なんだもん........私の全てを好きになって欲しかった」
「なーんだ、そういうことか」
「深結らしいね」
紗奈は深結の隣に座って優しく深結の背中を撫でた。
「髪、自分で編んだの?」
深結が話しやすいように話題を振る
「お母さんがやってくれた」
「ってことは、成瀬君とのこと知ってるの?」
「...うん」
「じゃあ良い報告できるね」
颯太の部屋。
颯太は深結からもらった手紙を広げる
"颯太へ。きっと私は上手く伝えられないと思うのでこの手紙を書くことにしました。今まで私はずっと何かに怯えて生きてきました、心底自分のことが嫌いで自傷行為をしました。でもね、初めて颯太と公園で話し時、颯太が私の気持ちに共感してくれたのがすっごく嬉しかった。その気持ちが好きって気持ちに変わって初めての恋をしました。颯太に私の全てを知ってほしい、そう思ってデートの時は手首の傷痕を隠さないと決めました。颯太、ありがとう、大好きだよ。深結より。"
読み終えた颯太は手紙を閉じて封筒に戻して天井を見つめて呟いた
「深結..ありがとう、大好きだよ」
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