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2章
2話 新月の夜に
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月も出ていない真っ暗な夜闇に紛れて城を出る2つの影があった。
「お兄様、どこへ向かうんですの?」
不安そうに尋ねるサーシャにレクスは優しく答えた。
「とりあえずは、城下町の宿屋で今後の事を話し合おう。
私たちは皆に顔を知られているから、目立たないようこのフード付きのコートで顔を隠すんだ」
そう言うとサーシャの手を取り、レクサは宿屋に向かった。
宿屋の中は夜遅くにもかかわらず、酔っ払いたちが盛り上がっていた。
「お兄様、ここ少し変な匂いがしますわ」
「少し辛抱してくれ、部屋をとろう」
顔をしかめるサーシャをなだめながら、レクスは宿屋の受け付けをしている女性に近づいて言った。
「すまないが、部屋を用意してもらえないか?」
レクス達を見た女性はなにか勘違いをしたのか、ニヤリとして答えた。
「最近の若いものときたら...。まあ、お代がもらえるなら文句はないよ。2階の一番奥の左の部屋を使っていいよ」
2人は人目を避けるように部屋に入った。部屋には少し大きめのベッドがひとつ置かれ、明り取りの窓があるだけの簡素な作りだった。
「お兄様、ここで寝るんですの? このベット1つしかないですし、ずいぶんと硬いんですけれど」
不満を言うサーシャ。
「今は少しがまんをしてくれ、私は床で寝る。それよりも今後のことだ」
レクスが言うと、サーシャはしぶしぶうなづいた。
2人の頭の中は、城に残った父オルガのことや自分たちの将来への不安が渦巻いていた。
「こんな時に王の剣とも呼ばれた騎士ラルフがいてくれたなら...」
つぶやくサーシャにレクスは言った。
「今は私達でできることをするしかないよ、サーシャ。そして、私が頼まれたのはお前と指輪を守ることだ」
レクスの胸の内には強い決意があった。
「今日はもう遅い、サーシャゆっくりおやすみ」
こうして2人が一日を終える頃、ラルフを含むルリィ達一行もこのアヴァロンへ向かっているのだった。
「お兄様、どこへ向かうんですの?」
不安そうに尋ねるサーシャにレクスは優しく答えた。
「とりあえずは、城下町の宿屋で今後の事を話し合おう。
私たちは皆に顔を知られているから、目立たないようこのフード付きのコートで顔を隠すんだ」
そう言うとサーシャの手を取り、レクサは宿屋に向かった。
宿屋の中は夜遅くにもかかわらず、酔っ払いたちが盛り上がっていた。
「お兄様、ここ少し変な匂いがしますわ」
「少し辛抱してくれ、部屋をとろう」
顔をしかめるサーシャをなだめながら、レクスは宿屋の受け付けをしている女性に近づいて言った。
「すまないが、部屋を用意してもらえないか?」
レクス達を見た女性はなにか勘違いをしたのか、ニヤリとして答えた。
「最近の若いものときたら...。まあ、お代がもらえるなら文句はないよ。2階の一番奥の左の部屋を使っていいよ」
2人は人目を避けるように部屋に入った。部屋には少し大きめのベッドがひとつ置かれ、明り取りの窓があるだけの簡素な作りだった。
「お兄様、ここで寝るんですの? このベット1つしかないですし、ずいぶんと硬いんですけれど」
不満を言うサーシャ。
「今は少しがまんをしてくれ、私は床で寝る。それよりも今後のことだ」
レクスが言うと、サーシャはしぶしぶうなづいた。
2人の頭の中は、城に残った父オルガのことや自分たちの将来への不安が渦巻いていた。
「こんな時に王の剣とも呼ばれた騎士ラルフがいてくれたなら...」
つぶやくサーシャにレクスは言った。
「今は私達でできることをするしかないよ、サーシャ。そして、私が頼まれたのはお前と指輪を守ることだ」
レクスの胸の内には強い決意があった。
「今日はもう遅い、サーシャゆっくりおやすみ」
こうして2人が一日を終える頃、ラルフを含むルリィ達一行もこのアヴァロンへ向かっているのだった。
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