禍の島と時の羅針盤

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2章

6話 滅竜砲使いとの戦い

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朝食を終えたルリィ達一行は城に向かった。
「でも、すごい力だったな、ルリィ」
そうアトラが言うと。
「でも、あの力、痛みを感じないわけじゃないんでしょ。仲間が傷つく事が前提の力なんて、なんだか怖い。
それにあの力を使った時、少し頭痛がしたのよね」
それを聞いてラルフが言った。
「前に出て戦うのは騎士の仕事だ。痛みなら慣れている。
それより頭痛がしたって言うのが気になるな」

皆が話しながら歩いていると、突然、城の方角から爆発音が聞こえてきた。
「おいおい、マジかよ。王城相手に正面から攻めてきたって言うのか。あいつらのやり方は今までは暗殺だった...。と、いう事はこれは陽動!? だとすれば王が心配だ」
ラルフの言葉で皆の顔に緊張が走り、いっせいに城に向かって走り出した。

「ハーッハッハ、アヴァロンの城の守りってのはこんなものか?
もう1発いくぜ!」
城門の前には真紅の甲冑を纏った隻眼の男がいた。
そして、火竜砲のような武器で門を攻撃している最中だった。
「そこまでだ!」
全速力で駆けつけたラルフが叫んだ。
「誰だお前は? お前も爆ぜたいのか?」
隻眼の男がふてぶてしく答える。
「俺の名前はラルフ。すまないが手加減してやれないかもしれないと先に言っておく」
そう言うとラルフは剣を抜いた。
「ラルフ? 姐さんから聞いてるぜ。国から一足先に逃げ出していた、王の剣って呼ばれてた騎士だろ?
俺様はホムラ。手加減なんて冗談言ってる間に1回爆ぜてろ!」
ホムラは怒鳴りながら、ラルフに狙いを定め攻撃してきた
「姐さん? やはりお前は陽動役か」

「もう、はじまってるぞ!」
ラルフに少し遅れて、アトラを先頭にルリィ達が城門前に到着した。
ラルフは火竜砲のような武器を持つ相手と交戦中だった。が、一目でラルフの優勢が見てとれる。
「くそ! 聞いてないぜ。俺様の攻撃が読まれているだと!?」
あせるホムラにラルフが言う。
「相手が悪かったな。その火竜砲は壊させてもらうが、命までは取らないでおく」
「火竜砲? あんなまがい物と同じにするな!
これは滅竜砲、フルパワーでいくぜ! 爆ぜろ!!」
ホムラはわめきながら、突然、あとから追いついてきたアトラに狙いを定めた。
「しまった! !間に合わない」
滅竜砲が発射されると同時に、ラルフはそれを破壊した。が、弾道は駆けつけてきたばかりのアトラにまっすぐ向かっていた。
「危ない!」
とっさに、レクスがアトラをかばった。
「グアア!」
「レクス様!」
滅竜砲の直撃を受けて苦しむレクスにラルフが大声をあげる。
「ハッハ! 致命傷だぜ。ラルフ、お前が手加減なんてしてるからだ」

「リ・ループ」

その時、ルリィが羅針盤の力を解放した!
すると、致命傷を受けたはずのレクスが一瞬にして回復した。
ラルフはみねうちでホムラを気絶させると、レクスに駆け寄った。
「大丈夫ですか? レクス様!」
「グッ、ものすごい痛みだったが、今はなんともないよ、ラルフ」
そう答えたレクスは傷どころか焼け焦げた服までも、元にもどっていた。
「ご無事でよかった。この騒ぎ、王の無事が心配です。
ホムラとやらは衛兵に任せて王の元へ急ぎましょう」
ほっと一息をついて、ラルフは先を急いだ。

その時、ルリィの顔色が悪い事に気がついた者は誰もいなかった...

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