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君と付き合うことは出来ない―
「そ、そっか」
その後に言葉が、続かない。
何を、ショックを受けてるんだ。僕は。
レムがもし僕を好きじゃないと言っても大丈夫だと、そう思ってたじゃないか。何を今さら。
なのに。
苦しい。
胸が張り裂けそうだ。
僕はレムのことが好きだ。
それは紛れもない真実。
好きな子に振られたんだから、ショック受けるのは当たり前か。
そうだ、僕はきっと心の底では、レムも僕のことを好きなんじゃないかと勘違いしていたんだ。レムが僕の想いを受け入れると決めつけていた。疑いもしなかったのだ。分かった気になっていた。この夢の世界で。
結局僕は、現実を受け入れることが出来ない、情けない奴だ。現実を受け入れることなんて、今までしてこなかった。それは、表がやることだ。その分僕は、夢の世界で楽しませてやればそれでいい。そう思っていた。
その楽しませることすら出来なくなってしまった。
よほど僕は黙っていたのだろう。先に口を開いたのはレムだった。
「ラム君…」
「レムちゃん…」
「ごめんね…傷つけたくは、なかった。それでも結果的に傷つけてしまった。私は駄目なやつだな。でも、伝えたいことがあるんだ。聞いてくれ、ラム君。…君が私を好きになってくれたのは嬉しい。それは本当なんだ。誓ってもいい。それにね。私も…いや、私の方こそ」
レムの声がかすれた。気がつくと、レムの目には涙が溜まっていた。レムは続ける。
「君が好きだ。なのに君の想いを断ったのは、私では君を幸せに出来ないからだ」
レムの目から涙がこぼれ落ちた。
「どういうことだよ」
レムの顔はぼやけて見えない。いつの間にか僕も泣いていたのか。
「恋人じゃなくて…友達として、付き合えないかな」
「それでもいいけど…よく分からない。なんで好き同士で、恋人になれないんだ?」
「私では君を、幸せに出来ないんだ」
「…僕は…君となら、幸せになれるって、もし言ったら。それを疑う?」
「ラム君…駄目なんだよ。後からきっと、後悔することになる。簡単に考えちゃ駄目だ」
「何を後悔することがあるって言うんだ。レムちゃん、君は自分を過小評価しすぎだよ。僕は…」
言いかけて、ふと思った。傷つけているのは、僕の方なのでは無いか。彼女は僕に気を遣って友達として付き合うと言ってくれてるのかもしれないじゃないか。自分の気持ちばかり先行していた。彼女の気持ちも考えなくては。
「分かった」
「…ラム君?」
涙を拭う。レムの目を真っ直ぐに見る。
「レムちゃん、友達として付き合おう。君が嫌じゃないのなら。僕は例え友達としてでも、君と関わっていたいんだ」
レムの涙がまたこぼれた。しかし表情には明るさが戻っていた。
「ラム君…ありがとう…!」
「レムちゃん、1つだけ言っておきたいことがある。僕の方から君を嫌いになることはないからね。ずっと君のことが好きだ。…この夢の世界にいるのは僕ら2人だけなのかもしれない。これから先もずっと。だからこそ、君を大切にしたい。より良い関係をこれからも続けていきたい。君を必ず幸せにしたい」
「ありがとう、ラム君。無理を言ってすまなかった。私も、これから先、君をずっと好きでいると誓おう。…ずっと、ずっと、……」
レムの言葉は止まった。
「レムちゃん?」
「ラム君…!」
「レムちゃ」
「ハグしてくれ」
レムは僕の胸に飛び込んできた。驚いて僕は彼女を受け止める。思わずよろけて僕は後ろへ倒れた。抱き合う形で横たわる2人。
彼女に声をかけようとして、胸の熱さに気付いた。彼女が僕の胸に顔を押し付けているのだ。好きなだけ泣いてもらおうと、後頭部にそっと手を回した。
まるで止まったかのような時間。
2人の言葉は永遠に誓い合った愛の言葉のようでいて、どこか哀しく、歪であった。
僕はこれから先、今胸の中で泣いている女の子を、幸せにすることが出来るのだろうか。
表が起きるまでの時間。
僕はただ目を閉じることにした。
この時間が永遠に続けばいいのに。
「夢だから…覚めるんだけどね…」
そう。これは紛れもなく、夢だ。
「そ、そっか」
その後に言葉が、続かない。
何を、ショックを受けてるんだ。僕は。
レムがもし僕を好きじゃないと言っても大丈夫だと、そう思ってたじゃないか。何を今さら。
なのに。
苦しい。
胸が張り裂けそうだ。
僕はレムのことが好きだ。
それは紛れもない真実。
好きな子に振られたんだから、ショック受けるのは当たり前か。
そうだ、僕はきっと心の底では、レムも僕のことを好きなんじゃないかと勘違いしていたんだ。レムが僕の想いを受け入れると決めつけていた。疑いもしなかったのだ。分かった気になっていた。この夢の世界で。
結局僕は、現実を受け入れることが出来ない、情けない奴だ。現実を受け入れることなんて、今までしてこなかった。それは、表がやることだ。その分僕は、夢の世界で楽しませてやればそれでいい。そう思っていた。
その楽しませることすら出来なくなってしまった。
よほど僕は黙っていたのだろう。先に口を開いたのはレムだった。
「ラム君…」
「レムちゃん…」
「ごめんね…傷つけたくは、なかった。それでも結果的に傷つけてしまった。私は駄目なやつだな。でも、伝えたいことがあるんだ。聞いてくれ、ラム君。…君が私を好きになってくれたのは嬉しい。それは本当なんだ。誓ってもいい。それにね。私も…いや、私の方こそ」
レムの声がかすれた。気がつくと、レムの目には涙が溜まっていた。レムは続ける。
「君が好きだ。なのに君の想いを断ったのは、私では君を幸せに出来ないからだ」
レムの目から涙がこぼれ落ちた。
「どういうことだよ」
レムの顔はぼやけて見えない。いつの間にか僕も泣いていたのか。
「恋人じゃなくて…友達として、付き合えないかな」
「それでもいいけど…よく分からない。なんで好き同士で、恋人になれないんだ?」
「私では君を、幸せに出来ないんだ」
「…僕は…君となら、幸せになれるって、もし言ったら。それを疑う?」
「ラム君…駄目なんだよ。後からきっと、後悔することになる。簡単に考えちゃ駄目だ」
「何を後悔することがあるって言うんだ。レムちゃん、君は自分を過小評価しすぎだよ。僕は…」
言いかけて、ふと思った。傷つけているのは、僕の方なのでは無いか。彼女は僕に気を遣って友達として付き合うと言ってくれてるのかもしれないじゃないか。自分の気持ちばかり先行していた。彼女の気持ちも考えなくては。
「分かった」
「…ラム君?」
涙を拭う。レムの目を真っ直ぐに見る。
「レムちゃん、友達として付き合おう。君が嫌じゃないのなら。僕は例え友達としてでも、君と関わっていたいんだ」
レムの涙がまたこぼれた。しかし表情には明るさが戻っていた。
「ラム君…ありがとう…!」
「レムちゃん、1つだけ言っておきたいことがある。僕の方から君を嫌いになることはないからね。ずっと君のことが好きだ。…この夢の世界にいるのは僕ら2人だけなのかもしれない。これから先もずっと。だからこそ、君を大切にしたい。より良い関係をこれからも続けていきたい。君を必ず幸せにしたい」
「ありがとう、ラム君。無理を言ってすまなかった。私も、これから先、君をずっと好きでいると誓おう。…ずっと、ずっと、……」
レムの言葉は止まった。
「レムちゃん?」
「ラム君…!」
「レムちゃ」
「ハグしてくれ」
レムは僕の胸に飛び込んできた。驚いて僕は彼女を受け止める。思わずよろけて僕は後ろへ倒れた。抱き合う形で横たわる2人。
彼女に声をかけようとして、胸の熱さに気付いた。彼女が僕の胸に顔を押し付けているのだ。好きなだけ泣いてもらおうと、後頭部にそっと手を回した。
まるで止まったかのような時間。
2人の言葉は永遠に誓い合った愛の言葉のようでいて、どこか哀しく、歪であった。
僕はこれから先、今胸の中で泣いている女の子を、幸せにすることが出来るのだろうか。
表が起きるまでの時間。
僕はただ目を閉じることにした。
この時間が永遠に続けばいいのに。
「夢だから…覚めるんだけどね…」
そう。これは紛れもなく、夢だ。
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