4 / 5
4
しおりを挟む
僕はいつしか眠りに落ちた。
そして夢の世界へと足を踏み入れる。人は夢を必ず見ていて、見ていないように思うのはただ忘れてしまっているだけ、という話を聞いたことがある。一体誰から聞いた話だったろう。
夢の中には、もう1人の僕がいる。僕はいつもそいつを上から見下ろしているのだ。ただ、姿が同じなだけで全くの別人だと思っている。だって僕の意識とは無関係に、そいつは歩き、走り、話すからだ。夢の中では僕の存在は無に等しく、あらゆる事象に干渉できない。ここはただ僕に似た別人が生きている、ただそれだけの世界だ。
何も干渉できないとはいえ、僕はこの夢の世界というのが嫌いではない。人間の無限の想像力の集大成のようなこの世界。行ったことが無い場所、見たことのないような景色。それがこの世界で体験できる。この世界には僕ともう1人の僕しかいない。僕らはこの世界の王なのだ。
ところがいつからだろう。この世界に僕ら以外の人間がいるのがわかったのは。白一色の空間にその女の子は佇んでいた。白いワンピースに綺麗な茶髪の髪。全体的に華奢で小柄な後ろ姿。何故彼女がここに存在しているのかは分からない。他に誰もいない夢の世界に、彼女だけが存在している。考えてみれば不思議だ。この子の姿に見覚えは無い。もう1人の僕が彼女を見つけた時のことははっきりと覚えている。まるで時が止まったかのような静寂がその場を支配していた。それは永遠にも思える時間だったが、実際は一瞬だったのかもしれない。白一色の世界に花が咲き始めた。赤、黄色、オレンジ、緑、何色もの色が花になって空間を埋め尽くす。それは言葉にし難い光景であった。この時の感情を表す言葉を僕は知らない。
夢の中の僕は、彼女を見つけて以降、何度もこの場所へ来るようになった。だが、1つ問題があった。彼女の顔を見ることができないのだ。彼女が振り返るまさにその瞬間、夢は終わってしまう。夢が終わった後に待っているのは現実だ。そうなると彼女のことは頭の片隅に追いやられてしまう。彼女のことを思い出すのはまた夢の世界へ行くときだけ。ところが何度彼女を見つけても顔を見ることは叶わないのだった。
しかし、今日の夢はいつもとは違っていた。女の子はこちらへ振り返り、
「やあ」
と、言った。このところ、彼女が夢に出てくる回数が目に見えて増えている。それに、彼女の顔を見ることができたのはこれが最初ではないだろうか。大きな目が可愛らしい女の子だ。歳は僕の少し下くらいかな?
「久しぶり、レムちゃん」
と、もう1人の僕は言う。
久しぶりだって? 初めましてではないのか?少なくとも僕自身は、この女の子と初めて顔を合わせたのだが。女の子に僕が見えているかは分からない。
やっぱりコイツは僕に似ているだけで僕じゃない。
僕とは違う時間、違う世界で生きているようだ。
考えてみれば夢だって毎日見てる訳じゃない。女の子…レムと呼ばれた子の顔を知らなくたっておかしくはないはず。
「本当はもっと早く来たかったんだけどね、道に迷ってしまって」
「問題ないよ。来てくれた事に意味があるんだからね。君が会いに来てくれて私は嬉しい」
「そうかな、へへ。それで今日も『表』が寝るのが遅くてさ。しかも明日は7時半起きだよ。睡眠時間足りてるのかな」
ドキリとした。表って僕のことか。
レムが言う。
「じゃあ今日も長くは居られないんだね」
「そうなんだ。残念だ」
頭が混乱している。
この夢は…現実か?
今まで僕は、この世界は僕の夢の中での妄想だと思っていたのだが、夢の中の僕は、現実の僕が知り得ない情報を知っていた。ひょっとしてこの世界は、もう一つの現実ではないのか。つまり僕が表ならこいつは「裏」。この夢の世界も妄想などではなく、実在する世界なのだ。だとしたら。夢の中の僕も妄想ではない。
独立した感情を持ったもう1人の自分。「裏」の僕だ。
僕は今まで知らなかった事実を知り、複雑な感情を抱いた。世の中の人達は、夢の中の世界についてどれほど理解しているのだろうか。
「今日はレムちゃんと一緒にどこかへ出かけたいな」
裏は言った。しかしレムは、
「ごめんね。私はこの世界でしか生きることが出来ないんだ」
と言う。
「えっ? 何故?」
「話すと長くなる。君には時間が無いのだろう。私もそう話したいことでもないし、今は…やめよう」
レムは表情を少し曇らせた。
「そっか…気付かなくて悪かったよ。ごめんねレムちゃん」
「いや…違うんだ。この世界だけでしか、というのは少し大袈裟だった。本当は、他の場所でも生きられるのかも知れない」
「いいんだよ! 無理して他の場所で会おうとは思ってない。僕は君が一番いいようにしたいんだ。だから無理はしないでくれ」
裏は慌てて言った。
よく分からないけど、このレムという女の子、ちょっと影があるように見える。
「ありがとう…優しいな。ラム君は」
と、レムが顔を上げた。涙目になっている。
というか「ラム君」? あだ名で呼んでいるのか? これも僕が知らない情報だぞ。
レムは続けて言った。
「そうだ…この前の返事を、したかったんだ」
「返事……」
返事? 何の?
「ちょっと待ってくれ。レムちゃん…僕はね。君が本当に好きなんだ。ただ、この想いを君に押し付けようとは思ってない。この前のこと、本当は言うつもりじゃ無かったんだ。でも君に会えたのが嬉しくて、つい言ってしまった。でも…それで良かったかも知れない。もしあの時言わなかったらずっと言えずじまいだったかもしれなかった。つまり……」
裏は一気に言葉を繋ぐ。
「確かに僕は、君に告白をしたよ」
はあぁぁぁ!? 告白!?
現実では女友達も居ない癖に、何やってんだよ、僕。
「でも、無理して返事をもらおうとは思ってないんだ。だから、もし君が僕を傷つけまいとして…」
「いや、聞いてくれ。ラム君。私は君と」
「……」
「付き合うことは、出来ない」
そして夢の世界へと足を踏み入れる。人は夢を必ず見ていて、見ていないように思うのはただ忘れてしまっているだけ、という話を聞いたことがある。一体誰から聞いた話だったろう。
夢の中には、もう1人の僕がいる。僕はいつもそいつを上から見下ろしているのだ。ただ、姿が同じなだけで全くの別人だと思っている。だって僕の意識とは無関係に、そいつは歩き、走り、話すからだ。夢の中では僕の存在は無に等しく、あらゆる事象に干渉できない。ここはただ僕に似た別人が生きている、ただそれだけの世界だ。
何も干渉できないとはいえ、僕はこの夢の世界というのが嫌いではない。人間の無限の想像力の集大成のようなこの世界。行ったことが無い場所、見たことのないような景色。それがこの世界で体験できる。この世界には僕ともう1人の僕しかいない。僕らはこの世界の王なのだ。
ところがいつからだろう。この世界に僕ら以外の人間がいるのがわかったのは。白一色の空間にその女の子は佇んでいた。白いワンピースに綺麗な茶髪の髪。全体的に華奢で小柄な後ろ姿。何故彼女がここに存在しているのかは分からない。他に誰もいない夢の世界に、彼女だけが存在している。考えてみれば不思議だ。この子の姿に見覚えは無い。もう1人の僕が彼女を見つけた時のことははっきりと覚えている。まるで時が止まったかのような静寂がその場を支配していた。それは永遠にも思える時間だったが、実際は一瞬だったのかもしれない。白一色の世界に花が咲き始めた。赤、黄色、オレンジ、緑、何色もの色が花になって空間を埋め尽くす。それは言葉にし難い光景であった。この時の感情を表す言葉を僕は知らない。
夢の中の僕は、彼女を見つけて以降、何度もこの場所へ来るようになった。だが、1つ問題があった。彼女の顔を見ることができないのだ。彼女が振り返るまさにその瞬間、夢は終わってしまう。夢が終わった後に待っているのは現実だ。そうなると彼女のことは頭の片隅に追いやられてしまう。彼女のことを思い出すのはまた夢の世界へ行くときだけ。ところが何度彼女を見つけても顔を見ることは叶わないのだった。
しかし、今日の夢はいつもとは違っていた。女の子はこちらへ振り返り、
「やあ」
と、言った。このところ、彼女が夢に出てくる回数が目に見えて増えている。それに、彼女の顔を見ることができたのはこれが最初ではないだろうか。大きな目が可愛らしい女の子だ。歳は僕の少し下くらいかな?
「久しぶり、レムちゃん」
と、もう1人の僕は言う。
久しぶりだって? 初めましてではないのか?少なくとも僕自身は、この女の子と初めて顔を合わせたのだが。女の子に僕が見えているかは分からない。
やっぱりコイツは僕に似ているだけで僕じゃない。
僕とは違う時間、違う世界で生きているようだ。
考えてみれば夢だって毎日見てる訳じゃない。女の子…レムと呼ばれた子の顔を知らなくたっておかしくはないはず。
「本当はもっと早く来たかったんだけどね、道に迷ってしまって」
「問題ないよ。来てくれた事に意味があるんだからね。君が会いに来てくれて私は嬉しい」
「そうかな、へへ。それで今日も『表』が寝るのが遅くてさ。しかも明日は7時半起きだよ。睡眠時間足りてるのかな」
ドキリとした。表って僕のことか。
レムが言う。
「じゃあ今日も長くは居られないんだね」
「そうなんだ。残念だ」
頭が混乱している。
この夢は…現実か?
今まで僕は、この世界は僕の夢の中での妄想だと思っていたのだが、夢の中の僕は、現実の僕が知り得ない情報を知っていた。ひょっとしてこの世界は、もう一つの現実ではないのか。つまり僕が表ならこいつは「裏」。この夢の世界も妄想などではなく、実在する世界なのだ。だとしたら。夢の中の僕も妄想ではない。
独立した感情を持ったもう1人の自分。「裏」の僕だ。
僕は今まで知らなかった事実を知り、複雑な感情を抱いた。世の中の人達は、夢の中の世界についてどれほど理解しているのだろうか。
「今日はレムちゃんと一緒にどこかへ出かけたいな」
裏は言った。しかしレムは、
「ごめんね。私はこの世界でしか生きることが出来ないんだ」
と言う。
「えっ? 何故?」
「話すと長くなる。君には時間が無いのだろう。私もそう話したいことでもないし、今は…やめよう」
レムは表情を少し曇らせた。
「そっか…気付かなくて悪かったよ。ごめんねレムちゃん」
「いや…違うんだ。この世界だけでしか、というのは少し大袈裟だった。本当は、他の場所でも生きられるのかも知れない」
「いいんだよ! 無理して他の場所で会おうとは思ってない。僕は君が一番いいようにしたいんだ。だから無理はしないでくれ」
裏は慌てて言った。
よく分からないけど、このレムという女の子、ちょっと影があるように見える。
「ありがとう…優しいな。ラム君は」
と、レムが顔を上げた。涙目になっている。
というか「ラム君」? あだ名で呼んでいるのか? これも僕が知らない情報だぞ。
レムは続けて言った。
「そうだ…この前の返事を、したかったんだ」
「返事……」
返事? 何の?
「ちょっと待ってくれ。レムちゃん…僕はね。君が本当に好きなんだ。ただ、この想いを君に押し付けようとは思ってない。この前のこと、本当は言うつもりじゃ無かったんだ。でも君に会えたのが嬉しくて、つい言ってしまった。でも…それで良かったかも知れない。もしあの時言わなかったらずっと言えずじまいだったかもしれなかった。つまり……」
裏は一気に言葉を繋ぐ。
「確かに僕は、君に告白をしたよ」
はあぁぁぁ!? 告白!?
現実では女友達も居ない癖に、何やってんだよ、僕。
「でも、無理して返事をもらおうとは思ってないんだ。だから、もし君が僕を傷つけまいとして…」
「いや、聞いてくれ。ラム君。私は君と」
「……」
「付き合うことは、出来ない」
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
結婚したけど夫の不倫が発覚して兄に相談した。相手は親友で2児の母に慰謝料を請求した。
佐藤 美奈
恋愛
伯爵令嬢のアメリアは幼馴染のジェームズと結婚して公爵夫人になった。
結婚して半年が経過したよく晴れたある日、アメリアはジェームズとのすれ違いの生活に悩んでいた。そんな時、机の脇に置き忘れたような手紙を発見して中身を確かめた。
アメリアは手紙を読んで衝撃を受けた。夫のジェームズは不倫をしていた。しかも相手はアメリアの親しい友人のエリー。彼女は既婚者で2児の母でもある。ジェームズの不倫相手は他にもいました。
アメリアは信頼する兄のニコラスの元を訪ね相談して意見を求めた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あんなにわかりやすく魅了にかかってる人初めて見た
しがついつか
恋愛
ミクシー・ラヴィ―が学園に入学してからたった一か月で、彼女の周囲には常に男子生徒が侍るようになっていた。
学年問わず、多くの男子生徒が彼女の虜となっていた。
彼女の周りを男子生徒が侍ることも、女子生徒達が冷ややかな目で遠巻きに見ていることも、最近では日常の風景となっていた。
そんな中、ナンシーの恋人であるレオナルドが、2か月の短期留学を終えて帰ってきた。
幼馴染の許嫁
山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる