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プロローグ
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明日からはついに夏休みがスタートだ。
しかし夏休みを前に講義の課題提出時期が重なってしまい、僕の部屋はごみ屋敷さながらに散らかっている。
この数日のすさまじい忙しさを物語っている。
部屋を片付ける余裕も無く寝落ちしてしまう日々が続いたせいだ。
僕の部屋は狭いワンルームなので、収納スペースは限られていた。
以前から持っている読まない本や雑誌を処分しようと整理をはじめる。
本棚の奥から旅行雑誌が出て来た。
高校時代に月渚《るな》と良く一緒に見ていた旅行雑誌だ。
僕は本を整理する手を止め、雑誌のページをめくった。
北の大地にあるへそのまち、そこで開園しているラベンダーパークの特集記事が載っている。
特集記事のページに月渚の書き込みを見付けた。
『絶対に行こう! 約束だよ!』
懐かしい月渚の文字。
その文字を指でなぞってみた。
月渚への思いがこみ上げてくる。
やはり僕は大学生になってからも、月渚を失った喪失感から抜け出せていない。
情けないとは思うけど、心が立ち止まったままだ。
雑誌のページをめくっていくと、月渚とカフェで過ごした時間が思い返される。
突然この雑誌が出て来たって事は、月渚がラベンダーファームに行きたがっている気がした。
僕は夏休み中にラベンダーファームを訪れてみようと思った。
スケジュールを確認するためにスマホのカレンダーを開く。
大学生になって最初の夏休みなのに、バイト以外の予定は特に入っていない。
「チョット少しさびしいスケジュールですね」と自分を皮肉ってしまった。
ただ僕には時間や日程の余裕はたっぷりとあることが分かった。
「月渚と二人で行く予定だったラベンダーパークに、友人と行くことは出来ないな。今回は一人旅になるな」と僕は思った。
部屋の片づけの続きはまた今度にしよう、旅行計画が優先だな。
僕はテーブルの上に散らかっている本や書類を無造作に床に下ろした。
ノートパソコンのスペースを確保し、頭をかきながら電源を入れた。
雑誌を片手に旅行サイトのリサーチを始めた。
しかし夏休みを前に講義の課題提出時期が重なってしまい、僕の部屋はごみ屋敷さながらに散らかっている。
この数日のすさまじい忙しさを物語っている。
部屋を片付ける余裕も無く寝落ちしてしまう日々が続いたせいだ。
僕の部屋は狭いワンルームなので、収納スペースは限られていた。
以前から持っている読まない本や雑誌を処分しようと整理をはじめる。
本棚の奥から旅行雑誌が出て来た。
高校時代に月渚《るな》と良く一緒に見ていた旅行雑誌だ。
僕は本を整理する手を止め、雑誌のページをめくった。
北の大地にあるへそのまち、そこで開園しているラベンダーパークの特集記事が載っている。
特集記事のページに月渚の書き込みを見付けた。
『絶対に行こう! 約束だよ!』
懐かしい月渚の文字。
その文字を指でなぞってみた。
月渚への思いがこみ上げてくる。
やはり僕は大学生になってからも、月渚を失った喪失感から抜け出せていない。
情けないとは思うけど、心が立ち止まったままだ。
雑誌のページをめくっていくと、月渚とカフェで過ごした時間が思い返される。
突然この雑誌が出て来たって事は、月渚がラベンダーファームに行きたがっている気がした。
僕は夏休み中にラベンダーファームを訪れてみようと思った。
スケジュールを確認するためにスマホのカレンダーを開く。
大学生になって最初の夏休みなのに、バイト以外の予定は特に入っていない。
「チョット少しさびしいスケジュールですね」と自分を皮肉ってしまった。
ただ僕には時間や日程の余裕はたっぷりとあることが分かった。
「月渚と二人で行く予定だったラベンダーパークに、友人と行くことは出来ないな。今回は一人旅になるな」と僕は思った。
部屋の片づけの続きはまた今度にしよう、旅行計画が優先だな。
僕はテーブルの上に散らかっている本や書類を無造作に床に下ろした。
ノートパソコンのスペースを確保し、頭をかきながら電源を入れた。
雑誌を片手に旅行サイトのリサーチを始めた。
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