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30章 地下迷宮
①
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ローデンの街を出発してから数時間。どこまでも続く緑の中、アリアとイアンは静かに歩いていた。
「久しぶりだね、こうやって二人だけで旅するの。」
アリアが歩きながら笑顔で振り返る。イアンはふと足を止めて、視線を前方に戻した。
「そうだな。ここ最近はルイスが一緒だったからな。」
「……まあ、あの人がいないと静かでいいけどね!」
アリアが冗談っぽく笑うと、イアンの口元がわずかに緩んだ。
「静かすぎて落ち着かないんじゃないのか?」
その言葉に、アリアは慌てて否定する。
「そんなことないよ! だって、あんたがいるじゃん。十分安心できるってば!」
軽い調子で言ったつもりだったが、言葉が口をついて出た瞬間、自分で顔が熱くなるのを感じた。
(……なに言ってんの、私……)
一方のイアンは無表情のままだったが、歩く速度がわずかに遅くなった。
「お前がそう思うなら、それでいい。」
その低い声には、微かな照れが混じっていた。
途中、突然茂みから中型の魔物が飛び出してきた。
「来たっ!」
アリアが素早く剣を構え、盾で魔物の突進を防ぐ。
「イアン!」
「分かっている。」
イアンが杖を振り、足元から土の手が現れる。「アース・バインド」の呪文だ。魔物が足を取られた隙を逃さず、アリアが剣を振り下ろす。
「よし……完璧!」
息の合った連携で魔物を倒した二人は、軽く息を整える。
「こうやって戦うと、私たち結構いいコンビだよね。」
アリアが嬉しそうに言うと、イアンは静かに頷いた。
「まあ、お前が無茶をしなければな。」
「またそれ? 無茶なんてしてないよ、これでも。」
アリアが拗ねたように口を尖らせると、イアンはほんの少しだけ声を緩めた。
「ならいい。だが、俺はお前が傷つくのを見たくない。」
その言葉に、アリアの胸が軽く締め付けられる。
(……私が傷つくのを、見たくない……?)
一瞬で、彼の言葉の重みが心に響いてきた。
「な、なんでそんなこと言うの……」
アリアが小声で呟くと、イアンはあくまで淡々と答えた。
「お前が俺にとって大切だからだろう。」
その一言に、アリアは言葉を失った。
(大切……?)
心臓が高鳴り、顔が赤くなるのを感じながら、彼の横顔を盗み見る。イアンはあくまで平静を保っているが、ほんの少し耳が赤くなっているのに気づいた。
(……ああ、もう、何なのこれ……!)
翌日、二人が宿場町で休息を取っていると、ふとした気配にアリアが振り向いた。
「やあ、久しぶりだな。」
ルイス・テミスが、相変わらずの余裕たっぷりな態度で立っていた。
「……なんでルイスがここにいるの?」
アリアが驚きつつ尋ねると、ルイスは肩をすくめて微笑む。
「王都から依頼を送ったのは俺だ。ここで合流しようと思ってな。」
「……ルイスって、本当に唐突すぎる。」
アリアが呆れるのを横目に、ルイスはイアンに目を向ける。
「お前も元気そうだな。前回の旅で大分疲れただろうに。」
「お前ほど図太くはないからな。」
イアンが冷ややかに返すと、ルイスは「相変わらず口が悪い」と苦笑した。
「ま、俺にも反省点があったからな。お前たちのサポートを受けられるよう、少しだけ成長したつもりだ。」
そう言うと、ルイスは片手を軽く挙げ、魔力障壁を展開して見せた。それは以前とは違い、前方だけに限定的に広がるよう調整されていた。
「どうだ? 器用だろう。」
その技術に、アリアもイアンも少し驚いた様子を見せる。
「……上出来だ。」
イアンの評価に、ルイスは誇らしげに笑った。
「お前に褒められるとは思わなかったな。」
三人は久しぶりに顔を揃え、旅の再スタートを切った。
「久しぶりだね、こうやって二人だけで旅するの。」
アリアが歩きながら笑顔で振り返る。イアンはふと足を止めて、視線を前方に戻した。
「そうだな。ここ最近はルイスが一緒だったからな。」
「……まあ、あの人がいないと静かでいいけどね!」
アリアが冗談っぽく笑うと、イアンの口元がわずかに緩んだ。
「静かすぎて落ち着かないんじゃないのか?」
その言葉に、アリアは慌てて否定する。
「そんなことないよ! だって、あんたがいるじゃん。十分安心できるってば!」
軽い調子で言ったつもりだったが、言葉が口をついて出た瞬間、自分で顔が熱くなるのを感じた。
(……なに言ってんの、私……)
一方のイアンは無表情のままだったが、歩く速度がわずかに遅くなった。
「お前がそう思うなら、それでいい。」
その低い声には、微かな照れが混じっていた。
途中、突然茂みから中型の魔物が飛び出してきた。
「来たっ!」
アリアが素早く剣を構え、盾で魔物の突進を防ぐ。
「イアン!」
「分かっている。」
イアンが杖を振り、足元から土の手が現れる。「アース・バインド」の呪文だ。魔物が足を取られた隙を逃さず、アリアが剣を振り下ろす。
「よし……完璧!」
息の合った連携で魔物を倒した二人は、軽く息を整える。
「こうやって戦うと、私たち結構いいコンビだよね。」
アリアが嬉しそうに言うと、イアンは静かに頷いた。
「まあ、お前が無茶をしなければな。」
「またそれ? 無茶なんてしてないよ、これでも。」
アリアが拗ねたように口を尖らせると、イアンはほんの少しだけ声を緩めた。
「ならいい。だが、俺はお前が傷つくのを見たくない。」
その言葉に、アリアの胸が軽く締め付けられる。
(……私が傷つくのを、見たくない……?)
一瞬で、彼の言葉の重みが心に響いてきた。
「な、なんでそんなこと言うの……」
アリアが小声で呟くと、イアンはあくまで淡々と答えた。
「お前が俺にとって大切だからだろう。」
その一言に、アリアは言葉を失った。
(大切……?)
心臓が高鳴り、顔が赤くなるのを感じながら、彼の横顔を盗み見る。イアンはあくまで平静を保っているが、ほんの少し耳が赤くなっているのに気づいた。
(……ああ、もう、何なのこれ……!)
翌日、二人が宿場町で休息を取っていると、ふとした気配にアリアが振り向いた。
「やあ、久しぶりだな。」
ルイス・テミスが、相変わらずの余裕たっぷりな態度で立っていた。
「……なんでルイスがここにいるの?」
アリアが驚きつつ尋ねると、ルイスは肩をすくめて微笑む。
「王都から依頼を送ったのは俺だ。ここで合流しようと思ってな。」
「……ルイスって、本当に唐突すぎる。」
アリアが呆れるのを横目に、ルイスはイアンに目を向ける。
「お前も元気そうだな。前回の旅で大分疲れただろうに。」
「お前ほど図太くはないからな。」
イアンが冷ややかに返すと、ルイスは「相変わらず口が悪い」と苦笑した。
「ま、俺にも反省点があったからな。お前たちのサポートを受けられるよう、少しだけ成長したつもりだ。」
そう言うと、ルイスは片手を軽く挙げ、魔力障壁を展開して見せた。それは以前とは違い、前方だけに限定的に広がるよう調整されていた。
「どうだ? 器用だろう。」
その技術に、アリアもイアンも少し驚いた様子を見せる。
「……上出来だ。」
イアンの評価に、ルイスは誇らしげに笑った。
「お前に褒められるとは思わなかったな。」
三人は久しぶりに顔を揃え、旅の再スタートを切った。
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