先輩勇者が、人間側を裏切った。
その理由も、真意も、後輩である私たちには知らされなかった。
残された後輩冒険者たちは疑われる。
次に裏切るのは、お前たちではないのか――と。
そして下された判断は、
「使い捨てても惜しくない勇者」として
魔王戦線へ送り出すことだった。
人間側に絶対の正義はなく、
魔王側も単なる悪とは限らない。
裏切りと猜疑が渦巻く戦場で、
後輩勇者たちは生き延びるために剣を取る。
――これは、
世界の在り方が変わる、その前夜の物語。
文字数 108,956
最終更新日 2026.04.19
登録日 2026.01.20
世界を救い、魔王を討伐して凱旋したその日。
夫である王子の隣には、見知らぬ女性が立っていた。
どうやら私は、死ぬと思われていたらしい。
――でしたら、契約に基づき慰謝料を請求いたします。
裏切りに泣くつもりはない。
王家相手であろうと、理は理。
淡々と取り立て、淡々と清算するだけのこと。
けれどどうやら、私の帰還を歓迎しない者もいるようで……?
世界を救った魔法使いが、夫と王家から正当に取り立てるお話。
文字数 15,115
最終更新日 2026.04.19
登録日 2026.04.17
下級貴族出身の私は、伯爵家に嫁いでから、ひたすらにお茶会を重ねてきた。
それはすべて、この家を支えるためのものだった。
けれど夫は、それを「無駄な遊び」と切り捨てる。
「代わりはいくらでもいる」と。
だから私は、何も言わずに去った。
——その日から、伯爵家は静かに崩れ始める。
お茶会で築いていたものが何だったのか、誰も知らないまま。
文字数 59,931
最終更新日 2026.04.19
登録日 2026.04.10
転生した私は、原作で“推し騎士の心の傷”として散る聖女だった。
彼の人生を変える、たった一度の喪失。
知ってしまった未来に胸を焦がしながら、私は原作の彼を曇らせる“美しい傷”としての役割を受け入れる。
けれど旅の途中、推しであるはずの彼の視線が、聖女ではなく、私本人に向き始めて……?
これは、運命を知る聖女と、知らぬまま愛を深める騎士の物語。
文字数 70,638
最終更新日 2026.04.09
登録日 2026.02.20
悪役令嬢に転生した私は、いずれ自分が断罪される未来を知っている。
理由はひとつ。
婚約者が、妹を選んでしまうからだ。
だから決めた。
彼を奪わない。妹を傷つけない。
私は静かに身を引こう、と。
体調不良を理由に距離を取って、
二人が結ばれるのを待つ――はずだったのに。
なぜか婚約者は、離れるほど私を追いかけてくる。
「君を失う未来なんて認めない」
……どうして、溺愛されているのですか?
文字数 34,959
最終更新日 2026.04.05
登録日 2026.03.13
夫である王太子は、愛する令嬢を「聖女」だと宣言しました。
世襲聖女として国を守り続けてきた私と、まだ幼い娘がいるにもかかわらず。
離縁を告げられた私は、静かに頷きます。
聖女の務めも、王妃の座も、もう十分です。
本物の聖女がいなくなった国がどうなるのか——
それは、私の知るところではありません。
娘を連れて南国へ移住した私は、二度と王都へ戻らないと決めました。
たとえ、今さら国が困り始めたとしても。
文字数 35,542
最終更新日 2026.04.04
登録日 2026.03.20
婚約者のアルベルトは、優しい人だった。
ただ――いつも、私より優先する存在がいただけで。
「君は分かってくれると思っていた」
その一言で、リーシェは気づいてしまう。
私は、最初から選ばれていなかったのだと。
これは、奪われた恋を取り戻す物語ではない。
後悔する彼と、もう戻らないと決めた私、
そして“私を選ぶ人”に出会うまでの、静かな恋の終わりと始まりの物語。
文字数 33,337
最終更新日 2026.04.03
登録日 2026.03.13
王妃付き護衛騎士である夫に、「お前を愛したことはない」と告げられた。
理由は単純。
愛などなくても、仕事に支障はないからだという。
──そうですか。
それなら、こちらも遠慮する必要はありませんね。
王妃の機嫌、侍女たちとの関係、贈り物の選定。
夫が「当然のように」こなしていたそれらは、すべて私が整えていたもの。
離婚後、少しずつ歯車は狂い始める。
気づいたときにはもう遅い。
積み上げてきた信用は、静かに崩れていく。
一方で私は、王妃のもとへ。
今さら引き止められても、遅いのです。
文字数 22,207
最終更新日 2026.03.29
登録日 2026.03.27
かつて勇者として人間の国を救ってきた私――リュシエルは、
ある理由から人間を裏切り、魔王軍についた。
滅ぼされた天使の国の真実。
家族の選択。
そして、勇者として長年の相棒・ベル。
説明すれば、きっと止められる。
だから私は何も言わず、彼の前から姿を消した。
……それなのに。
ダンジョンで再会したベルは、
何事もなかったかのように私の名前を呼び、
当然のように「戻れ」と言った。
それは作戦なのか。
勇者としての判断なのか。
それとも――私情なのか。
凱旋式での派手な告白さえ、
私は信じきれずにいた。
天使一族は裏切り者となり、
今の私と一緒にいることは、
ベルにとって何の保証にもならない。
それでも彼は、夜の静けさの中で言葉にする。
「俺は、そばにいたい」
相棒として特別だった時間と、
恋愛として踏み込んでいいのか分からなかった想い。
疑い、すれ違い、それでも向き合った先で、
私はようやく――彼の本心を受け取る。
これは、
人間を裏切った元勇者と、
それでも迎えに来た相棒の、
じれ甘で少し重たい恋愛ファンタジー。
文字数 58,168
最終更新日 2026.03.28
登録日 2026.02.13
「私は処刑される運命の悪役令嬢――そう信じて、死を望んでいた。
けれど、幼なじみの騎士は『この命に代えても守る』と離してくれなくて……?」
侯爵令嬢アメリアは、幼い頃から「悪役令嬢」として囁かれてきた。
その冷たい視線と噂の中で、彼女は静かに己の役目を受け入れていた――。
けれど、すべてを遠ざけようとする彼女の前に現れたのは、まっすぐに想いを示す幼なじみの騎士。
揺らぐ心と、重ねてきた日々。
運命に逆らえないはずの未来に、ほんの少しの希望が灯る。
切なく、温かく、甘やかに紡がれる悪役令嬢物語。
最後まで見届けていただければ幸いです。
※ 攻略対象の叔母である悪役令嬢に転生したけれど、なぜか攻略対象の甥に激重に愛されてます
にて、親世代の恋愛模様を描いてます。
文字数 48,236
最終更新日 2026.03.21
登録日 2026.01.09
「君は強いから大丈夫だろ?」
隣領から来た貴族の娘を紹介した婚約者は、私にそう言った。
平民ながら魔力が多く、魔法学校に特待生として通っていた私は、在学中に領主の息子に見初められた。
「君の力なら、この街を守れる。一緒に守ろう」
そう言われて彼の領地に来て、婚約した。
それから数年。
街にはほとんど魔物が近づかなくなり、平和な日々が続いていた。
――あの日までは。
隣領から来た貴族の娘を紹介した婚約者は、私にこう言った。
「君は強いから大丈夫だろ?」
その言葉を聞いた瞬間、私はようやく気づく。
彼にとって私は、何だったのか。
だから私は、静かに街を出ることにした。
……今さら探しに来ても遅いです。
文字数 4,519
最終更新日 2026.03.20
登録日 2026.03.19
祖父が創立した大商会で、跡継ぎとして働いている私。
けれど婚約者は、私より幼馴染を選びました。
それなら構いません。
婚約という契約を守れない相手と、これ以上関係を続けるつもりはありませんから。
祖父の商会は隣国と新たな取引を始めることになりました。
――その途端、なぜか元婚約者が謝罪に来るようになりましたが、もう遅いです。
文字数 8,649
最終更新日 2026.03.15
登録日 2026.03.13
跡継ぎとして育てられた私には、将来を約束された婚約者がいた。
――けれど彼は、私ではなく「妹」を選んだ。
妹は父の愛人の子。
身分も立場も分かったうえでの選択だと思っていたのに、
彼はどうやら、何も理解していなかったらしい。
婚約を破棄し、妹と結ばれた彼は、
当然のように貴族の立場を失い、平民として生きることになる。
一方で、妹は覚悟を決めて現実に向き合っていく。
だが彼だけが、最後まで「元に戻れる」と信じ続けていた。
これは、誰かが罰した物語ではない。
ただ、選んだ道の先にあった現実の話。
覚悟のなかった婚約者が、
自分の選択と向き合うまでを描いた、静かなざまぁ物語。
文字数 5,960
最終更新日 2026.03.07
登録日 2026.03.06
政略結婚として、公爵家に嫁いだ私は
愛のない夫婦関係を「仕事」だと思い、正妻の役目を果たしてきた。
夫が愛人を持つことも、
その子を屋敷に迎え入れることも、黙って受け入れてきた。
けれど――
跡取りを、正妻の子ではなく愛人の子にする。
その言葉を、人前で軽く口にした瞬間。
私は悟ったのだ。
この家では、息子を守れないと。
元々、実家との間には
「嫡子以外の子は実家の跡取りにする」という取り決めがあった。
ならば話は簡単だ。
役目を終えた私は、離縁を選ぶ。
息子と共に、この家を去るだけ。
後悔しているようですが――
もう、私の知るところではありません。
文字数 26,284
最終更新日 2026.03.01
登録日 2026.02.23
王国で代々“祈り”を担ってきた聖女である私は、
ある日突然「役立たず」と断じられ、王都から追放された。
祈りの力は目に見えず、平和が続くほど軽んじられる。
それでも私は、国のために祈り続けてきた――追放される、その日まで。
王都を離れた私は、もう祈らなかった。
義務でも使命でもないものを、続ける理由はなかったから。
それから一年。
王国は、静かに、確実に滅びへ向かっていく。
これは、祈らなくなった“役立たず”と、
祈りを失った王国の、因果応報の物語。
文字数 6,006
最終更新日 2026.02.28
登録日 2026.02.27
成金と揶揄される伯爵家の令嬢である私は、
名門だが実情はジリ貧な公爵家の令息と婚約していた。
公爵家の財政管理、契約、商会との折衝――
そのすべてを私が担っていたにもかかわらず、
彼は隣国の王女と結ばれることになったと言い出す。
「まあ素敵。では、私たちは円満に婚約解消ですね」
そう思っていたのに、返ってきたのは
「婚約破棄だ。君の不出来が原因だ」という言葉だった。
……はぁ?
有責で婚約破棄されるのなら、
私が“善意で管理していたもの”を引き上げるのは当然でしょう。
資金も、契約も、人脈も――すべて。
成金伯爵家令嬢は、
もう都合のいい婚約者ではありません。
文字数 5,671
最終更新日 2026.02.14
登録日 2026.02.13
精霊魔法を使えない――
その理由だけで「不要」と判断され、家を追われた貴族令嬢セシリア・ローディン。
彼女が送られたのは、魔境に近く、精霊の気配がほとんどない開拓地だった。
形式上は人間の領域だが、住んでいるのは魔族との混血が多く、
これまで領主が実際に住み着いたことはない土地。
「領主が、本当に来たの?」
そんな温度の低い反応の中、
セシリアは使われていなかった屋敷を掃除するところから生活を始める。
精霊に頼らず、自前の魔力と工夫で畑を整え、
少しずつ“ここで生きられる形”を作っていく日々。
やがて、精霊王の機嫌を損ねたことで人間の世界に大飢饉が訪れる。
しかし、精霊に依存しない魔境近くの土地では、作物が普通に育っていた。
「ここは、普通にご飯が食べられるんだね」
行商人の一言で知る、外の世界との温度差。
そして――作物を求めて訪れる、かつてセシリアを不要とした人々。
これは、
精霊に選ばれなかった少女が、
選ばれなかった土地で居場所を築き、
静かに“必要な存在”になっていく物語。
文字数 36,061
最終更新日 2026.02.07
登録日 2026.01.24