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「では、まもなく第七王女殿下がいらっしゃいます」
ノルベルトが静かに報告を上げる。
私は頷き、隣に立つカティアに視線を向けた。
「緊張しなくていい。今日はあくまで内々の練習だ。王族内での最初の茶会としては良い機会だろう」
「……心得ております」
カティアは一切表情を崩さず、静かに頷いた。
既に漂うその落ち着きは、まるで幼少から宮廷教育を受けた王女のようだった。
(この適応力……本当に凄まじいな)
私は内心、静かな驚嘆を覚えていた。
間もなく、重厚な扉が静かに開く。
「お待たせしましたわ、兄上」
柔らかな笑みを浮かべて現れたのは、第七王女――
エメラルド宮の妃を母に持つ王女、ソフィアだった。
「ようこそ、ソフィア」
「お招きに感謝いたしますわ」
優雅に一礼する姿はまさに王族の正統。
そして彼女の視線は、私の隣に控えるカティアへと自然に向かう。
「まあ……貴女が、カティア様ですね?」
「初めまして、第七王女殿下。第十一王女カティア・アゲート・アレストにございます。今後とも何卒宜しくお願い申し上げます」
カティアは流麗な礼法で一礼した。
その所作は完璧だった。
一瞬、ソフィアの瞳が僅かに驚きに揺らぐ。
(ふふ、驚いたな)
私は内心で満足げに微笑む。
育て始めてまだ僅かな期間でここまで体現するとは、改めて彼女の才を確信する。
「まあ、本当にお見事ですわね。さすが兄上のお目に適った方ですわ」
ソフィアは瞬時に表情を整え、柔和な微笑を返した。
――彼女もまた、王族の生まれだけに状況を即座に理解したのだろう。
今後兄の妃となる少女は、自らが輿入れする隣国との仲介役にもなり得る。
「どうぞ、席について」
ティーテーブルには季節の菓子と茶葉が優雅に用意されている。
三人の王族茶会が静かに始まった。
◇ ◇ ◇
「私はまもなく隣国へ参りますが……兄上が后を迎えられたなら、この国に残る姉妹として今後も様々な相談を持ちかけることがあるでしょう」
「はい。微力ながら、お力添えができるよう精進いたします」
「まあ、心強いですわ。……お若いながら、既に宮廷の空気をよく掴んでおられますのね」
「過分なお言葉、恐れ入ります」
カティアは柔らかく答えた。
警戒心に覆われていた頃とは違い、ここではまるで自然体の宮廷王女のように振る舞っている。
その様子を、私は静かに眺める。
(これを埋もれさせるわけにはいかない)
まだ感情的な好意ではない。
だが、救い上げるべき価値が確かにそこにあると、私は強く感じていた。
「さて、カティア。今日は本当に良くやった。胸を張りなさい」
「……はい」
カティアは控えめに、しかしどこか誇らしげに小さく微笑んだ。
その微かな変化を私は見逃さない。
(少しずつ、だ)
柔らかな陽光がルナ離宮のテラスに差し込んでいた。
ノルベルトが静かに報告を上げる。
私は頷き、隣に立つカティアに視線を向けた。
「緊張しなくていい。今日はあくまで内々の練習だ。王族内での最初の茶会としては良い機会だろう」
「……心得ております」
カティアは一切表情を崩さず、静かに頷いた。
既に漂うその落ち着きは、まるで幼少から宮廷教育を受けた王女のようだった。
(この適応力……本当に凄まじいな)
私は内心、静かな驚嘆を覚えていた。
間もなく、重厚な扉が静かに開く。
「お待たせしましたわ、兄上」
柔らかな笑みを浮かべて現れたのは、第七王女――
エメラルド宮の妃を母に持つ王女、ソフィアだった。
「ようこそ、ソフィア」
「お招きに感謝いたしますわ」
優雅に一礼する姿はまさに王族の正統。
そして彼女の視線は、私の隣に控えるカティアへと自然に向かう。
「まあ……貴女が、カティア様ですね?」
「初めまして、第七王女殿下。第十一王女カティア・アゲート・アレストにございます。今後とも何卒宜しくお願い申し上げます」
カティアは流麗な礼法で一礼した。
その所作は完璧だった。
一瞬、ソフィアの瞳が僅かに驚きに揺らぐ。
(ふふ、驚いたな)
私は内心で満足げに微笑む。
育て始めてまだ僅かな期間でここまで体現するとは、改めて彼女の才を確信する。
「まあ、本当にお見事ですわね。さすが兄上のお目に適った方ですわ」
ソフィアは瞬時に表情を整え、柔和な微笑を返した。
――彼女もまた、王族の生まれだけに状況を即座に理解したのだろう。
今後兄の妃となる少女は、自らが輿入れする隣国との仲介役にもなり得る。
「どうぞ、席について」
ティーテーブルには季節の菓子と茶葉が優雅に用意されている。
三人の王族茶会が静かに始まった。
◇ ◇ ◇
「私はまもなく隣国へ参りますが……兄上が后を迎えられたなら、この国に残る姉妹として今後も様々な相談を持ちかけることがあるでしょう」
「はい。微力ながら、お力添えができるよう精進いたします」
「まあ、心強いですわ。……お若いながら、既に宮廷の空気をよく掴んでおられますのね」
「過分なお言葉、恐れ入ります」
カティアは柔らかく答えた。
警戒心に覆われていた頃とは違い、ここではまるで自然体の宮廷王女のように振る舞っている。
その様子を、私は静かに眺める。
(これを埋もれさせるわけにはいかない)
まだ感情的な好意ではない。
だが、救い上げるべき価値が確かにそこにあると、私は強く感じていた。
「さて、カティア。今日は本当に良くやった。胸を張りなさい」
「……はい」
カティアは控えめに、しかしどこか誇らしげに小さく微笑んだ。
その微かな変化を私は見逃さない。
(少しずつ、だ)
柔らかな陽光がルナ離宮のテラスに差し込んでいた。
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