没落領地の転生令嬢ですが、領地を立て直していたら序列一位の騎士に婿入りされました

藤原遊

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第6章 姉との共闘

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「……また、呼ばれてしまった」

差し出された招待状を握りしめ、私は机に突っ伏した。
送り主は、姉イザベラ。しかも文面はたった一行――

『エレオノーラ、また二人きりのお茶会をいたしましょう』

グレーテに見せた瞬間、乳母の瞳がきらりと光る。

「お嬢様、準備をなさらねばなりませんね」

その日から、地獄の令嬢教育が始まった。
お辞儀の角度、カップの持ち方、会話の呼吸……。
少しでも間違えば、すかさず「違います!」と指導が飛ぶ。

「ひぃ……! こんなの前世のブラック研修よりキツいんですけど……!」

泣きべそをかきながらも、私は必死に覚え込んだ。

(せっかくの姉様の誘いだし……粗相はできない!)

――そして当日。

姉イザベラは優雅に微笑んで出迎えてくれた。
淡い薔薇色のドレスに柔らかな微笑み。十二歳とは思えない美貌と落ち着き。
思わず見惚れてしまう。

「エレオノーラ、よく来てくれたわ」
「は、はいっ……!」

緊張で喉がカラカラになる私を、姉は柔らかい声で導いてくれる。
お茶の香りが漂う中、ぎこちなく会話を重ねていくと……。

「そうだわ。エレオノーラ、教会で流行らせた曲を教えてちょうだい」

「えっ」

「それと、できれば新しい曲も」

――まさかのリクエスト二連打。

(い、いきなりハードル高い!!)

でも、姉の真っ直ぐな瞳に押され、私は深呼吸して歌い出した。
一曲目は教会アイドルたちに歌わせた替え歌。
二曲目は急ごしらえのアレンジ。

「……」

イザベラはしばらく目を閉じて聞いていたが、最後にふぅとため息をついた。

「よくやったわ、エレオノーラ。これで私は“エレオノーラ派”の一人ね」

「……はい?」

思わず固まる私。

(え、なにその物騒な宣言!? 派閥って、あの派閥? 政争とかで聞くアレ??)

にっこり笑う姉の姿は相変わらず優雅で――
けれど告げられた言葉は、どうにも重たすぎて。

「……わ、私、今、何かとんでもないこと始めちゃった……!?」

心の中で頭を抱える私をよそに、姉は静かに紅茶を口に運んでいた。
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