没落領地の転生令嬢ですが、領地を立て直していたら序列一位の騎士に婿入りされました

藤原遊

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第1章 専属選抜

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学院からの帰還の日。城門前には生徒を迎える家族たちが集まり、制服姿の少年少女たちが嬉々として再会を果たしていた。

その中に姉イザベラの姿を見つけ、私は駆け寄る。

「お姉様!」

「まあ、エレオノーラ。背も伸びて、すっかり貴族の令嬢らしくなったわね」

おっとりと微笑むイザベラに、胸の奥が温かくなる。
彼女の言葉は飾り気がないのに、不思議と心が落ち着いた。

数日後。
イザベラに誘われて二人きりのお茶会が開かれた。

テーブルには香り高い茶葉と、小さな焼き菓子、つまりクッキー。窓から入る柔らかな日差しが、どこか学院の空気をまとった姉を照らしていた。

「学院では、あなたの曲がとても流行していたのよ」

「え、あれ……? 本当に……?」

思わず遠い目になる私に、イザベラはくすりと笑った。

「そのおかげで、領地としての序列も少し上がったの。学生の成績が良かったのもあるけれど、要は“目立った領地”になったということね」

私は口をぱくぱくさせた。

(……アイドルソングで序列が上がる世界って、ほんとどうなの……)

イザベラは軽く首を傾げて、思い出したように言った。

「そういえば、リヒャルトから聞いたのは専属のお話でしたかしら?」

「年齢からすると、少し早いのですが……」

「エレオノーラなら早いということはないわ、今から鍛えておいて損は無いもの。
では、リヒャルトに私が指名している専属を伝えておくわね」

ふっとイザベラは真顔になり、そっとカップを置く。

「でも、覚えておきなさい。派閥に配慮しないと危険よ。人を選ぶというのは、その家と繋がるということよ」

「……派閥……」

その言葉の重さに息を呑む。人を増やすことが大事だと思っていたけれど、その裏には家の歴史や思惑まで絡むのだ。

「エレオノーラ、あなたはもう領主一族の一人。軽い気持ちでの選択が、領地全体を揺らすこともあるの」

おっとりとした声音なのに、胸に刺さる言葉。私は姉の手を見つめながら、初めて「人を選ぶ」ということの重さを実感していた。

「リヒャルトとヴィルヘルムによく話を聞きなさいね」

そう言って姉は優しく微笑んだ。
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