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リゼ2
6.もうひとつの石
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領地に気がかりを残しつつ無事に王都に戻ったリゼは、ライナスの部屋を訪れた。
首を長くして待っていたライナスは、リゼの顔を見るなり文字どおり飛び上がって喜んだ。
「リゼさん、よくぞ無事に帰ってくれました! どれほどあなたを心待ちにしていたことか!
もちろん私の帰国の日が迫っているというのもありますが、聞けばあなた、ルースライン領というのはものすごい僻地だそうじゃないですか。私のために厳しい道のりを急がせてしまいましたね。
思っていたよりもずいぶん早い戻りでしたが、相当急いでくれたのですか? 危なくはなかったのですか?
よく顔を見せてください。ああ、たったの七日でやつれてしまって。怪我がなくて何よりです。本当に、本当に良かったです」
言葉の切れ目をどうにか見つけて、リゼが返事をする。
「ご心配をおかけしました。ですがルースラインまでの道はとても良くなっていますのでご安心ください。
こちらが領地の石を磨いたものになります」
「ああっ! リゼさんが私のために持ち帰ってくれた石ですね!
どれどれ、ほうほう、様々な色や柄があってこれは目に楽しいものですね。
おや、この石は私の妻の目と同じ色です。こっちは息子で、これは息子のお嫁さんの色ですね」
土産の石を見てライナスが目を輝かせている。
リゼにとっては見慣れた石だ。
このような物が土産になるのかと不安を拭えずにいたが、ライナスの反応を見てようやく胸を撫で下ろした。
ふとライナスの動きが止まる。
その手元にあるのは緑色の石だ。
「リゼさん、このような素晴らしいお土産を教えてくださってありがとうございます。
あなたに調達してもらったものをお礼というのはおかしいかもしれませんが、これはあなたが持っていてください」
そう言って渡された石は、ギルベルトの瞳と同じ色をしていた。
ライナスは、リゼがつけているイヤリングが大切な人の色であることに気づいていたらしい。
はにかみながら受け取るリゼに、ライナスが言いにくそうに続ける。
「それでリゼさん、あなたに借りている根付けなのですけども、鉱物好きの同胞に頼まれて渡してしまいましてね…。
あ! もちろん傷などつけずすぐに返すように言ってありますが、又貸しなど申し訳ないことをしました」
「いつか返していただけるのでしたら問題ありません。それに今日からは大切な石がもう一つ増えましたし……」
自分の言葉に照れるリゼを、ライナスが優しく見つめていた。
首を長くして待っていたライナスは、リゼの顔を見るなり文字どおり飛び上がって喜んだ。
「リゼさん、よくぞ無事に帰ってくれました! どれほどあなたを心待ちにしていたことか!
もちろん私の帰国の日が迫っているというのもありますが、聞けばあなた、ルースライン領というのはものすごい僻地だそうじゃないですか。私のために厳しい道のりを急がせてしまいましたね。
思っていたよりもずいぶん早い戻りでしたが、相当急いでくれたのですか? 危なくはなかったのですか?
よく顔を見せてください。ああ、たったの七日でやつれてしまって。怪我がなくて何よりです。本当に、本当に良かったです」
言葉の切れ目をどうにか見つけて、リゼが返事をする。
「ご心配をおかけしました。ですがルースラインまでの道はとても良くなっていますのでご安心ください。
こちらが領地の石を磨いたものになります」
「ああっ! リゼさんが私のために持ち帰ってくれた石ですね!
どれどれ、ほうほう、様々な色や柄があってこれは目に楽しいものですね。
おや、この石は私の妻の目と同じ色です。こっちは息子で、これは息子のお嫁さんの色ですね」
土産の石を見てライナスが目を輝かせている。
リゼにとっては見慣れた石だ。
このような物が土産になるのかと不安を拭えずにいたが、ライナスの反応を見てようやく胸を撫で下ろした。
ふとライナスの動きが止まる。
その手元にあるのは緑色の石だ。
「リゼさん、このような素晴らしいお土産を教えてくださってありがとうございます。
あなたに調達してもらったものをお礼というのはおかしいかもしれませんが、これはあなたが持っていてください」
そう言って渡された石は、ギルベルトの瞳と同じ色をしていた。
ライナスは、リゼがつけているイヤリングが大切な人の色であることに気づいていたらしい。
はにかみながら受け取るリゼに、ライナスが言いにくそうに続ける。
「それでリゼさん、あなたに借りている根付けなのですけども、鉱物好きの同胞に頼まれて渡してしまいましてね…。
あ! もちろん傷などつけずすぐに返すように言ってありますが、又貸しなど申し訳ないことをしました」
「いつか返していただけるのでしたら問題ありません。それに今日からは大切な石がもう一つ増えましたし……」
自分の言葉に照れるリゼを、ライナスが優しく見つめていた。
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