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第二部 エリミア編
62 ザルウィンの死体
しおりを挟む「これが、ザルウィン・クルトナか・・・」
ガルクはどこかで、ザルウィンは生きてる気がしてた。なぜかは分からないが、彼の直感がそう思っていた
「ザルウィン・・・」
ネオルノ先生は死体を見つめたまま動かなくなった。瞬きすらしていない。旧友の死体をやっと見れたことが嬉しくもあり、悲しくもある複雑な気持ちなのだろう
「ネオルノ先生。ガルク。これで、望みは叶った?」
「あぁ」
「ザルウィン・クルトナの死体は、ここに置いていくのですか?」
ネオルノ先生がアイリンに聞いた
「ネオルノ先生?」
「ザルウィンは偉大な男でした。エリミアの全員が彼を弔いたいのではないでしょうか?」
「先生・・・。ザルウィンはこのままにします。彼は骨化してしまったので、蘇生できませんし。先祖の気持ちを子孫は尊重しないといけませんから」
ガルクはザルウィン・クルトナの骨を見つめた
「ありがとう。みんなに希望を与えてくれて・・・。アイリンさん。帰りも歩くの?」
「いや、帰りは空間移動で帰るぞ」
「え?空間を切り裂きにくいと言ってなかった?」
「あぁ。だが、何回か試せば行けるだろう・・・。多分」
アイリンは、その場で空間を切り裂いた。しかし、空間が上手く裂けないので、何回も繰り返すことになった
「ネオルノ先生。ドードル。蓋を元に戻そう」
アイリンが空間移動の準備をしてる間に、ガルク達三人は棺の蓋を元に戻した
アイリンは何十回も空間移動のために空間を切り裂いてるが、上手くいかない
「大丈夫なの?」
「分からん!」
「仕方ない。父さんでも呼ぶ?」
ガルクは通信機を取り出した
「ガルーダを?絶対にヤダ!私のプライドが許さん!」
「もし、父さんが近くにいれば、瞬間移動で帰れるじゃん!」
「今日、ガルーダはバンジャン大陸とは裏側に居るぞ」
「じゃあ、ダメだね・・・」
アイリンがさらに繰り返し、やっと空間移動ができるようになった
「よっしゃ!お前ら出来たぞ!」
アイリンが喜んでいる間に、ガルク、ドードル、ネオルノ先生は待ちくたびれかのようにアイリンを無視して通った
「先行くなよ~!アクトすら私のことを待ってくれてるんだぞ!」
ザルウィン・クルトナの墓地に最後まで残されたのは、アイリンとアクトだった
数十年後。ガルクとシュリオン、フェーナ、フィオル、そして転入してきたドードルはリンドルズ学校を卒業しようとしていた。みんな、飛び級等で学年がバラバラだったが、みんなで卒業したいからと学年を均一化した
「シュリオンが馬鹿だから、私とフィオルが、何回か飛び級テスト受けなかったんだからね!ホントなら数年早く卒業できたのに!感謝してよね」
「すいません。けどさ、僕を唯一王にするために、手伝ってくれるなんて、君も馬鹿だろ?」
「は?あんたを唯一王にしたら、裏からエリミアを操れるじゃない!」
シュリオンとフェーナのやり取りをガルク、フィオル、ドードルが呆れて見てる
「あいつらが、星のトップになったら終わりだな」
「適当な理由つけて逮捕するか」
「二人とも、その前に大陸のトップにすらなれないと思うので安心してください」
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