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あのあとシュークリットは戻ってきたけれど、そのまま時間だからと帰ってしまった。
慌ただしかったので、欲しいものを聞こうと待ち構えていたのに聞けなかったのは痛恨の極みだ。
シュークリットとカスティにバイバイと手をふりふりしてから、自分の部屋に戻ろうと思いつつその場にとどまった。
うーむと首をひねる。
シュークリットの顔を見たら何か閃くだろうかと思ったけれど、やはりお返しのプレゼントが思いつかない。
施設の年下の子供たちはお菓子とかおもちゃが欲しいと常日頃から言っていた。
お菓子は無難でいいかもしれないと思ったけれど、よく考えればいつも一緒にチョコレートを食べているなと気づく。
チョコレートはシュークリットが持ってくるけれど、メイドが他のお菓子も少しテーブルに用意する。
クッキーとかマドレーヌとかの焼き菓子だ。
けれどシュークリットが食べているのは見たことがない。
「んんー」
記憶を掘り起こしてみるけれど、最初にクッキーを半分食べた以外は食べているのを見たことがない。
ご飯をいっぱい食べると言っていた気がするから、多分いつもお腹がいっぱいなんだろうと結論づけた。
「びうといっしょら」
ならばお菓子は却下だ。
食べられないのに美味しいものを目の前に出すのは駄目だ。
あれはなかなか辛いものがある。
ヘルヴィルはスープもパンももっと食べたいと思っているけれど、本人のやる気に反して胃は小さかった。
「んん……じゃあおもちゃ?」
くるりと丸い緑の目を斜め上に向けて、ふむと考える。
(げーむってあゆの?てれびはなさそう……)
子供ならばやはり遊ぶものかと考えるけれど、生前ゲームは遊んだことないしスマホは持っていなかった。
施設にもゲーム自体なかったので聞きかじった知識しかない。
友達がいれば家に遊びに行ったりして触る機会もあったかもしれないけれど、施設の子供は異端児扱いで遠巻きにされていたので、そんな出来事はおこらなかった。
知識も女子高生から聞きかじった程度だ。
そのときそのときでハマリ具合の一番強いゲームの話をされていたので、すべてがごっちゃになっている。
今の世界がゲームとして存外しっかり記憶にあったのは、女子高生が攻略本を見せてくれたからだ。
休憩がまるっと潰れたけれど、なかなか面白かったし今その世界にいるので助かっている。
それにしても生前の世界と今の世界ではどう見ても被る部分が少ない。
魔法があったりだだっ広いお屋敷にメイドがいたり、王子がいたり。
なので文化もだいぶ違うだろうというのがヘルヴィルの見解だ。
つまり、多分この世界にゲームはないだろうという結論が出る。
ならば他のおもちゃだけれど。
「どんなのあゆんだろ」
この世界のおもちゃとは何ぞやと、先ほどとは反対に首を傾げた。
ヘルヴィルの部屋にはそれらしいものはなかった。
絵本が数冊あっただけだ。
もしかしたら片付けられているだけかなと、傍らで考えに没頭してしまったヘルヴィルにあたふたしていたエイプリルを見上げた。
「えいぷいる、おもちゃもってゆ?」
「へ? ヘルヴィル様、おもちゃ欲しいんですか?」
驚いたようにエイプリルが目を丸くした。
眼鏡越しに見える目はレンズが厚いせいか、光が反射している。
「びうのじゃなくて、りっとの」
「あ!プレゼントですか?」
「う!」
ふんすと頷くと、エイプリルは頬に指をあてて悩まし気に眉を下げた。
動くたびに揺れる長いおさげを、ヘルヴィルはつい目で追ってしまう。
「ううーん……あの、殿下は多分おもちゃでは遊ばないですよ」
「あしょばないの!?」
驚きで思わず大声を上げてしまった。
緑の目がまるまると見張られる。
(あしょばないなら、なにやってゆの)
子供は遊ぶのが仕事ではなかろうか。
ちなみに記憶が戻ったヘルヴィルは最近絵本を読んでもらうのと、散歩にハマっている。
字はわからないけれど、エイプリルにねだると頬を赤くしながらも臨場感をもって読んでくれるのでなかなか楽しい。
散歩はまだ生活範囲のなかをちょっとしか出来ていない。
新しいルートを開拓したいとは思っているけれど、ついついいつも同じコースを辿ってしまう。
あとは昼寝だ。
めちゃくちゃ寝れる。
小さい子供は昼寝をするものだと知ってはいたけれど、電池が切れるみたいにガクッと眠くなる。
しかも昼間どれだけ寝ても、夜もすぐ寝付いて朝まですやすやだ。
ヘルヴィルは体力ないかもしれないと、ちょっと危機感を抱いている。
何となく予感はしていたけれど。
「殿下は王族ですし、お勉強が忙しいと思いますよ。剣術や魔法の訓練もあるでしょうし」
「え!?」
ヘルヴィルは素っ頓狂な声を上げた。
予想外の返答にまじまじとエイプリルを見るけれど、本人はいたって平静なので当たり前のことらしい。
ヘルヴィルはシュークリットの姿を思い出す。
ライトブラウンの髪と青い瞳。
ちょっと色気過多だけれど、面倒見がいい。
けれどまだ小さい子供だ。
ヘルヴィルより少し大きいだけだ。
(しょれ……たのしくないのでは)
子供って鼻水たらしながら走り回って遊ぶものじゃないのかと施設の子供達を思い出す。
なんか意味もなく大声だしたりとかしないのだろうかと考えるけれど、シュークリットはまずしなさそうだと改める。
(やりゅことおおすぎでは……これふつう?ふつうなの?)
ぐるぐると考えるけれど、学校に行っている様子がないのでそのぶん家で色々するのだろうかと予想を浮かべる。
この世界の標準文化がわからないので、結局予想がつかなくてすぐに断念した。
黙ってしまったヘルヴィルの顔を不安そうに見下ろすエイプリルを、ヘルヴィルは顔を上げてじっと見つめた。
そしてエイプリルもカスティも子供なのに仕事をしている事実を思い出す。
カスティはシュークリットと友達にも見えるけれど、従者兼護衛と言っていたので友人兼仕事相手といったことなのだろう。
はふうとヘルヴィルは目を伏せて嘆息した。
「せちがやい」
「どういう……?」
ヘルヴィルの言葉にエイプリルが首を傾げる。
ハテナマークを頭上に何個も浮かべているけれど、ヘルヴィルは気づかなかった。
それにしてもと考える。
んー……と目を足元に向けながら、そうなるとお返し本当にどうしようと。
指先でペンダントの青い石をちょいちょいといじる。
金細工が光を弾いてキラキラと光っていた。
高そうだよなと思ったところでハッと眉を跳ね上げる。
(ぷえぜんとかうのに、おかねない)
根本的な問題が浮上した。
二歳だからさすがにお小遣いを貰った記憶はない。
(え、らめでは?)
これは駄目だ。
駄目駄目すぎる。
どうするかとうんうん唸りながら、ヘルヴィルは眉を寄せた。
唇がうっかりとんがってしまう。
「ヘルヴィル様、殿下はカスティ様もおっしゃっていたように気にしませんよ。多分……きっと……」
説得していたエイプリルの声がだんだん小さくなっていく。
断言できないのがエイプリルらしかった。
「んんー……」
エイプリルの言葉に唸りながら首をひねる。
でもなあとヘルヴィルは思った。
記念すべきプレゼント第一号だし、それならやっぱりお返しはしたいよなと。
そしてまた閃いて、ハッと目をかっぴらいた。
お金がいくら使えるかまだわからない。
予算を先に決めてから店に行った方がいいのでは。
女子高生も言っていた。
ネットより現物を見て買わなきゃだと。
特にフィギアは顔が違うから吟味したいのにと言っていた。
あいにくフィギアがよくわからないけれど、色々見比べるのは大事な気がする。
ひょこりと顔を上げてエイプリルを見上げると、不思議そうに首を傾けた。
それに合わせておさげが揺れる。
(かいものは、えいぷいるがいっしょしてくえるはじゅ)
二歳だし。
生前の世界じゃチャイルドシートが必須な年齢だ。
そこで疑問がわいてくる。
この世界は自動車があるのかと。
(なしゃそう)
一瞬どうしようと思ったけれど、まあお金持ちっぽい我が家だし何かあるだろうと結論づけた。
そうなると店に行くために、お金はお小遣いを父親であるグレンに強請るしかない。
黒髪に無表情の美丈夫を思い出す。
年齢はよくわからないけれど、三人の子持ちだし美中年かなと思い浮かべる。
(くれりゅかなあ)
教育方針が厳しければ難しいかもしれない。
施設では個人的なお小遣いもなかったので、一般的な家庭がどうなのかがわからなかった。
無表情のグレンをもう一度思い浮かべる。
最低限しか会話はなかったし、新生ヘルヴィルになる前も関わりはほぼなかった。
ヘルヴィルに関心がないのかなと思うけれど、嫌われてはないと確信はある。
施設の子供というものはナチュラルに下に見られがちだ。
だから目って結構わかりやすいとヘルヴィルは思っている。
グレンの眼差しに蔑むような負の感情は感じない。
それはリスタースもルードレットも同様だ。
言い方はきついかなと思うけれど性格的なものの可能性がある。
二人とも見下すような目ではなかった。
兄姉というものを知らないのでなんとも言えないけれど、女子高生は兄のことを雑に扱っていると言っていた。
兄姉もただ単にそういった雑さなだけなのかもしれない。
グレンの方も親というものを知らないので、何とも言えない。
「……むじゅかしい」
ヘルヴィルははふうとため息を吐いた。
慌ただしかったので、欲しいものを聞こうと待ち構えていたのに聞けなかったのは痛恨の極みだ。
シュークリットとカスティにバイバイと手をふりふりしてから、自分の部屋に戻ろうと思いつつその場にとどまった。
うーむと首をひねる。
シュークリットの顔を見たら何か閃くだろうかと思ったけれど、やはりお返しのプレゼントが思いつかない。
施設の年下の子供たちはお菓子とかおもちゃが欲しいと常日頃から言っていた。
お菓子は無難でいいかもしれないと思ったけれど、よく考えればいつも一緒にチョコレートを食べているなと気づく。
チョコレートはシュークリットが持ってくるけれど、メイドが他のお菓子も少しテーブルに用意する。
クッキーとかマドレーヌとかの焼き菓子だ。
けれどシュークリットが食べているのは見たことがない。
「んんー」
記憶を掘り起こしてみるけれど、最初にクッキーを半分食べた以外は食べているのを見たことがない。
ご飯をいっぱい食べると言っていた気がするから、多分いつもお腹がいっぱいなんだろうと結論づけた。
「びうといっしょら」
ならばお菓子は却下だ。
食べられないのに美味しいものを目の前に出すのは駄目だ。
あれはなかなか辛いものがある。
ヘルヴィルはスープもパンももっと食べたいと思っているけれど、本人のやる気に反して胃は小さかった。
「んん……じゃあおもちゃ?」
くるりと丸い緑の目を斜め上に向けて、ふむと考える。
(げーむってあゆの?てれびはなさそう……)
子供ならばやはり遊ぶものかと考えるけれど、生前ゲームは遊んだことないしスマホは持っていなかった。
施設にもゲーム自体なかったので聞きかじった知識しかない。
友達がいれば家に遊びに行ったりして触る機会もあったかもしれないけれど、施設の子供は異端児扱いで遠巻きにされていたので、そんな出来事はおこらなかった。
知識も女子高生から聞きかじった程度だ。
そのときそのときでハマリ具合の一番強いゲームの話をされていたので、すべてがごっちゃになっている。
今の世界がゲームとして存外しっかり記憶にあったのは、女子高生が攻略本を見せてくれたからだ。
休憩がまるっと潰れたけれど、なかなか面白かったし今その世界にいるので助かっている。
それにしても生前の世界と今の世界ではどう見ても被る部分が少ない。
魔法があったりだだっ広いお屋敷にメイドがいたり、王子がいたり。
なので文化もだいぶ違うだろうというのがヘルヴィルの見解だ。
つまり、多分この世界にゲームはないだろうという結論が出る。
ならば他のおもちゃだけれど。
「どんなのあゆんだろ」
この世界のおもちゃとは何ぞやと、先ほどとは反対に首を傾げた。
ヘルヴィルの部屋にはそれらしいものはなかった。
絵本が数冊あっただけだ。
もしかしたら片付けられているだけかなと、傍らで考えに没頭してしまったヘルヴィルにあたふたしていたエイプリルを見上げた。
「えいぷいる、おもちゃもってゆ?」
「へ? ヘルヴィル様、おもちゃ欲しいんですか?」
驚いたようにエイプリルが目を丸くした。
眼鏡越しに見える目はレンズが厚いせいか、光が反射している。
「びうのじゃなくて、りっとの」
「あ!プレゼントですか?」
「う!」
ふんすと頷くと、エイプリルは頬に指をあてて悩まし気に眉を下げた。
動くたびに揺れる長いおさげを、ヘルヴィルはつい目で追ってしまう。
「ううーん……あの、殿下は多分おもちゃでは遊ばないですよ」
「あしょばないの!?」
驚きで思わず大声を上げてしまった。
緑の目がまるまると見張られる。
(あしょばないなら、なにやってゆの)
子供は遊ぶのが仕事ではなかろうか。
ちなみに記憶が戻ったヘルヴィルは最近絵本を読んでもらうのと、散歩にハマっている。
字はわからないけれど、エイプリルにねだると頬を赤くしながらも臨場感をもって読んでくれるのでなかなか楽しい。
散歩はまだ生活範囲のなかをちょっとしか出来ていない。
新しいルートを開拓したいとは思っているけれど、ついついいつも同じコースを辿ってしまう。
あとは昼寝だ。
めちゃくちゃ寝れる。
小さい子供は昼寝をするものだと知ってはいたけれど、電池が切れるみたいにガクッと眠くなる。
しかも昼間どれだけ寝ても、夜もすぐ寝付いて朝まですやすやだ。
ヘルヴィルは体力ないかもしれないと、ちょっと危機感を抱いている。
何となく予感はしていたけれど。
「殿下は王族ですし、お勉強が忙しいと思いますよ。剣術や魔法の訓練もあるでしょうし」
「え!?」
ヘルヴィルは素っ頓狂な声を上げた。
予想外の返答にまじまじとエイプリルを見るけれど、本人はいたって平静なので当たり前のことらしい。
ヘルヴィルはシュークリットの姿を思い出す。
ライトブラウンの髪と青い瞳。
ちょっと色気過多だけれど、面倒見がいい。
けれどまだ小さい子供だ。
ヘルヴィルより少し大きいだけだ。
(しょれ……たのしくないのでは)
子供って鼻水たらしながら走り回って遊ぶものじゃないのかと施設の子供達を思い出す。
なんか意味もなく大声だしたりとかしないのだろうかと考えるけれど、シュークリットはまずしなさそうだと改める。
(やりゅことおおすぎでは……これふつう?ふつうなの?)
ぐるぐると考えるけれど、学校に行っている様子がないのでそのぶん家で色々するのだろうかと予想を浮かべる。
この世界の標準文化がわからないので、結局予想がつかなくてすぐに断念した。
黙ってしまったヘルヴィルの顔を不安そうに見下ろすエイプリルを、ヘルヴィルは顔を上げてじっと見つめた。
そしてエイプリルもカスティも子供なのに仕事をしている事実を思い出す。
カスティはシュークリットと友達にも見えるけれど、従者兼護衛と言っていたので友人兼仕事相手といったことなのだろう。
はふうとヘルヴィルは目を伏せて嘆息した。
「せちがやい」
「どういう……?」
ヘルヴィルの言葉にエイプリルが首を傾げる。
ハテナマークを頭上に何個も浮かべているけれど、ヘルヴィルは気づかなかった。
それにしてもと考える。
んー……と目を足元に向けながら、そうなるとお返し本当にどうしようと。
指先でペンダントの青い石をちょいちょいといじる。
金細工が光を弾いてキラキラと光っていた。
高そうだよなと思ったところでハッと眉を跳ね上げる。
(ぷえぜんとかうのに、おかねない)
根本的な問題が浮上した。
二歳だからさすがにお小遣いを貰った記憶はない。
(え、らめでは?)
これは駄目だ。
駄目駄目すぎる。
どうするかとうんうん唸りながら、ヘルヴィルは眉を寄せた。
唇がうっかりとんがってしまう。
「ヘルヴィル様、殿下はカスティ様もおっしゃっていたように気にしませんよ。多分……きっと……」
説得していたエイプリルの声がだんだん小さくなっていく。
断言できないのがエイプリルらしかった。
「んんー……」
エイプリルの言葉に唸りながら首をひねる。
でもなあとヘルヴィルは思った。
記念すべきプレゼント第一号だし、それならやっぱりお返しはしたいよなと。
そしてまた閃いて、ハッと目をかっぴらいた。
お金がいくら使えるかまだわからない。
予算を先に決めてから店に行った方がいいのでは。
女子高生も言っていた。
ネットより現物を見て買わなきゃだと。
特にフィギアは顔が違うから吟味したいのにと言っていた。
あいにくフィギアがよくわからないけれど、色々見比べるのは大事な気がする。
ひょこりと顔を上げてエイプリルを見上げると、不思議そうに首を傾けた。
それに合わせておさげが揺れる。
(かいものは、えいぷいるがいっしょしてくえるはじゅ)
二歳だし。
生前の世界じゃチャイルドシートが必須な年齢だ。
そこで疑問がわいてくる。
この世界は自動車があるのかと。
(なしゃそう)
一瞬どうしようと思ったけれど、まあお金持ちっぽい我が家だし何かあるだろうと結論づけた。
そうなると店に行くために、お金はお小遣いを父親であるグレンに強請るしかない。
黒髪に無表情の美丈夫を思い出す。
年齢はよくわからないけれど、三人の子持ちだし美中年かなと思い浮かべる。
(くれりゅかなあ)
教育方針が厳しければ難しいかもしれない。
施設では個人的なお小遣いもなかったので、一般的な家庭がどうなのかがわからなかった。
無表情のグレンをもう一度思い浮かべる。
最低限しか会話はなかったし、新生ヘルヴィルになる前も関わりはほぼなかった。
ヘルヴィルに関心がないのかなと思うけれど、嫌われてはないと確信はある。
施設の子供というものはナチュラルに下に見られがちだ。
だから目って結構わかりやすいとヘルヴィルは思っている。
グレンの眼差しに蔑むような負の感情は感じない。
それはリスタースもルードレットも同様だ。
言い方はきついかなと思うけれど性格的なものの可能性がある。
二人とも見下すような目ではなかった。
兄姉というものを知らないのでなんとも言えないけれど、女子高生は兄のことを雑に扱っていると言っていた。
兄姉もただ単にそういった雑さなだけなのかもしれない。
グレンの方も親というものを知らないので、何とも言えない。
「……むじゅかしい」
ヘルヴィルははふうとため息を吐いた。
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