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弱ったなー。
私たち、デートのときの求婚者さまたちのご様子が気になって。
改めて、都に集まった方々の日々の過ごし方というか、日課のようなものを調べてみたのだけれど。
そこで判った彼らの日課、人気のトップスリーとは。
①食人鬼の弱点探し、②近接戦闘の訓練、③薬や毒の収集---だった。
完全に食人鬼の討伐に来たノリじゃん!
ちなみに姫さまの護衛に「いいの?」って聞いたらさ。
「先に命を賭けろと言い出したのは、姫さまの方。私たちがこの状況に文句を言うのも、おかしなもんだ。」
ってばっさり斬られたよ。
あいつら、あれで仕事してんのかねー。
求婚者さまたちの熱気を受けて、街も盛り上がっている。まるで何かの試合前みたいだ。
まあ、彼らも死にたくないだろうし。手っ取り早い手段にのめり込む気持ちは、わからなくもないんだよ。
事前に100の口説き文句を用意したところで、姫さまを落とせる保証なんてどこにもないもんね。
それより闘って勝つことを目指したほうが、まだ確かな対策を打てる。
丸腰かつ一対一で人間が食人鬼に挑む行為に、勝利の見込みがあるかどうかは別として。
……あれ、求婚ってこういうモノだっけ?
彼ら、結果的に遠回りしてると思わないのかな。
うーん。姫さまのお好みが、原始的な男性だったら良いんだけど。
★ ★ ★
「やはり、姫さまに護身用の短剣くらいはお持たせした方が…。」
使い魔その1の視線が左右にさ迷った。
彼女の手元には、フード付きの鎖帷子が広げられている。姫さまの夜着の下にお召し頂く、特注品である。
先程から、使い魔その1はため息ばかり。何を仕出かすか判らない求婚者さまたちを姫さまの側にあげるのが、余程心配になったらしい。
「でも、求婚者さまたちの武器は全部没収するんでしょ。姫さまだけ凶器ありにするのは、さすがにフェアじゃないよ。」
割と楽しそうなのは、使い魔その2。
姫さまのベルトに緊急時用の警報器をとりつけながら、ニコニコ笑っている。
使い魔その2、お祭り好きだからな。
騒々しいほど嬉しいんだろうな。
私は少々、げんなりしているけれども。
「今さらフェアとか言ってもさ~。そもそもこれ、姫さまの為のゲームだし。」
ぶーくれて続ける。
「ゲームマスターはうちの姫さまだよ。
姫さまが“この人と結婚します”って言えば、この騒ぎは終わるんだ。
なのに何が悲しゅうて、こんな防衛装備を整えなくちゃいけないのさ?」
私は辺りを見渡した。
ここは、姫さまのご寝室。
求婚者さまの逃亡を想定して、寝室の窓にはぶっとい鉄格子が入れられた。
床と壁には鉄板が張られ、武器になりそうな家具は撤去。ハサミやペンなども持ち出され、お部屋の中はまるで牢屋のよう。
おかげで、血痕のお掃除なんかは楽になりそうではあるけれども。もはや甘い雰囲気はどこにもないと言って良い。
これがお姫さまの部屋かっつの。
私がそう言うと、使い魔その2はケラケラと笑った。
「なーに言ってんの。良い感じの非日常感じゃない。これはこれでロマンチックなんだって。問題ないない~。」
え。
この鉄のお部屋、ロマンチックなの??
頭を抱える私を他所に、使い魔その1がボソボソと呟いた。
「重要なのは、非日常感より姫さまの身の安全です。やはり、中に護衛を控えさせたいのですが……。」
どこまで厳重にお守りするつもりだ。
過保護すぎてお相手が引くよー!
やばい。私たちの平常心は、いったい何処へお出掛けしてしまったのか。今は誰からもまともな考えが出てくる気がしない。
ともかく、使い魔その1を落ち着かせなければ。
「ええと、次に姫さまに挑戦する求婚者さまはどなたでしたっけ?」
「小柄で、腕に覚えがなさそうな方をと考えております。」
ああ、“病弱君”にするんだったか。
こんな風に話が盛り上がっちゃって、あの子も災難だな。
「なら、そこまで相手を警戒しなくても良いと思うよ。最初の求婚者さまだって瞬殺だったみたいだし。姫さまを信じて、外野は静観しよう。」
あれ?
いつの間にか、姫さまの勝利を祈るみたいなセリフになってるぞ。
これ、姫さまに旦那さまが見つかることを祈る場面のはずなんだけど。
おかしいな、どうしてこうなった。
私たち、デートのときの求婚者さまたちのご様子が気になって。
改めて、都に集まった方々の日々の過ごし方というか、日課のようなものを調べてみたのだけれど。
そこで判った彼らの日課、人気のトップスリーとは。
①食人鬼の弱点探し、②近接戦闘の訓練、③薬や毒の収集---だった。
完全に食人鬼の討伐に来たノリじゃん!
ちなみに姫さまの護衛に「いいの?」って聞いたらさ。
「先に命を賭けろと言い出したのは、姫さまの方。私たちがこの状況に文句を言うのも、おかしなもんだ。」
ってばっさり斬られたよ。
あいつら、あれで仕事してんのかねー。
求婚者さまたちの熱気を受けて、街も盛り上がっている。まるで何かの試合前みたいだ。
まあ、彼らも死にたくないだろうし。手っ取り早い手段にのめり込む気持ちは、わからなくもないんだよ。
事前に100の口説き文句を用意したところで、姫さまを落とせる保証なんてどこにもないもんね。
それより闘って勝つことを目指したほうが、まだ確かな対策を打てる。
丸腰かつ一対一で人間が食人鬼に挑む行為に、勝利の見込みがあるかどうかは別として。
……あれ、求婚ってこういうモノだっけ?
彼ら、結果的に遠回りしてると思わないのかな。
うーん。姫さまのお好みが、原始的な男性だったら良いんだけど。
★ ★ ★
「やはり、姫さまに護身用の短剣くらいはお持たせした方が…。」
使い魔その1の視線が左右にさ迷った。
彼女の手元には、フード付きの鎖帷子が広げられている。姫さまの夜着の下にお召し頂く、特注品である。
先程から、使い魔その1はため息ばかり。何を仕出かすか判らない求婚者さまたちを姫さまの側にあげるのが、余程心配になったらしい。
「でも、求婚者さまたちの武器は全部没収するんでしょ。姫さまだけ凶器ありにするのは、さすがにフェアじゃないよ。」
割と楽しそうなのは、使い魔その2。
姫さまのベルトに緊急時用の警報器をとりつけながら、ニコニコ笑っている。
使い魔その2、お祭り好きだからな。
騒々しいほど嬉しいんだろうな。
私は少々、げんなりしているけれども。
「今さらフェアとか言ってもさ~。そもそもこれ、姫さまの為のゲームだし。」
ぶーくれて続ける。
「ゲームマスターはうちの姫さまだよ。
姫さまが“この人と結婚します”って言えば、この騒ぎは終わるんだ。
なのに何が悲しゅうて、こんな防衛装備を整えなくちゃいけないのさ?」
私は辺りを見渡した。
ここは、姫さまのご寝室。
求婚者さまの逃亡を想定して、寝室の窓にはぶっとい鉄格子が入れられた。
床と壁には鉄板が張られ、武器になりそうな家具は撤去。ハサミやペンなども持ち出され、お部屋の中はまるで牢屋のよう。
おかげで、血痕のお掃除なんかは楽になりそうではあるけれども。もはや甘い雰囲気はどこにもないと言って良い。
これがお姫さまの部屋かっつの。
私がそう言うと、使い魔その2はケラケラと笑った。
「なーに言ってんの。良い感じの非日常感じゃない。これはこれでロマンチックなんだって。問題ないない~。」
え。
この鉄のお部屋、ロマンチックなの??
頭を抱える私を他所に、使い魔その1がボソボソと呟いた。
「重要なのは、非日常感より姫さまの身の安全です。やはり、中に護衛を控えさせたいのですが……。」
どこまで厳重にお守りするつもりだ。
過保護すぎてお相手が引くよー!
やばい。私たちの平常心は、いったい何処へお出掛けしてしまったのか。今は誰からもまともな考えが出てくる気がしない。
ともかく、使い魔その1を落ち着かせなければ。
「ええと、次に姫さまに挑戦する求婚者さまはどなたでしたっけ?」
「小柄で、腕に覚えがなさそうな方をと考えております。」
ああ、“病弱君”にするんだったか。
こんな風に話が盛り上がっちゃって、あの子も災難だな。
「なら、そこまで相手を警戒しなくても良いと思うよ。最初の求婚者さまだって瞬殺だったみたいだし。姫さまを信じて、外野は静観しよう。」
あれ?
いつの間にか、姫さまの勝利を祈るみたいなセリフになってるぞ。
これ、姫さまに旦那さまが見つかることを祈る場面のはずなんだけど。
おかしいな、どうしてこうなった。
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