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2 ザ・人面魚パワー
しおりを挟むうっぷ。あーー食べた食べた。
んー、でも、あともうちょっと。
新たなお食事チャンスを伺いながら、そのへんをうろついていたところ。
群れの後方からあの歌が聞こえてきた。
『モーーーーイ~クツネー○ートーッ、
オーショー○ーツーーーー♪。』
………えっと。これは見張り役の仲間の声なのね。見張りが歌いだしたってことは、つまり近くに敵がいるってことになる。
げっ。私も歌わなくちゃ!
歌声はたちまちコーラスへ。
『『『オショー○ツニハーータコアケテー、
コーマオマ~シテアソリマショー♪』』』
ちょっとばかり発音が適当かも?
そこはほら、歌ってるの魚だから。
……………なんでこの歌かと言いますと。
その、人面魚には不快音のようなモノを流して敵を遠ざける性質がありまして。
ただ唸るのもつまらないので、知ってる歌を歌ってみたら。この曲がウケたんだよねー。音と音の間にすきまがないのが良いらしい。
ちなみにジャイ○ンのテーマは、叫んだ後に間がありすぎて流行らなかった。とても残念。
あ、今はそれより集中しなきゃ。
さあ大声出すぞー!
各々がた声を張りたまえ。
我らの歌の威力を奮うのじゃーー!!
【【【ハ~~~ヤ~ク~コ~イ~コ~イ~
オーショ~○ツーーーー♪】】】
ウワンウワンウワンウワンウワン………。
キレイな音の渦が海中を走りまくる。
それは生易しいハーモニーでは断じてない。音による、攻撃なのである。
周りの生き物という生き物がサーーーッと一斉に逃げていく。
その勢いは緑の海が青く変わるほど。いつの間にか来ていた巨大なイカも深海へ急旋回だ。
やがて騒ぎがおさまる頃には。
ただ、ささやかな人面魚の群れだけが、その場にとり残されていた。
………いやー。
コレ、そんなにダメな音かねえ?
本人たちは割と気持ち良いんだけど。
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