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6 事件は現場で起こっているんだよ
しおりを挟む道の先へと進んだ私は頭を抱えることになった。
人間がひとーり、人間がふたーり。
あっちに三人めー。
道の上でゴロゴロと丸太のように転がっている。彼らの性別は男、年齢は二十歳くらい。みんな大きな外傷はない状態で意識がない。
これは…。
さっきの私の歌が原因っぽい、かも?
人面魚の歌を聞いて逃げだそうとしたけれど間に合わなかった。そんな様子に見える。
でもなー。ちょっと不思議というか。
どうして足が悪くもなさそうな若者たちがアレで倒れることになったんだろう。
海ではカメでも逃げ遅れたりしないのに。
私は道の先に横転している荷車を覗きこみ、それに繋がれたロバを見て事情を察した。
だいぶ年取ったロバである。
そして荷車は大きい。
おそらく彼らは、荷物を持ったまま逃げようとして十分なスピードが出せなかったのではなかろうか。
やがて何かの拍子にドスンドスンと荷車がひっくり返り。その周りに人間も倒れていった、と思われる。
…………欲をかくのって恐ろしい。
ふっ、何にせよ。謎は全て解けた。
(犯人は私だけどな。)
あとは、う~ん、どうしよう。この連中が目を覚ますまで見張りをしてあげた方が良いんだろうか。だけど怖い人たちだったら関わりたくないし…。
その判断を下すため、私はひっくり返った荷車の荷を確認することにした。
これで荷物が武器とか白い粉みたいな物だったら。その時は遠慮なく放置して逃げるとしよう。
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