毒が効くまで長すぎる

ねね

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3 召喚された?

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 爆速の狼の1匹が口をパカッと開き、光のカゴに向かって熱線を吐いた。

 軽~い様子見ってやつだ。

 バチイイイッっと大きな電気音。カゴにはノーダメージ。効いてないっぽい。

 壊せなさそう。私たち、ここから出られないんだろうか。

 このカゴは、太さ8センチほどの光る綱が編まれて出来ている。網み目の隙間は2センチほど。

 ん?……2センチもの隙間とな。

 私は体を細くして、編み目の隙間から抜け出した。

 フツーに出られたよ。

 あー、このカゴじゃ、青い霧は飼育できないね。だって、気体だからね!

 誰がやったか知らないが、捕まえたいのは、まともな体がある奴だってことだろう。

 やれやれ、緊張して損した。
 そうとわかったら離れよう。

 さっと空へ飛び上がると、ピンク色の夕焼けが目に飛び込んで来た。

 日が落ちてなお、キラッキラの光が空に残っている。

 ここは、闇の森じゃないな~。

 久しぶりに見る光鮮やかな空だ。

 眼下には、固そうな茂みに覆われた荒れ地と、点在する岩山。

 そして、化け物がどこにもいない!

 あ、そうね、光のカゴの中には爆速の狼さんたちがいるけど。でも他に見当たらない。

 何てこった。

 コレ、闇の森があった場所とは世界が違くない!?

 呆然と振り返ると、光のカゴからちょっと離れたところに人間の一団がいた。

 今生で初めて見る人間だ。

 10代後半くらいの少年が3人と、大人たちが5人ほど。全員、男性である。

 大人たちは手足を拘束されているから、囚人なのだと思う。

 囚人も含めて、身なりはそこまで粗末じゃない。顔だちはアジア風で、黒っぽい髪色をしている。

 皆、光のカゴの方を向いてはいるものの、私が逃げたことには誰も気付いていないっぽい。

 夕闇に上手く紛れられたのかな。
 地味な霧で良かった。

 少年たちの前には、白っぽい木の台があって、いろんな物が雑然と置かれている。

 うわあ。祭壇っぽいな…。

 私はピンときてしまった。今の状況を説明するのに、上手い言葉が一つある。

 魔物の召喚、というやつだ。

 え、爆速の狼って魔物なの?
 そんで、私も魔物として彼らに召喚された?

 ありがたくない発見だな。

 だって、呼んだってことは、私たちを何かに利用する目的があるってことでしょう?

 人間だった頃の知識をフル活用するに、魔物にやらせる仕事だなんて、ろくなものとも思えない。

 例えば、爆速の狼でレースするとか、闘技場で闘わせるとかさ。

 見てる人間は、そりゃあ楽しいだろう。

 ちなみに私は、この狼どもの狩りを、いつも空の上の特等席から見ていた。だって面白かったんだもん。

 だがしかし。見られる側になるのは、全く楽しくなさそうだ。

 うん、私はこのまま、いないふりを続けよう。

 もうすぐ夜だ。闇に紛れてしまえば、私は誰にも見つからない。
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