毒が効くまで長すぎる

ねね

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4 悪い人間の子供たち

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 私たちを召喚したと思われる人間の一団が、光のカゴのそばまでやって来た。

 囚人たちも、少年たちに連れられてゾロゾロと歩いて来る。

 そのまま、囚人だけ一列に並ばせられ、その場で膝立ちにさせられた。

 空気が重い。
 囚人たちの顔色がどんどん白くなっていく。

 ええと、美白かな?

 いや、そうじゃないのはわかってる。ちょっと現実逃避してみただけさ。

 だって悪い予感しかしない。
 何するつもりだ、こいつら。

 3人の中で一番小柄な少年が、懐から刃物を取り出した。剣にしてはやや小さいが、見るからに切れ味が良さそうだ。

 少年が手をかざすと、刃から緑色の光があふれ輝く。

 彼はそのまま片手で1人の囚人の頭を掴むと、光の刃を振るって首を切り落とした。

 おいおいおーい。軽っ!!

 切れ味が良さすぎて、現実味が全くない。続いて、2人目、3人目と首が落ちる。

 囚人は5人、爆速の狼も5匹。これは、召喚の生け贄ってことだろうか。

 えー、生け贄なんて所詮、気分的なものと言うか、召喚した相手へのご挨拶でしょ?

 人間じゃない動物じゃダメなのかねえ。

 10代の子供がアッサリと人間を殺す姿は、元人間である私にとって、気分が悪いものだ。

 憮然としていると、ふいに光のカゴが消え、カゴのあとには爆速の狼たちが立っていた。

 5匹とも、今や太い首輪付き。

 どの狼も、やたら姿勢よく立ったままピクリとも動かない。

 魔術的なもので、動きが制限されているのだろうか。

 《上手くいったな。》

 《ああ。やった!》

 《これで俺たちが勝てるぞ!!》

 少年たちが楽しそうに喋り始める。

 うーん、日本語じゃないな。言葉わからん。

 ただ、彼らの声の調子は、至って明るく無邪気なものだ。

 こりゃひどい。

 あのな、首が落ちた死体のそばで、そんな嬉しそうに笑うなよ。怖いって。

 つーかお前ら、気付いてる?

 ここにもう一匹、私という、拘束されてない魔物がいるんだよ?

 予定にない魔物を召喚して、逃げられ、その事に気付きもしない。これはもはや事故だ。

 脇が甘過ぎる。未熟者め!

 もしも私が、大災厄をもたらす魔物だったらどうするんだ?おっそろしいことすんなや!

 ゼーハー。心理的に息が切れた。

 ついつい、お説教しちゃったよ。どうせ相手に聞こえてないけどね。

 まあ、君らがそれくらい抜けているおかげで、私が今、自由でいられているのだけどさ。

 どうにも、その事に素直に感謝しようって気分になれない。

 ちょっと闇の森に帰って、大蜥蜴を一匹持ってこれないだろうか。

 あのエグい巨体を少年たちの鼻先に突きつけて、彼らの笑顔を消してやりたいよ。

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