88 / 107
謎解き その3
しおりを挟む考えが煮詰まった様なので、ちょっと一服でも と部屋を出た。
ちょうどタイミングが良かったのか悪かったのか、鬼お兄さん達も休憩中らしく喫煙所は一杯だった。仕方なしに外に出ようとすると、モクモクの煙の中から話しかけられた。
👹「ミノス様、何か調べてるんすか?」
ミノス「ん? なんでー?」
👹 「いや、さっきここに来た奴がですね、地上での様子を人間から聞いたら、とりあえず報告をしろって。必要な情報ならば上にあげるからって。そう告げて次に回って行ったんです。な?」
👹「そうそう。少し前なら地上界が飢えて大変な事になってたから、状況把握だろうと。今後もますます死者の数が増えるのか、少しずつマシになるのかを掴む為にもってわかるんだけど。全部落ち着いて今さら?なんだ??って感じなんですよ~」
👹「それに、一体何を調べてるのかわからないと、何を報告したらいいのやらってみんなと愚痴ってた所なんです。」
👹「ミノス様は、何か知ってる感じで今、審判のお仕事してないっすよね?俺たちにも教えれる範囲でもいいから、情報くださいよ」
👹「そうですよ~。俺らが、なんでこんな事言うのかわかってるでしょう?そりゃ、俺たち下々の者は言われるがままに動きますよ。でも、、『特にデーメテール様の神殿の、近くの人間の話は全て報告する様に』なんて言われると、気になって皆んなソワソワしちまう。それを伝えにきた伝令を心配のあまりに追いかけて行ったやつもいてます。」
👹「で、何が起こってるんですか?」
うーーーん、すまねえ。
俺のやり方が不味かった。
皆の気持ちを考えなかったな。知ってたのにな~
コイツらの中にもまだまだペルセフォネちゃんがいるって事を。
箝口令を敷くか、又は情報開示をして協力体制の要請だな。
中途半端が一番いけない。すまないすまない。
ミノス「これは、前面的に俺が悪かった。お前達の言う通りだ。申し訳なかったよ。
でも、少しだけ待っててくれ。今から許可を取ってくるから。そしたら全部話す。話した上で皆んな手伝ってくれ。」
そう話すと、顔を見合わせて安心する様に頷いていた。
そのうちに、「あっそうだ」と言って、最近ここにやってきたある(死者の)話をしてくれた。
👹「そいつはキョロキョロと、辺りを見回して『なんだか、悪い子を迎えにくるっちゅう怪物はいないんですか?ゴーゴーと唸る様な声を出すやつは、、この音は何度も聞いたんですけどね~』って言う人間がいたんです。『どこでそんな話を聞いたのか?』って聞くと、『冥界の入り口の森から風に乗って聞こえくる』と言ってました。
そして、『そんなに音が似てるのか?』って俺が聞くと、『はい。ゴーゴーもグツグツもボーボーも、まさにこの音って感じです。あれはきっと地獄の怪物が吠えてる声だと皆んな思ってましたが、少し違うみたいですね。怖がらなくていいって皆んなに教えてあげたいなぁ』って、そいつが話してたんです。」
ミノス「アンタはどこでその話を?」
👹「は? もちろん、俺の職場の火の山🔥の麓の地獄めぐりの、一つですけど。何もサボったりしてませんよ」
👹「俺んところの血の池の地獄ツアーでも、そんなのが一人いました。『目を瞑るとこの音よね~そっくり~』って言ってるおばさんが(睨まれたからご婦人って言いなおしてたけど)いて。『何の音がそっくりなのか?』って聞いたら『グツグツ、ブクブク、ボコっボコってまるで何か煮込んでいるみたいな音がしてたのよ。私は怖くはなかったわよ。思わず、家に帰って煮物の鍋の火元を確認したわよ。まさか血の池の沸き出す地獄の釜の音だとは思わなかったけど、やっぱりお釜の音だったのね。』と、笑って話してたんです。」
うーーーーん。
いや?そんな、まさかな?
いやー そんな事ないはずだ。
でも、考えてみれば、無くはないか。
いやいや、それ以外の可能性を探してみないと。
そうそう、先入観は推理の邪魔をするだけだしな。
か⃝「そういえば、わしの仕事場は音で表現するならば、『ザーザー』や『チョロチョロ』とか『ピチャピチャ』とかじゃな。けど、ドンピシャで『まるで水が流れる様な音だ』と言った人間もいたんじゃろ?」
ミノス「カロン爺さん!!いつの間に?ビックリした。もう渡場の舟はいいのか?」
いつの間にか、カロン爺さんがここに来てニコニコと笑って座っていた。
気を取り直して、もう一度考える。
でもなー これはなー
もう、これは推理でもなんでも無くて皆んながそう思っているって事じゃないか。カロン爺さんなんて直球で言ってくる。
そう、他にも誰かが言ってた呻き声なんてこの冥界では、あちこちでも聞こえるし。
要するに、ここ冥府での音が地上界に漏れ出ているって事だよな?
そんでもって、その原因と手段を見つける様にしないと。
やっぱり、情報開示の許可を取る事もあるし、一度我が主に確認しに行かないといけないな。
じゃあ、クライアントを問い詰めに行くか。
探偵としての長年の勘が冴え渡る。
クライアントは何かを隠している。だから真相に辿り着かない。クライアントが隠してるjokerこそ、事件の鍵を握っている。
~本日の業務日誌より~
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
カモフラ婚~CEOは溺愛したくてたまらない!~
伊吹美香
恋愛
ウエディングプランナーとして働く菱崎由華
結婚式当日に花嫁に逃げられた建築会社CEOの月城蒼空
幼馴染の二人が偶然再会し、花嫁に逃げられた蒼空のメンツのために、カモフラージュ婚をしてしまう二人。
割り切った結婚かと思いきや、小さいころからずっと由華のことを想っていた蒼空が、このチャンスを逃すはずがない。
思いっきり溺愛する蒼空に、由華は翻弄されまくりでパニック。
二人の結婚生活は一体どうなる?
ため息ひとつ――王宮に散る花びらのように
柴田はつみ
恋愛
「離縁を、お願いしたいのです」
笑顔で、震えずに、エレナはそう言った。
夫は言葉を失った。泣いてくれれば、怒ってくれれば、まだ受け止め方があった。しかしあの静けさは、エレナがもう十分に泣き終わった後の顔だと、ヴィクトルにはわかった。
幼なじみと結ばれた三年間。すれ違いは静かに始まり、深紅のドレスの令嬢によって加速した。ため息を飲み込み、完璧な微笑みを保ち続けた公爵夫人が、最後に選んだのは――。
王宮に散る花びらのような、夫婦の崩壊と再生の物語。
籠の鳥〜見えない鎖に囚われて✿❦二人の愛から…逃れられない。
クラゲ散歩
恋愛
私。ユリアナ=オリーブ(17)は、自然豊かなオータム国にあるグローパー学院に在籍している。
3年生になって一ヶ月が経ったある日。学院長に呼ばれた。技術と魔術の発展しているフォール国にある。姉妹校のカイト学院に。同じクラスで3年生の男子3名と女子3名(私を含め)。計6名で、半年の交換留学をする事になった。
ユリアナは、気楽な気持ちで留学をしたのだが…まさか学院で…あの二人に会うなんて。これは…仕組まれていたの?幼い頃の記憶。
「早く。早く。逃げなきゃ。誰か〜私を…ここから…。」
あなたがすき、だったから……。
友坂 悠
恋愛
あなたが好きだったから、わたしは身を引いた。
もともと、3年だけの契約婚だった。
恋愛感情なしに、偽装夫婦を演じよう。
そういうあなたに同意をして一緒に暮らし出した日々。
それなのに。
約束の期限の三日前、まさか酔ったあなたとそういう関係になるなんて、思わなかった。
だから。 わたしはそのまま翌朝家を出た。
わたしだけが、どんどんあなたを好きになってしまったことを隠したくて。
こんな気持ちを悟られ、あなたに迷惑がかかるのに、耐えられなくて。
#############
なろうさんで開催されていた、氷雨そら先生、キムラましゅろう先生主催、
シークレットベビー企画参加作品だった、「あなたが好きだったから」という短編に、少し加筆修正して連載化しました。
初めてのシクべ、ちょっと変わったタイプのシクべ作品となりました。
お楽しみいただけると幸いです。
私たちの離婚幸福論
桔梗
恋愛
ヴェルディア帝国の皇后として、順風満帆な人生を歩んでいたルシェル。
しかし、彼女の平穏な日々は、ノアの突然の記憶喪失によって崩れ去る。
彼はルシェルとの記憶だけを失い、代わりに”愛する女性”としてイザベルを迎え入れたのだった。
信じていた愛が消え、冷たく突き放されるルシェル。
だがそこに、隣国アンダルシア王国の皇太子ゼノンが現れ、驚くべき提案を持ちかける。
それは救済か、あるいは——
真実を覆う闇の中、ルシェルの新たな運命が幕を開ける。
Blue Bird ―初恋の人に再会したのに奔放な同級生が甘すぎるっ‼【完結】
remo
恋愛
「…溶けろよ」 甘く響くかすれた声と奔放な舌にどこまでも落とされた。
本宮 のい。新社会人1年目。
永遠に出来そうもない彼氏を夢見つつ、目の前の仕事に奮闘中。
なんだけど。
青井 奏。
高校時代の同級生に再会した。 と思う間もなく、
和泉 碧。
初恋の相手らしき人も現れた。
幸せの青い鳥は一体どこに。
【完結】 ありがとうございました‼︎
私の作るおにぎりが、騎士団の士気を異常に上げています(犯人は副団長)
星乃和花
恋愛
おにぎりを配っただけで、騎士団の士気が異常値になりました。
団長は警戒、監察部は呪術検査、国まで動きかけるのに――副団長だけが平然と断言。
副団長「彼女のご飯は軍事物資です」
私「えっ重い」
胃袋で落ちた策略家副団長の“最適化溺愛”に巻き込まれ、気づけば専属補給係(=婚約)寸前!?
ほのぼの爆笑&甘々の騎士団ラブコメです。
(月水金21:00更新ー本編16話+後日談6話)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる