冥界の愛

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謎解き その4

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 ミノス探偵の業務日誌


 まず今まで調べてわかった事を整理すると、

①ペルセフォネ様は無事に地上に戻った?(庭師のアスカポリスより)
→ 最近の死者の話でも、昼間は元気にしていると。確定


②ペルセフォネ様には忘却術がかけられている?(ハデス様の術なので完璧のはず)
→ ペルセフォネ様が何か思い出したとか、冥界での様子が出回ってるなどの情報は無い。しかし解術に関しては不明。


③ペルセフォネ様は冥界とは既に縁が切れている?
→もともと、冥界の所属ではない。天界の神デーメテール様の助手として地上界でお仕事をしている。(①と②より)




④ペルセフォネ様の神殿から夜になると泣き声が聞こえる?泣き声なのか?誰の泣き声なのか?は不明(ケイロン殿より)
→死者の話でも泣き声はする様子。風に乗って?微かに漏れ聞こえる様子だと。誰の泣き声なのかは不明。死者の話ではコレー様(デーメテール)だと噂あり。
→調査継続中



⑤デーメテールの丘の辺りから聞こえる夜になると唸り声の様な怪奇な音が聞こえる。こちらは何の音なのか不明。どこから聞こえるのかも不明。冥界の入り口からと噂あり。(ケイロン殿より)
→ どうやら、ここ冥界の音が人間界に伝わっているらしい。漏れている?
ただ、方法や理由や誰の仕業などは不明。
→ ハデス様に方法と理由を要確認。
→この問題が一番厄介で急ぎの用件で要件だ。



⑥地上界は木々や森や畑など生い茂り、人間達の営みもほとんど元の姿を取り戻している。(ケイロン殿より)かなりの早い段階でそんな状態なので、デーメテール様及びペルセフォネ様はお元気でお過ごしの様だ。少なくともかなりお仕事を頑張ったのだろう。
→ 問題なし。確定。



「まぁ、こんなところかなっと」
俺はいつになく、真面目に業務日誌に書きながら呟いた。
 机の上の珈琲は俺のオリジナルブレンド豆だ。時渡りで未来を覗いた時に飲んでその虜になった。さすがに豆は地上からの持ち込みで、冥界の庭師のアスカポリスにここでも育つように改良を頼みこんだ。初めは渋っていたが、何度か残りの豆を惜しげもなく使って飲ませてやると地上での原産は何処の気候など詳しく聞いてきた。しめしめと目論んでいると俺よりも先にハデス様に持って行きやがる。美味しい物が出来たら何よりも先に献上するのが当たり前だとぬかしてた。まぁ仕方ない、あいつもチームハデスだからな。

 さあ、次は、その俺たちの主様に問い詰めないと。

 俺はタバコに火をつけて、メモを確認する。

『 ハデス様に確認すること 』


 「界渡りの花」以外にも、ここ冥界と地上など異界で、通信できる様な手段があるのか?
「界渡りの花」以外に、ここの音が漏れてしまう様な何か他の手段があるのか?

俺の未来で覗いた時代ならば、たくさんありそうだが。俺が持ち込んでないならば、他に時渡りと言えば………
 俺は自分の意思に関係なく巻き込まれるが、あの方ならば時渡りも、自由自在だろう。だが、こんな事、何の意図で?ハデス様は知ってる?イヤイヤますます混乱するばかりだから。こっちなら本当に嫌だなぁ。

 それよりもだ。

 そんな未来からの音が漏れる様な物は全くなくて、本当に界渡りの花のせいならば、何故またあそこにあるのか? 動く、つまり作動する「界渡りの花」がデーメテールの丘に存在するのがおかしいだろう? ハデス様が、もうあそこには「界渡りの花」を置かないと、キッパリと仰っていた。ペルセフォネ様が界を渡るのにあれを使って、その後は枯れているはずだ。  

 万が一でもペルセフォネ様の力で花だけ枯れずに残ったとして、もう界渡りとしての役割は終わったから、ただの花として生きて死んでいくはずだ。


 では、どうやって持ち込んだか?そして、何より誰が使っているのか?


 あれを使いこなすには、いくつもの条件があるのに。

 その条件ももう一度ハデス様に確認しておかなければ。
 俺の知らない、前のペルセフォネ様が神の力を込めて、花が誤作動を起こしたみたいに、何か他にもあるのか?




 俺はタバコの火を消して、日誌を閉じた。ハデス様に面会の申し込みをした。
 ペルセフォネ様がいた頃。俺たちのチームのキャップが、どれほど甘い顔をしており、過保護に結界を張っていたのかを思い出しながら。

 ハデス様、このままでいいのかい?
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