32 / 64
第ニ章 中核都市エンクホイゼン
第三十ニ話 忍び寄る死の影
しおりを挟む
深夜、貧民街の家々に金貨を配り終え、通りを進むキラーコマンドの七人にミランダが合流する。
マギーが口を開く。
「遅かったね」
ミランダが答える。
「ちょっと、ドジ踏んでね」
ミランダは、商店街の屋根の上でのケニー達との出来事について皆に話す。
ヒロが口を開く。
「アイツら、恐ろしく強かったよ。何者なんだろう?」
ミランダが答える。
「・・・判らない。シンジケートとは、関係無さそうだし。明日、皆で話してみよう」
キラーコマンドの八人は、貧民街から孤児院へ向けて歩みを進める。
しかし、彼らは、背後に黒い『死の影』が忍び寄っている事を知る由も無かった。
突然、それは夜の闇の中からキラーコマンド達に襲い掛かる。
キラーコマンド達の最後尾に居た、ロブとキャシーの二人が彼らに捕まる。
闇の中から、骸骨のような丸眼鏡の軍服の男が現れ、キラーコマンド達に話し掛ける。
「ヒヒヒヒヒ。ガキ共、『ジェファーソン・シンジケート』をナメてはいけませんよ?」
「クソッ!!」
「二人を離しな!!」
キラーコマンドのミランダ、ヒロ、マギーの三人が、剣を抜いて丸眼鏡の男に斬り掛かる。
だが、丸眼鏡の男と三人の間に、二人の丸眼鏡をした黒いせむし男が割って入り、指先の鉤爪を振りかざして立ち塞がる。
丸眼鏡の男達は、革命党秘密警察のアキ少佐と秘密警察の戦闘員達であった。
基本職のスカウトであるキラーコマンド達と、中堅職の暗殺者である戦闘員達では、暗殺者のほうが力量は数段、格上であった。
「二人は預かって行きますよ。明日を楽しみにしていて下さい。ヒヒヒヒヒ」
そう言うと、丸眼鏡の男達は、二人を攫って、再び闇の中に姿を消した。
ミランダが悔しそうに話す。
「クソッ! スカウトの私達が背後を取られるなんて!!」
ジカイラ達が宿屋に戻ると、程なくケニー達も宿屋に戻ってくる。
全員が一階の食堂に集まり、キラーコマンドとの一戦について話し合う。
ケニーとルナは、屋根の上でのミランダとの出来事や、キラーコマンドが孤児院の子供たちであることを皆に話した。
ジカイラは大きくため息を吐く。
「はぁ・・・。粋がって麻薬組織相手にドンパチやっているのは、孤児院のガキ共か」
ケニーが口を開く。
「明日の昼に彼らが此処に来る。孤児院や院長先生は、ラインさんが何とかしてくれるから、もう危ない事はしないように言おう」
ローブを纏い、フードを深く被った二人がジカイラ達の席に近寄ってくる。
ジカイラはお茶を飲みながら、目で二人の動きを追う。
ローブの者の一人がジカイラの前に座り、被っているフードを捲る。
「やあ」
フードの下から出てきたのは、ラインハルトであった。
「ブーーーッ!!」
ジカイラは、盛大に飲んでいたお茶を噴き出す。
他のメンバーも、突然、ラインハルトが現れたことに驚く。
「お前、なんで此処に居るんだ!? 皇帝が辺境の宿屋にお忍びで来るなんて、お固いナナイに知られたら騒動だぞ!?」
もう一人のローブの者がラインハルトの隣に座り、被っているフードを捲る。
「あら? 私に知られたら、何かマズい事があるの?」
ジカイラは、飲んでいたお茶で噎せて咳き込む。
「ゲホッ! ゲホッ! ゲホッ!! 器官に入った。・・・ナナイまで来てんのかよ!?」
ラインハルトが口を開く。
「フクロウ便の報告書に『麻薬組織』と書いてあって、居ても立っても居られなくなってな」
ナナイが口を開く。
「私は、『孤児院』のほうに関心があるわね」
ジカイラが突然、現れた二人に話す。
「お前ら、ヴァレンシュテット帝国の皇帝と皇妃が揃って皇宮を抜け出して此処に来るとか、あり得ないだろ!? 皇太子はどうしたんだ??」
ナナイが答える。
「クリシュナに預けてきたわ。私達は、エリシスの転移門でいつでも帰れるし」
ジカイラが二人を冷やかす。
「・・・お前ら、何だかんだ言って、城勤めの鬱憤を晴らすのが、目的なんじゃないのか?」
図星であった。
ラインハルトとナナイは、互いに顔を見合わせて、苦笑いする。
ケニーが口を開く。
「ラインさん、頼みがあるんだ。孤児院と院長先生を助けて欲しい」
ラインハルトが答える。
「大丈夫。ナナイは、孤児院の運営に興味があるようだ。どちらも私が預かろう。金の心配はしなくて良い」
「ありがとう。ラインさん」
ラインハルトから直接、答えを聞いたケニーとルナは、安堵する。
ケニーが続ける。
「明日の昼に孤児院の子供たちが此処に来る。『心配しなくて良い』と教えてあげて欲しいんだ」
「了解。明日の昼だね。・・・それじゃ、私達はこの辺で、お先に失礼するよ」
そう言うとラインハルトとナナイは、階段を登って、二階の部屋に向かう。
「オレ達も明日に備えて、今夜はこの辺にしよう」
ジカイラの言葉で解散し、皆、二階の部屋に向かう。
マギーが口を開く。
「遅かったね」
ミランダが答える。
「ちょっと、ドジ踏んでね」
ミランダは、商店街の屋根の上でのケニー達との出来事について皆に話す。
ヒロが口を開く。
「アイツら、恐ろしく強かったよ。何者なんだろう?」
ミランダが答える。
「・・・判らない。シンジケートとは、関係無さそうだし。明日、皆で話してみよう」
キラーコマンドの八人は、貧民街から孤児院へ向けて歩みを進める。
しかし、彼らは、背後に黒い『死の影』が忍び寄っている事を知る由も無かった。
突然、それは夜の闇の中からキラーコマンド達に襲い掛かる。
キラーコマンド達の最後尾に居た、ロブとキャシーの二人が彼らに捕まる。
闇の中から、骸骨のような丸眼鏡の軍服の男が現れ、キラーコマンド達に話し掛ける。
「ヒヒヒヒヒ。ガキ共、『ジェファーソン・シンジケート』をナメてはいけませんよ?」
「クソッ!!」
「二人を離しな!!」
キラーコマンドのミランダ、ヒロ、マギーの三人が、剣を抜いて丸眼鏡の男に斬り掛かる。
だが、丸眼鏡の男と三人の間に、二人の丸眼鏡をした黒いせむし男が割って入り、指先の鉤爪を振りかざして立ち塞がる。
丸眼鏡の男達は、革命党秘密警察のアキ少佐と秘密警察の戦闘員達であった。
基本職のスカウトであるキラーコマンド達と、中堅職の暗殺者である戦闘員達では、暗殺者のほうが力量は数段、格上であった。
「二人は預かって行きますよ。明日を楽しみにしていて下さい。ヒヒヒヒヒ」
そう言うと、丸眼鏡の男達は、二人を攫って、再び闇の中に姿を消した。
ミランダが悔しそうに話す。
「クソッ! スカウトの私達が背後を取られるなんて!!」
ジカイラ達が宿屋に戻ると、程なくケニー達も宿屋に戻ってくる。
全員が一階の食堂に集まり、キラーコマンドとの一戦について話し合う。
ケニーとルナは、屋根の上でのミランダとの出来事や、キラーコマンドが孤児院の子供たちであることを皆に話した。
ジカイラは大きくため息を吐く。
「はぁ・・・。粋がって麻薬組織相手にドンパチやっているのは、孤児院のガキ共か」
ケニーが口を開く。
「明日の昼に彼らが此処に来る。孤児院や院長先生は、ラインさんが何とかしてくれるから、もう危ない事はしないように言おう」
ローブを纏い、フードを深く被った二人がジカイラ達の席に近寄ってくる。
ジカイラはお茶を飲みながら、目で二人の動きを追う。
ローブの者の一人がジカイラの前に座り、被っているフードを捲る。
「やあ」
フードの下から出てきたのは、ラインハルトであった。
「ブーーーッ!!」
ジカイラは、盛大に飲んでいたお茶を噴き出す。
他のメンバーも、突然、ラインハルトが現れたことに驚く。
「お前、なんで此処に居るんだ!? 皇帝が辺境の宿屋にお忍びで来るなんて、お固いナナイに知られたら騒動だぞ!?」
もう一人のローブの者がラインハルトの隣に座り、被っているフードを捲る。
「あら? 私に知られたら、何かマズい事があるの?」
ジカイラは、飲んでいたお茶で噎せて咳き込む。
「ゲホッ! ゲホッ! ゲホッ!! 器官に入った。・・・ナナイまで来てんのかよ!?」
ラインハルトが口を開く。
「フクロウ便の報告書に『麻薬組織』と書いてあって、居ても立っても居られなくなってな」
ナナイが口を開く。
「私は、『孤児院』のほうに関心があるわね」
ジカイラが突然、現れた二人に話す。
「お前ら、ヴァレンシュテット帝国の皇帝と皇妃が揃って皇宮を抜け出して此処に来るとか、あり得ないだろ!? 皇太子はどうしたんだ??」
ナナイが答える。
「クリシュナに預けてきたわ。私達は、エリシスの転移門でいつでも帰れるし」
ジカイラが二人を冷やかす。
「・・・お前ら、何だかんだ言って、城勤めの鬱憤を晴らすのが、目的なんじゃないのか?」
図星であった。
ラインハルトとナナイは、互いに顔を見合わせて、苦笑いする。
ケニーが口を開く。
「ラインさん、頼みがあるんだ。孤児院と院長先生を助けて欲しい」
ラインハルトが答える。
「大丈夫。ナナイは、孤児院の運営に興味があるようだ。どちらも私が預かろう。金の心配はしなくて良い」
「ありがとう。ラインさん」
ラインハルトから直接、答えを聞いたケニーとルナは、安堵する。
ケニーが続ける。
「明日の昼に孤児院の子供たちが此処に来る。『心配しなくて良い』と教えてあげて欲しいんだ」
「了解。明日の昼だね。・・・それじゃ、私達はこの辺で、お先に失礼するよ」
そう言うとラインハルトとナナイは、階段を登って、二階の部屋に向かう。
「オレ達も明日に備えて、今夜はこの辺にしよう」
ジカイラの言葉で解散し、皆、二階の部屋に向かう。
0
あなたにおすすめの小説
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中
桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。
やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。
「助けなんていらないわよ?」
は?
しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。
「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。
彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる