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第三章 辺境派遣軍
第三十話 初陣
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--翌朝。
帝国辺境派遣軍は、定刻通りにヨーイチ男爵領州都『キャスパーシティ』上空に到着した。
アレクたちは、先日、宿泊した時と同じ部屋に同じ部屋割りで泊まり、朝を迎える。
アルとナタリーは、初日は同じ部屋に泊まることに緊張していたものの、二日目ともなると少し慣れたようであった。
アレクとルイーゼも同様であったが、アレクは裸のルイーゼが傍らで寝ている『蛇の生殺し』状態が続いたため、寝不足気味であった。
平民組、貴族組と朝食を食べ終わった頃に呼集が掛かり、アレクたちは武装して格納庫に集まる。
格納庫では、二人の教官、もとい、ジカイラ中佐とヒナ大尉がアレクたちが集合するのを待っていた。
ジカイラは、教え子たちが時間通り集まった事を確認して口を開く。
「傾注せよ! オレたち、教導大隊の初任務は、『偵察』だ! 飛空艇による航空偵察を行う! 小隊毎に別れ、担当する地域を偵察すること! 小隊長は、自分の小隊の担当地域を地図で確認するように!」
傍らのヒナが地図を掲示板に貼り出すと、ジカイラは地図を指し示しながら説明を続ける。
「現時点では、敵に関する詳しい情報は、ほとんど判っていない! 敵の勢力範囲や宿営地、兵站施設、補給基地なども、ほぼ不明だ! 各員、可能な限り情報を集めろ! 各機のナビゲーターは、担当地域の偵察で確認したことを記録! 各小隊は、正午迄に飛行空母に帰投すること! 以上だ!」
アルは、残念そうにアレクに話し掛ける。
「な~んだ。初陣は、偵察任務かぁ……」
苦笑いしながらアレクが答える。
「まぁ、そんなもんだろ」
エルザが地図を書き写しながら、二人に話し掛ける。
「文句言わないの! 楽な任務で良いでしょ?」
アルは不満げに答える。
「それは、そうだけどさぁ……」
トゥルムが異論を唱える。
「何を言っている? 『偵察』は重要だぞ! 敵の位置や陣地、兵力、装備が判らないで、どう戦う? まず『敵を知ること』が重要だ!」
トゥルムの意見にアレクは素直に感心する。
「……なるほど」
アレクたちは掲示板の前に行き、自分たちの小隊が担当する地域の位置を確認する。
作戦区域となるヨーイチ男爵領は、アスカニア大陸の経済の動脈である『交易公路』も無ければ、大きな街道も鉄道も大河も港も無い。
ヨーイチ男爵家が本宅を構える州都『キャスパーシティ』は、『都市』というより『田舎の町』であり、それの他は開拓集落が領内に点在しているだけであった。
ヨーイチ男爵領は、なだらかな丘陵のある原野の中央に大きな原生林がある他、小さめの原生林と小川が原野に点在するという、まさに『帝国辺境の未開の開拓地域』であった。
ルイーゼは、地図を見ながら呟く。
「今の私達のいる場所が、ここ。ヨーイチ男爵家のあるキャスパーシティの上空」
小隊の仲間たちが頷くと、ルイーぜは解説を続ける。
「私達、ユニコーン小隊は、キャスパーシティの上空から真っ直ぐ東に進んで、ここまで行くっと。ヨーイチ男爵領の東南の一番端の地域の担当ね」
アレクが答える。
「東南の一番端……だね。隣の地域の担当は、グリフォン小隊か……」
グリフォン小隊は、ルドルフ・ヘーゲルが小隊長を務める小隊であった。
アレクたちは、地図で自分たちが担当する地域を確認すると、出発時刻が近いこともあり、自分たちが乗るガンシップの所に行き、乗り込む。
ガンシップ『エインヘリアルⅡ』
カロネード砲 二門搭載
魔導発動機 二機搭載
複座式 戦闘爆撃機
アレクは、小隊全員が飛空艇に乗り込んだ事を確認して整備員に告げる。
「ユニコーン小隊、出撃します!」
「了解!」
整備員は、同僚と共にアレクたちが乗る四機の飛空艇をエレベーターに押して乗せると、同僚の整備員に向かって叫ぶ。
「ユニコーンが出る! エレベーターを上げろ!」
整備員が動力を切り替えると、飛行甲板に向けてアレクたちが搭乗する四機の飛空艇は、エレベーターで上昇していく。
程なく、アレクたちが搭乗する四機の飛空艇は、飛行甲板に出る。
上空の冷たい風がアレクの顔を撫でる。
アレクは、伝声管でルイーゼに告げる。
「行くよ。ルイーゼ」
「うん」
「発動機始動!」
アレクは、掛け声と共に魔導発動機の起動ボタンを押す。
魔導発動機の音が響く。
ルイーゼが続く。
「飛行前点検、開始!」
ルイーゼは掛け声の後、スイッチを操作して機能を確認する。
「魔導発動機、航法計器、浮遊水晶、降着装置、昇降舵、全て異常無し!」
ルイーゼからの報告を受け、アレクは浮遊水晶に魔力を加えるバルブを開く。
「ユニコーン・リーダー、離陸!」
アレクの声の後、大きな団扇を扇いだような音と共に機体が浮かび上がる。
「発進!」
アレクは、クラッチをゆっくりと繋ぎ、スロットルを開ける。
プロペラの回転数が上がり、風切り音が大きくなると、アレクとルイーゼの乗る機体ユニコーン・リーダーは、加速しながら飛行甲板の上を進む。
やがて飛行甲板の終わりまでくると、二人の乗るユニコーン・リーダーは大空へと舞い上がった。
二人の乗るユニコーン・リーダーは飛行空母の上を旋回して、小隊の仲間が離陸してくるのを待つ。
直ぐにアルとナタリーが乗るユニコーン二号機が飛行空母を発進し、上昇してくる。
続いて、ドミトリーとナディアが乗るユニコーン三号機とエルザとトゥルムが乗るユニコーン四号機が飛行空母から発進して上昇してくる。
四機全てが揃ったユニコーン小隊は、自分たちが偵察を担当する地域を目指し、編隊を組んで向かった。
帝国辺境派遣軍は、定刻通りにヨーイチ男爵領州都『キャスパーシティ』上空に到着した。
アレクたちは、先日、宿泊した時と同じ部屋に同じ部屋割りで泊まり、朝を迎える。
アルとナタリーは、初日は同じ部屋に泊まることに緊張していたものの、二日目ともなると少し慣れたようであった。
アレクとルイーゼも同様であったが、アレクは裸のルイーゼが傍らで寝ている『蛇の生殺し』状態が続いたため、寝不足気味であった。
平民組、貴族組と朝食を食べ終わった頃に呼集が掛かり、アレクたちは武装して格納庫に集まる。
格納庫では、二人の教官、もとい、ジカイラ中佐とヒナ大尉がアレクたちが集合するのを待っていた。
ジカイラは、教え子たちが時間通り集まった事を確認して口を開く。
「傾注せよ! オレたち、教導大隊の初任務は、『偵察』だ! 飛空艇による航空偵察を行う! 小隊毎に別れ、担当する地域を偵察すること! 小隊長は、自分の小隊の担当地域を地図で確認するように!」
傍らのヒナが地図を掲示板に貼り出すと、ジカイラは地図を指し示しながら説明を続ける。
「現時点では、敵に関する詳しい情報は、ほとんど判っていない! 敵の勢力範囲や宿営地、兵站施設、補給基地なども、ほぼ不明だ! 各員、可能な限り情報を集めろ! 各機のナビゲーターは、担当地域の偵察で確認したことを記録! 各小隊は、正午迄に飛行空母に帰投すること! 以上だ!」
アルは、残念そうにアレクに話し掛ける。
「な~んだ。初陣は、偵察任務かぁ……」
苦笑いしながらアレクが答える。
「まぁ、そんなもんだろ」
エルザが地図を書き写しながら、二人に話し掛ける。
「文句言わないの! 楽な任務で良いでしょ?」
アルは不満げに答える。
「それは、そうだけどさぁ……」
トゥルムが異論を唱える。
「何を言っている? 『偵察』は重要だぞ! 敵の位置や陣地、兵力、装備が判らないで、どう戦う? まず『敵を知ること』が重要だ!」
トゥルムの意見にアレクは素直に感心する。
「……なるほど」
アレクたちは掲示板の前に行き、自分たちの小隊が担当する地域の位置を確認する。
作戦区域となるヨーイチ男爵領は、アスカニア大陸の経済の動脈である『交易公路』も無ければ、大きな街道も鉄道も大河も港も無い。
ヨーイチ男爵家が本宅を構える州都『キャスパーシティ』は、『都市』というより『田舎の町』であり、それの他は開拓集落が領内に点在しているだけであった。
ヨーイチ男爵領は、なだらかな丘陵のある原野の中央に大きな原生林がある他、小さめの原生林と小川が原野に点在するという、まさに『帝国辺境の未開の開拓地域』であった。
ルイーゼは、地図を見ながら呟く。
「今の私達のいる場所が、ここ。ヨーイチ男爵家のあるキャスパーシティの上空」
小隊の仲間たちが頷くと、ルイーぜは解説を続ける。
「私達、ユニコーン小隊は、キャスパーシティの上空から真っ直ぐ東に進んで、ここまで行くっと。ヨーイチ男爵領の東南の一番端の地域の担当ね」
アレクが答える。
「東南の一番端……だね。隣の地域の担当は、グリフォン小隊か……」
グリフォン小隊は、ルドルフ・ヘーゲルが小隊長を務める小隊であった。
アレクたちは、地図で自分たちが担当する地域を確認すると、出発時刻が近いこともあり、自分たちが乗るガンシップの所に行き、乗り込む。
ガンシップ『エインヘリアルⅡ』
カロネード砲 二門搭載
魔導発動機 二機搭載
複座式 戦闘爆撃機
アレクは、小隊全員が飛空艇に乗り込んだ事を確認して整備員に告げる。
「ユニコーン小隊、出撃します!」
「了解!」
整備員は、同僚と共にアレクたちが乗る四機の飛空艇をエレベーターに押して乗せると、同僚の整備員に向かって叫ぶ。
「ユニコーンが出る! エレベーターを上げろ!」
整備員が動力を切り替えると、飛行甲板に向けてアレクたちが搭乗する四機の飛空艇は、エレベーターで上昇していく。
程なく、アレクたちが搭乗する四機の飛空艇は、飛行甲板に出る。
上空の冷たい風がアレクの顔を撫でる。
アレクは、伝声管でルイーゼに告げる。
「行くよ。ルイーゼ」
「うん」
「発動機始動!」
アレクは、掛け声と共に魔導発動機の起動ボタンを押す。
魔導発動機の音が響く。
ルイーゼが続く。
「飛行前点検、開始!」
ルイーゼは掛け声の後、スイッチを操作して機能を確認する。
「魔導発動機、航法計器、浮遊水晶、降着装置、昇降舵、全て異常無し!」
ルイーゼからの報告を受け、アレクは浮遊水晶に魔力を加えるバルブを開く。
「ユニコーン・リーダー、離陸!」
アレクの声の後、大きな団扇を扇いだような音と共に機体が浮かび上がる。
「発進!」
アレクは、クラッチをゆっくりと繋ぎ、スロットルを開ける。
プロペラの回転数が上がり、風切り音が大きくなると、アレクとルイーゼの乗る機体ユニコーン・リーダーは、加速しながら飛行甲板の上を進む。
やがて飛行甲板の終わりまでくると、二人の乗るユニコーン・リーダーは大空へと舞い上がった。
二人の乗るユニコーン・リーダーは飛行空母の上を旋回して、小隊の仲間が離陸してくるのを待つ。
直ぐにアルとナタリーが乗るユニコーン二号機が飛行空母を発進し、上昇してくる。
続いて、ドミトリーとナディアが乗るユニコーン三号機とエルザとトゥルムが乗るユニコーン四号機が飛行空母から発進して上昇してくる。
四機全てが揃ったユニコーン小隊は、自分たちが偵察を担当する地域を目指し、編隊を組んで向かった。
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