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第三章 辺境派遣軍
第三十六話 男爵領 中央部東側 開拓村 防衛戦(二)
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アレクたちの教導大隊と鼠人の軍勢が激突する。
飛行戦艦の艦砲射撃とソフィアが乗る飛竜の火炎息、それにヒナの氷結魔法の攻撃を受け、教導大隊までたどり着いた鼠人の軍勢は、五百体程であった。
ジカイラの傍らでヒナが両手をかざして魔法を唱える。
「氷結暴風!」
ヒナの足元に一つ、両手の先に魔法陣が等間隔で四つ現れ、魔法陣から鼠人の軍勢に向けて一直線に激しい凍気が噴き出す。
魔法の直撃を受けた鼠人たちは、武器を手に駆け寄ってきた姿のまま凍結し、氷像のように凍りついて動かなくなった。
「上出来だ」
ジカイラはそう言うと、迫ってくる鼠人たちに対して斧槍を水平に構え、腰を落として深く息を吸い込み、貯めの姿勢を取る。
五体の鼠人がジカイラに襲い掛かる。
( 一の旋!)
ジカイラの渾身の力を込めた斧槍の一撃が剛腕から放たれる。
ジカイラの斧槍が一撃で五体の鼠人たちを薙ぎ払う。
鼠人五体のうち、三体は胴体が半分にちぎれて吹き飛ぶ。
革命戦役の英雄であるジカイラとヒナが見せた勇姿は、教導大隊の学生達を高揚させ、アレクたちユニコーン小隊も例外ではなかった。
体格のあるトゥルムとアルが、盾越しにぶつかった鼠人の体を盾の上に乗せ、そのまま隊列の後ろに投げ飛ばす。
「ウォオオオオ!」
「おりゃあああ!」
投げ飛ばされた鼠人に、ルイーゼとナディアが剣を突き立てる。
トゥルムとアルは、正面の鼠人にそれぞれ三叉槍と斧槍を突き刺す。
アレクが叫ぶ。
「ナタリー! 今だ! 攻撃魔法を!」
「いくわよ!」
ナタリーが鼠人たちに向けて手をかざし、魔法を唱える。
ナタリーの掌の先の空中に三つの魔法陣が浮かび上がる。
「火炎爆裂!」
魔法陣の先に現れた爆炎が鼠人たちを包み、火達磨にする。
アレクとエルザは、鼠人の攻撃を盾で受けつつ、隙きを見て剣で攻撃する。
鼠人の軍勢は、激突時こそ教導大隊より人数が多かったものの、次第に装備と練度、個体戦力に勝る教導大隊が鼠人の軍勢を圧倒し始める。
また、ヒマジン伯爵が率いる陸戦隊は、北側に展開した鼠人たちの軍勢を一方的に圧倒していた。
鼠人たちの鉈や木槍、弓は、蒸気戦車に全く歯が立たず、鼠人たちは横一列横隊に並ぶ蒸気戦車の主砲で吹き飛ばされ、キャタピラに引き潰されて壊滅し、敗走し始めていた。
皇太子ジークは、護衛のアストリッドと共にソフィアの飛竜に乗り、上空から全体の戦況を観察していた。
(陸戦隊側の勝敗は既に着いた。鼠人たちは敗走している。火力に乏しい教導大隊側が手こずっているようだな……)
ジークが口を開く。
「ソフィア。私を教導大隊側の敵の軍勢の後ろに降ろせ」
「なりません! 御身を敵中に降ろすなど!」
「この私が鼠人たちに遅れを取ると思うのか? 構わん。降ろせ。……そう、心配するな。アストリッドを連れていく」
「……判りました」
ソフィアは飛竜を降下させ、教導大隊が戦っている鼠人の軍勢の背後にジークとアストリッドを降ろした。
ジークは、アストリッドに指示を出す。
「アストリッド。我々は、敵を背後から攻撃して撹乱する。行くぞ!」
「はい!」
ジークとアストリッドは、鼠人の軍勢に背後から攻撃し始める。
「アストリッド、派手にやれ」
「はい!」
アストリッドは、鼠人の軍勢に向けて左手の指に嵌めている指輪をかざし、次々に魔法を唱える。
アストリッドの指輪の先の空中に次々と魔法陣が浮かび上がる。
「火炎爆裂!」
「氷結暴風!」
「雷撃光球!」
アストリッドの魔法が次々と鼠人たちをなぎ倒していく。
魔法騎士は、装備している指輪の性能によるが、指輪によって魔法を使用することができる。
アストリッドの攻撃によって、鼠人たちはジーク達の存在に気付く。
ジークは、父である皇帝ラインハルトから譲り受けた魔力が付加されているサーベルを抜刀すると、アストリッドも抜刀し、二人で鼠人たちの軍勢に斬り込んでいく。
近接戦最強職の上級騎士であるジークの戦闘力は、言葉通り『桁が違っていた』。
上級職である二人は、竜巻のように血飛沫を上げながら鼠人たちを斬り伏せ、蹴散らして無人の野を歩くように進んでいく。
やがて二人は、教導大隊の先頭に立つジカイラとヒナの前まで進む。
教導大隊の先陣に立つジカイラとヒナの前に、鼠人たちを蹴散らしながら近付いて来る帝国騎士の姿があった。
その姿にジカイラは目を見張る。
(まさか! ラインハルト!?)
血飛沫を上げながら鼠人たちを斬り伏せ、竜巻のようなその渦中から現れたのは、皇太子ジークとその護衛のアストリッドであった。
ジカイラが驚く。
「ジーク!? いや、殿下! まさか! 敵軍を二人で突破してきたのか?」
ジークが口を開く。
「中佐。そのとおりだ」
二人の通ってきた後には、無数の鼠人たちの屍が累々と道を形作っていた。
今回の戦の趨勢は決し、陽が傾く頃には、鼠人の軍勢は敗走していった。
ヒマジン伯爵率いる陸戦隊が戦っていた鼠人の敗残兵達は、原生林の中に逃げ込んでいった。
その様子にヒマジンは訝しむ。
(奴ら、原生林の中に逃げ込んだ。……蒸気戦車が森林には入り込めない事を知っているのか? 或いは気付いたか? もしかすると、思っていた以上に知恵の回る奴等かもしれないな……)
飛行戦艦の艦砲射撃とソフィアが乗る飛竜の火炎息、それにヒナの氷結魔法の攻撃を受け、教導大隊までたどり着いた鼠人の軍勢は、五百体程であった。
ジカイラの傍らでヒナが両手をかざして魔法を唱える。
「氷結暴風!」
ヒナの足元に一つ、両手の先に魔法陣が等間隔で四つ現れ、魔法陣から鼠人の軍勢に向けて一直線に激しい凍気が噴き出す。
魔法の直撃を受けた鼠人たちは、武器を手に駆け寄ってきた姿のまま凍結し、氷像のように凍りついて動かなくなった。
「上出来だ」
ジカイラはそう言うと、迫ってくる鼠人たちに対して斧槍を水平に構え、腰を落として深く息を吸い込み、貯めの姿勢を取る。
五体の鼠人がジカイラに襲い掛かる。
( 一の旋!)
ジカイラの渾身の力を込めた斧槍の一撃が剛腕から放たれる。
ジカイラの斧槍が一撃で五体の鼠人たちを薙ぎ払う。
鼠人五体のうち、三体は胴体が半分にちぎれて吹き飛ぶ。
革命戦役の英雄であるジカイラとヒナが見せた勇姿は、教導大隊の学生達を高揚させ、アレクたちユニコーン小隊も例外ではなかった。
体格のあるトゥルムとアルが、盾越しにぶつかった鼠人の体を盾の上に乗せ、そのまま隊列の後ろに投げ飛ばす。
「ウォオオオオ!」
「おりゃあああ!」
投げ飛ばされた鼠人に、ルイーゼとナディアが剣を突き立てる。
トゥルムとアルは、正面の鼠人にそれぞれ三叉槍と斧槍を突き刺す。
アレクが叫ぶ。
「ナタリー! 今だ! 攻撃魔法を!」
「いくわよ!」
ナタリーが鼠人たちに向けて手をかざし、魔法を唱える。
ナタリーの掌の先の空中に三つの魔法陣が浮かび上がる。
「火炎爆裂!」
魔法陣の先に現れた爆炎が鼠人たちを包み、火達磨にする。
アレクとエルザは、鼠人の攻撃を盾で受けつつ、隙きを見て剣で攻撃する。
鼠人の軍勢は、激突時こそ教導大隊より人数が多かったものの、次第に装備と練度、個体戦力に勝る教導大隊が鼠人の軍勢を圧倒し始める。
また、ヒマジン伯爵が率いる陸戦隊は、北側に展開した鼠人たちの軍勢を一方的に圧倒していた。
鼠人たちの鉈や木槍、弓は、蒸気戦車に全く歯が立たず、鼠人たちは横一列横隊に並ぶ蒸気戦車の主砲で吹き飛ばされ、キャタピラに引き潰されて壊滅し、敗走し始めていた。
皇太子ジークは、護衛のアストリッドと共にソフィアの飛竜に乗り、上空から全体の戦況を観察していた。
(陸戦隊側の勝敗は既に着いた。鼠人たちは敗走している。火力に乏しい教導大隊側が手こずっているようだな……)
ジークが口を開く。
「ソフィア。私を教導大隊側の敵の軍勢の後ろに降ろせ」
「なりません! 御身を敵中に降ろすなど!」
「この私が鼠人たちに遅れを取ると思うのか? 構わん。降ろせ。……そう、心配するな。アストリッドを連れていく」
「……判りました」
ソフィアは飛竜を降下させ、教導大隊が戦っている鼠人の軍勢の背後にジークとアストリッドを降ろした。
ジークは、アストリッドに指示を出す。
「アストリッド。我々は、敵を背後から攻撃して撹乱する。行くぞ!」
「はい!」
ジークとアストリッドは、鼠人の軍勢に背後から攻撃し始める。
「アストリッド、派手にやれ」
「はい!」
アストリッドは、鼠人の軍勢に向けて左手の指に嵌めている指輪をかざし、次々に魔法を唱える。
アストリッドの指輪の先の空中に次々と魔法陣が浮かび上がる。
「火炎爆裂!」
「氷結暴風!」
「雷撃光球!」
アストリッドの魔法が次々と鼠人たちをなぎ倒していく。
魔法騎士は、装備している指輪の性能によるが、指輪によって魔法を使用することができる。
アストリッドの攻撃によって、鼠人たちはジーク達の存在に気付く。
ジークは、父である皇帝ラインハルトから譲り受けた魔力が付加されているサーベルを抜刀すると、アストリッドも抜刀し、二人で鼠人たちの軍勢に斬り込んでいく。
近接戦最強職の上級騎士であるジークの戦闘力は、言葉通り『桁が違っていた』。
上級職である二人は、竜巻のように血飛沫を上げながら鼠人たちを斬り伏せ、蹴散らして無人の野を歩くように進んでいく。
やがて二人は、教導大隊の先頭に立つジカイラとヒナの前まで進む。
教導大隊の先陣に立つジカイラとヒナの前に、鼠人たちを蹴散らしながら近付いて来る帝国騎士の姿があった。
その姿にジカイラは目を見張る。
(まさか! ラインハルト!?)
血飛沫を上げながら鼠人たちを斬り伏せ、竜巻のようなその渦中から現れたのは、皇太子ジークとその護衛のアストリッドであった。
ジカイラが驚く。
「ジーク!? いや、殿下! まさか! 敵軍を二人で突破してきたのか?」
ジークが口を開く。
「中佐。そのとおりだ」
二人の通ってきた後には、無数の鼠人たちの屍が累々と道を形作っていた。
今回の戦の趨勢は決し、陽が傾く頃には、鼠人の軍勢は敗走していった。
ヒマジン伯爵率いる陸戦隊が戦っていた鼠人の敗残兵達は、原生林の中に逃げ込んでいった。
その様子にヒマジンは訝しむ。
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