【短編集】気ままにショートストーリー

黒子猫

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「悪の組織と戦う男」

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「やめろ!離せっ!離すんだ!」
俺は今、悪の組織に囚われている。
……そう。今から数時間前、俺はこの悪の組織に人質として捕らえられている人を助けるべく、ここに潜入した。
幸い、すぐに人質は見つかり、奴等に見つかる前に早く逃げようとしていた、その時……。
「ほぉ……。一人で人質を助けに来るとは……、いい度胸だねぇ」
悪の組織のボスっぽい女が現れた。
「……くそっ……!キミは逃げるんだ!」
俺は人質を庇うように両手を広げ、早く行くように促した。
人質は、少し戸惑ったようだったが、小さく会釈すると、そのまま走り去った。
「アタシ達の獲物を簡単に逃がすなんて……。……どうなるか分かってるよね……?」
「俺は、どうなったって構わない!!俺の目的は、あの人質を解放することだったんだから!!」
「ふん……。随分正義感が強いんだねぇ……」
女が指を鳴らすと、部下っぽい女が出て来た。
「この男を縛って」
「かしこまりました」

俺は、抵抗したが、簡単に手足を縛られてしまった。
ボス風の女は、ヒールを履いているため、俺より目線が高い。
こっちを見る目は、俺を見下げる形になる。
俺を……、そういう目で見ないでくれ……。
俺の中の何かが……、目覚めてしまいそうだ……。
俺は思わず目をそらす。
「随分と気弱になったじゃないか……。さっきの威勢はどうしたんだよ……!?」
ボスっぽい女が部下に目配せする。
部下は、持っていた鞭を俺に振り下ろした。
「あぁっ……!」
俺の体は、鞭の鋭い感触を受け入れる。
「さぁ……、さっきの人質の代わりに……アタシを楽しませてごらん……?」
また、俺の体に鞭の刺激。
俺は……、こんな……こんなもの……!
こんなものに負ける人間ではない!!
俺は、力の限り抵抗した。
縛られた手足をなんとか動かして、逃げようとするが、叶わない。
「……そんなことで逃げられる訳がないだろう……?」
愉快そうに笑う女達。
……限界だ。
「さぁ……、これから沢山苛めてやろう……」
……そんなの……、ご褒美でしかないに決まってるじゃないか……!!
情けない姿を笑う女達も、逃げられないこの状況も、体を苛められるのも……。
俺は……、好きなんだよ……。
くそぅ……。
こんな状況!どうしたらいいんだ!!
こんな俺の内心も知らず、ボスっぽい女が言う。
「……抵抗するのは諦めたようだな……。
では、しばらくはこのまま放置して……」
放置プレイっ!?
……いや、でも、もうちょっと鞭を味わいたいし……。
くそっ!どちらも捨てがたい!!
「待ってくれ!……俺は実はお前達に有益な情報を知ってる……」
これは……ウソだ。
「……有益な情報……?」
女達がこちらをジロリと見る。
「ただ……、お前達に言うつもりはないがな……」
「へぇ……。じゃあ……、言いたくなるようにしてやろう」
ボスっぽい女が、部下に目配せする。
また、俺の体に鞭が振るわれた。
これだ……。
俺が求めていたのは、これなんだ……。
人質はやめられない……。






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