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第一章 白黒から虹色に
第二十一話 特訓
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ガシャンガシャンと、鉄が擦れる音。
幻聴で頭を抱えていた私の後ろに来た人物は、昨日武術を教えてくれると言っていたジェイトだった。
「魔法の練習は捗ってるか~?‥‥ってどうしたよシロナ。そんな暗い顔して‥‥なんかあったか?」
「え、あ、いや‥‥何でもない。それより何だ?その大荷物」
鉄の擦れる音の正体。
袋に包まれていたため外見では把握出来なかったが、ジェイトは地面にその袋を置き中身を全てひっくり返した。
中身は様々な種類の武器。
直剣、刀、短剣、レイピア、鎌槍その他諸々‥‥。
「わ~‥‥。武器ってこんなに種類があるのか!でも重たかったんじゃ‥‥?」
「どれがシロナにピッタリの武器か分かんねぇしな。あと、俺は多種多様な職場を経験した男‥‥このぐらい担げて当然なんだよ」
な、なるほど‥‥。
ジェイトがやって来た事に気づいたルークは、練習的の調整が終わるとこちらに近づいてきた。
「いいタイミングだ。丁度魔法の練習も終わる頃だった。あとは任せていいか?」
「おう!いいぜ、次は俺が先生だ!覚悟しろよォ~シロナ!」
ジェイトは無駄に気合い満々だ。
それより、あとは任せたって??
「え?ルークはどっか行くのか?」
「離れで仕事してくるだけだ。何かあったら呼んでくれていい‥‥‥‥何だ?俺がいないと不安か?」
コイツはまたそーゆー意地悪な感じで煽ってくる。
不安?
冗談‥‥。
誰があんたと一緒じゃなきゃ嫌と言った?!
「そんなわけあるか!!バカ!」
「はいはい。ジェイト気をつけろよー。シロナはこう見えて狂犬だからな」
「だっ、誰が狂犬だ!!!」
言いたい放題いいやがって~!
だが、こんなのいつもの事。
ルークは立ち去って行った。
「おーい。痴話喧嘩はその辺にして、特訓するぞ~」
「ち、痴話げ‥‥っ?!」
「ほら、なにボーッと突っ立ってんの。まずは直剣からな!」
そう言って私に剣を無造作に放り投げた。
「ちょっ!」
さやに納まっているものの、剣を投げられたら怖いし、しかもジェイトは軽々しく扱っているが私は一応女なわけで‥‥。
なんて、文句を心の中で言いながら両手で剣をキャッチする。
やっぱり重い‥‥。
「ほら!抜いて抜いて、あの練習棒に斬りかかってみろ」
剣の構え方や振り方を一通りの事を教えて貰い、言われた通りした。
したのだが‥‥上手く扱えない。
剣を振るうというより、剣に振り回されているの方が正しいだろう。
仕方ない。
仕方ないんだ。
だって私の身長は150cm無いのだから。
背の低い私に、この長い直剣は合わなかった。
「うーん、駄目だな。シロナ次行くぞ」
直剣‥‥カッコイイから使いたかったけど‥‥
残念。
それから槍、レイピアと続けて使ってみたが、どれもこれもしっくりこず。
最後に短剣を渡された。
短剣‥‥確かに私のサイズ的にはピッタリ。
軽いし、身軽に動けるし、扱いやすい。
でも短剣は超接近戦になる。
大丈夫だろうか‥‥。
「ん、シロナには短剣だな!」
「うーん。でも私接近戦はちょっと‥‥」
「‥‥怖いか?」
不安気な顔でコクリと頷く。
「まぁ確かに短剣は直剣と違ってリーチが短いからな。‥‥でも俺は向いてると思うぜ」
どこにそんな確信があるのか。
「何でそう思うんだ?」
「シロナって結構華奢な体型だろ?オマケにあの狂ったトカゲからも逃げ続けれてた。要するにすばしっこい。相手の懐に潜り込めるし、避けるのも練習すれば容易になるだろうからって理由だ」
練習‥‥。
正直まだ怖かった。
俯いているとジェイトは言葉を続けた。
「それにだ」
「?」
「さっきの見てたぜ?スゲェ電撃だったじゃんか。接近戦がダメな相手に出会したら、あの魔法を食らわしてやればいい!折角使えるようになったんだ。バンバン使ってこーぜッ!」
ぜ、のタイミングで私の背中をバシッと叩く。
確かに魔法を使えるようになった。
ならいける‥‥のか?
そこで、あの声が頭をよぎる。
《魔法を使うな》
あれは‥‥どういう意味なんだ‥‥。
姿も分からない存在にかけられた言葉に困惑を隠せないでいた。
それから夕方まで短剣での特訓が始まった。
スナップのかけ方。
脚運び。
避ける練習も。
ジェイトいわく、私は飲み込みが早いらしい。
教えられた事は大体覚えた。
最後に魔法がもっと上手くなったら、短剣の刃の部分に魔法属性を纏わせることができるらしい。
だから、私の場合は電撃を剣に纏わせてリーチを伸ばしたりが出来るってこと‥‥。
まぁそれは、まだ私には難しかったので、ジェイトは私専用の短剣を作ってまた来ると言い帰って行った。
今日は沢山動いた。
おかげで全身が筋肉痛でやばい。
特に腕と太ももが‥‥っ!
段差とか登るだけで痛みが走った。
私はコハクの元へ向かって家に連れて帰ったが家にまだルークの姿は無い。
まだ離れにいるのかな。
コハクを肩に乗せて仕事場を覗きに行った。
太陽は沈みかけていて、空は綺麗な茜色に変わっていく時間。
そろそろお腹も減ってきた。
「ルーク?こっちは終わったぞ」
中に入ると数十種類の薬草と薬品が机に散乱しており、ルークは出来上がった薬を瓶詰めする作業をしていた。
かなり集中しているのだろう‥‥。
部屋が暗くなっているのにも関わらず、蝋燭も灯さずにいた。
「シロナか、お疲れ。俺ももう少ししたら終わるから先に部屋で待っててくれ」
「分かった。でもせめて灯くらいつけて仕事しなよ」
「あぁ、悪い‥‥気づかなかった」
私は部屋の壁に設置してあるランタンに魔法で火をつけた。
でも‥‥。
それがいけなかった。
突然激しい頭痛が襲ってきた。
キーン
と耳鳴りもなる。
な、何だ‥‥これ‥‥っ?!
頭‥‥が‥‥っ!
割れ‥‥る‥‥‥‥っ
「う、ぐっ‥‥」
あまりの激痛で、その場で崩れるように倒れた。
視界が暗くなり、シロナ!と叫んで呼びかけてくるルークの姿と、心配そうに顔を覗き込むコハクの姿を最後に‥‥。
私は‥‥気を失った。
失った‥‥はず‥‥だったのだが‥‥。
気づくと私は何も無い真っ暗な空間に、呆然と立ちつくしていた。
「?」
何が‥‥起きた?
ここは‥‥夢か?
夢にしては意識がかなりハッキリしていた。
不思議な感覚。
でもこの空間。
どう考えても現実的じゃない。
果てしなく、どこまでも、どこまでも闇の世界。
しかし一箇所だけ。
ボワッと淡く光る場所があった。
そこを目印に私は足を動かした。
筋肉痛も無いから、やっぱり夢か‥‥
なんて考えながら。
灯りの元へ近づくと、数本の背の高い燭台が火を灯しており。
何か、人のような影の周りに対照的になるよう配置されていた。
人‥‥
いや、違う。
更に近づくと、それは人ではなかった。
大きな鉄の板がバツ印になっていて、そこにソレは鎖で縛り、繋がれたいた。
首に鉄の首輪、足首にも、手首に拘束されている。
黒髪のボサついた長髪。
頭に鋭い角が二本。
右目は前髪で隠れていて、左目の頬に三本の線が入っている。
オマケにドラゴンのような尻尾まで‥‥。
目を閉じていたソレは、ゆっくりと瞼を開き。
その瞳は金色に光っていて、私の顔を見た。
「‥‥あぁ糞が、こんな所にまで来やがりやがって」
ソレの外見はまさに
闇
だった。
幻聴で頭を抱えていた私の後ろに来た人物は、昨日武術を教えてくれると言っていたジェイトだった。
「魔法の練習は捗ってるか~?‥‥ってどうしたよシロナ。そんな暗い顔して‥‥なんかあったか?」
「え、あ、いや‥‥何でもない。それより何だ?その大荷物」
鉄の擦れる音の正体。
袋に包まれていたため外見では把握出来なかったが、ジェイトは地面にその袋を置き中身を全てひっくり返した。
中身は様々な種類の武器。
直剣、刀、短剣、レイピア、鎌槍その他諸々‥‥。
「わ~‥‥。武器ってこんなに種類があるのか!でも重たかったんじゃ‥‥?」
「どれがシロナにピッタリの武器か分かんねぇしな。あと、俺は多種多様な職場を経験した男‥‥このぐらい担げて当然なんだよ」
な、なるほど‥‥。
ジェイトがやって来た事に気づいたルークは、練習的の調整が終わるとこちらに近づいてきた。
「いいタイミングだ。丁度魔法の練習も終わる頃だった。あとは任せていいか?」
「おう!いいぜ、次は俺が先生だ!覚悟しろよォ~シロナ!」
ジェイトは無駄に気合い満々だ。
それより、あとは任せたって??
「え?ルークはどっか行くのか?」
「離れで仕事してくるだけだ。何かあったら呼んでくれていい‥‥‥‥何だ?俺がいないと不安か?」
コイツはまたそーゆー意地悪な感じで煽ってくる。
不安?
冗談‥‥。
誰があんたと一緒じゃなきゃ嫌と言った?!
「そんなわけあるか!!バカ!」
「はいはい。ジェイト気をつけろよー。シロナはこう見えて狂犬だからな」
「だっ、誰が狂犬だ!!!」
言いたい放題いいやがって~!
だが、こんなのいつもの事。
ルークは立ち去って行った。
「おーい。痴話喧嘩はその辺にして、特訓するぞ~」
「ち、痴話げ‥‥っ?!」
「ほら、なにボーッと突っ立ってんの。まずは直剣からな!」
そう言って私に剣を無造作に放り投げた。
「ちょっ!」
さやに納まっているものの、剣を投げられたら怖いし、しかもジェイトは軽々しく扱っているが私は一応女なわけで‥‥。
なんて、文句を心の中で言いながら両手で剣をキャッチする。
やっぱり重い‥‥。
「ほら!抜いて抜いて、あの練習棒に斬りかかってみろ」
剣の構え方や振り方を一通りの事を教えて貰い、言われた通りした。
したのだが‥‥上手く扱えない。
剣を振るうというより、剣に振り回されているの方が正しいだろう。
仕方ない。
仕方ないんだ。
だって私の身長は150cm無いのだから。
背の低い私に、この長い直剣は合わなかった。
「うーん、駄目だな。シロナ次行くぞ」
直剣‥‥カッコイイから使いたかったけど‥‥
残念。
それから槍、レイピアと続けて使ってみたが、どれもこれもしっくりこず。
最後に短剣を渡された。
短剣‥‥確かに私のサイズ的にはピッタリ。
軽いし、身軽に動けるし、扱いやすい。
でも短剣は超接近戦になる。
大丈夫だろうか‥‥。
「ん、シロナには短剣だな!」
「うーん。でも私接近戦はちょっと‥‥」
「‥‥怖いか?」
不安気な顔でコクリと頷く。
「まぁ確かに短剣は直剣と違ってリーチが短いからな。‥‥でも俺は向いてると思うぜ」
どこにそんな確信があるのか。
「何でそう思うんだ?」
「シロナって結構華奢な体型だろ?オマケにあの狂ったトカゲからも逃げ続けれてた。要するにすばしっこい。相手の懐に潜り込めるし、避けるのも練習すれば容易になるだろうからって理由だ」
練習‥‥。
正直まだ怖かった。
俯いているとジェイトは言葉を続けた。
「それにだ」
「?」
「さっきの見てたぜ?スゲェ電撃だったじゃんか。接近戦がダメな相手に出会したら、あの魔法を食らわしてやればいい!折角使えるようになったんだ。バンバン使ってこーぜッ!」
ぜ、のタイミングで私の背中をバシッと叩く。
確かに魔法を使えるようになった。
ならいける‥‥のか?
そこで、あの声が頭をよぎる。
《魔法を使うな》
あれは‥‥どういう意味なんだ‥‥。
姿も分からない存在にかけられた言葉に困惑を隠せないでいた。
それから夕方まで短剣での特訓が始まった。
スナップのかけ方。
脚運び。
避ける練習も。
ジェイトいわく、私は飲み込みが早いらしい。
教えられた事は大体覚えた。
最後に魔法がもっと上手くなったら、短剣の刃の部分に魔法属性を纏わせることができるらしい。
だから、私の場合は電撃を剣に纏わせてリーチを伸ばしたりが出来るってこと‥‥。
まぁそれは、まだ私には難しかったので、ジェイトは私専用の短剣を作ってまた来ると言い帰って行った。
今日は沢山動いた。
おかげで全身が筋肉痛でやばい。
特に腕と太ももが‥‥っ!
段差とか登るだけで痛みが走った。
私はコハクの元へ向かって家に連れて帰ったが家にまだルークの姿は無い。
まだ離れにいるのかな。
コハクを肩に乗せて仕事場を覗きに行った。
太陽は沈みかけていて、空は綺麗な茜色に変わっていく時間。
そろそろお腹も減ってきた。
「ルーク?こっちは終わったぞ」
中に入ると数十種類の薬草と薬品が机に散乱しており、ルークは出来上がった薬を瓶詰めする作業をしていた。
かなり集中しているのだろう‥‥。
部屋が暗くなっているのにも関わらず、蝋燭も灯さずにいた。
「シロナか、お疲れ。俺ももう少ししたら終わるから先に部屋で待っててくれ」
「分かった。でもせめて灯くらいつけて仕事しなよ」
「あぁ、悪い‥‥気づかなかった」
私は部屋の壁に設置してあるランタンに魔法で火をつけた。
でも‥‥。
それがいけなかった。
突然激しい頭痛が襲ってきた。
キーン
と耳鳴りもなる。
な、何だ‥‥これ‥‥っ?!
頭‥‥が‥‥っ!
割れ‥‥る‥‥‥‥っ
「う、ぐっ‥‥」
あまりの激痛で、その場で崩れるように倒れた。
視界が暗くなり、シロナ!と叫んで呼びかけてくるルークの姿と、心配そうに顔を覗き込むコハクの姿を最後に‥‥。
私は‥‥気を失った。
失った‥‥はず‥‥だったのだが‥‥。
気づくと私は何も無い真っ暗な空間に、呆然と立ちつくしていた。
「?」
何が‥‥起きた?
ここは‥‥夢か?
夢にしては意識がかなりハッキリしていた。
不思議な感覚。
でもこの空間。
どう考えても現実的じゃない。
果てしなく、どこまでも、どこまでも闇の世界。
しかし一箇所だけ。
ボワッと淡く光る場所があった。
そこを目印に私は足を動かした。
筋肉痛も無いから、やっぱり夢か‥‥
なんて考えながら。
灯りの元へ近づくと、数本の背の高い燭台が火を灯しており。
何か、人のような影の周りに対照的になるよう配置されていた。
人‥‥
いや、違う。
更に近づくと、それは人ではなかった。
大きな鉄の板がバツ印になっていて、そこにソレは鎖で縛り、繋がれたいた。
首に鉄の首輪、足首にも、手首に拘束されている。
黒髪のボサついた長髪。
頭に鋭い角が二本。
右目は前髪で隠れていて、左目の頬に三本の線が入っている。
オマケにドラゴンのような尻尾まで‥‥。
目を閉じていたソレは、ゆっくりと瞼を開き。
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